おバカな私と友人その他

初恋( 1 / 1 )

 私の、初恋は幼稚園のころであった。ちなみに私の行っていた幼稚園は山鳩幼稚園という名の幼稚園である。あれは私が桃組という、組にいたときだった(たぶん・・)。
 その幼稚園では出席すると毎朝シールを手帳に貼らなければならず、みんな毎朝1番にする作業である。しかし、いつ頃からか朝、私がシールをはろうとすると私を追っかけ回す二人組の女の子がいた。私はさっさとシールを貼って遊びたいのだが捕まると・・・おやっ、捕まると一体どうなったのだろう・・・。今気付いた、捕まったことがない、毎朝追っかけっこをしていただけではないか・・・。まぁ、その追っかけっこも私が人込みにまぎれシールを手帳に貼ると終わりである。その二人組とは朝追っかけっこをするだけで他に交流はなかった。名前も知らない。しかし、私は密かにその片割れに恋心を抱いていたのである。
 どんな顔かと言うと、その時の私の目にはこのように映った。髪はショートで眼はクリクリしており輪郭は卵型である。まぁ、形容はこの程度に押さえておこう、これ以上形容すると私を昔から知っている人や中学校の友人にばれてしまう、あっ、わかった人は「シーッ。」
 さて、小学校に入学すると、ご存じのとおり5人である。その人とは離れ離れになりほぼ完璧に忘れていた。ところがである、小学校を卒業し中学に入っておろろいた、失敬、驚いた。なんと、その人がいるじゃないか、一目見てわかった。メガネをかけおとなしくなっていた。昔の私を追っかけ回していた面影などみじんもなく、そこにはおしとやかな女性がただいるだけである。中二なって聞いたことだが、むこうもこっちを見て一目でわかったらしい。
 しかし、その変貌ぶりにはただただ脱帽である。顔はさほど変わっていなかったが、物凄い、失敬、少しだけ運動音痴になっていた。昔の軽やかに私を追い詰めるフットワークなどどこにもない。あのまま育っていればきっとエイトマン、もといエイトガールになっていたであろう。その人とは、いやっ、これ以上書くのはやめておこう。これ以上書くと一部の人に完全にばれてしまう、すでにこの時点で極一部の人には完全にばれている。しかも、本人が読んだらきっとさっきの私のようにおろろくだろう。まぁ、その人とは唯の仲の良い友達である。何もなかったのだ。しかし、こう書くと高校から馴染みになった一部の人はまったく信用しないだろう。思いでは思い出のままなのだ。

捻挫( 1 / 1 )

 私はよく、捻挫をする。が、けしてドジではない、反論の声が聞こえるがドジではない。初めて捻挫したのは忘れもしない、小学校4年の時である。なぜ忘れないかと言うと長くなるのだが言う。
 小学校には陸上記録会なるものが存在する。5年と6年の部しかないのだが我が母校は人数が少ないため4年でも出るのだ。そして私はその時期になって初の捻挫を体験した。五年の部の走り高跳びに出る予定だった。ちなみにその年の五年の部の優勝記録は1m10cm、当時4年だった私の最高記録と同じである。陸上競技場の地面はよく跳ねる。学校の固い土と比べればトランポリンである。故に記録は必然的に学校で計測するよりも5cmは確実に延びるのだ。
「うぉー優勝できていたのに。」
 そこで、優勝していれば3年連続優勝とゆうありえない記録が樹立できていたのに残念である。さて、一体その時期のいつ捻挫したかと言うと・・・大会2週間程前の昼休みサッカーをやっていた私に起こった突然の悲劇である。
 転がって行くボールを走って追いかけ追いついて足で押さえた。私は走っていた勢いでボールの端のほうを踏んだ。
「あれっ。」
 こけた。私はドジではない。ボンちゃんが、
「大丈夫。」
 と言って近寄ってきた。
「大丈夫、大丈夫、ちょっと足ひねっただけ。」
「本当に大丈夫、結構凄かったよ。」
 一体どのように凄かったのだろう。
「まぁいい、立ち上がるか、あれ、立ち上がれない。」
 立ち上がろうとしたが、ひねった右足に力が、はいらない。まるでフニャフニャの軟体動物である。2~3回トライしたが、無理だ。
「ボンちゃん、ボンちゃん、ちょっと肩貸して。」
「ちょっと、どしたの。」
「いやなに、立ち上がれんのよ、アッハッハ。」
 そう聞くとボンちゃんの顔は青くなった。どっちがケガ人かわからない。ボンちゃんは非常に心配してくれ保健室まで連れて行ってくれた。いい奴である。保健の先生は、
「何処がいたい、あぁ、ここ。」
 足の外側の端である。
「ここは細かい骨が固まってるからねぇ、もしかしたら骨折してるかも。」
 すました顔してとんでもないことを言うひとである。
「骨折?、細かい骨が固まってる所。」
 私の頭の中では細かい骨の固まりが粉々になっている所が浮かんでいた。
「あぁ、私の骨は粉みじんだ、きっと粉薬のようになっているのだろう。」
 そう思うと一層足の痛みは増した。
「取り合えず、湿布しておくけど、病院にいこうね。」
 当然である。骨折の疑いのある足を湿布で済まそうなどと思っていない。
 病院に行く。レントゲンを撮ってもらうことになった。
 突然だが、私はレントゲンが嫌いである。なぜかと言えば、このレントゲンなるものは体内に放射線を通すのだ。しかも、この放射線は体内から出ないのである。体内でどうなるのか知らないが、私の頭の中には、体内で飛び回る放射線の図がある。一生、体の中で放射線がビュンビュン飛び回るのだ気持ち悪いじゃないか、だから私はレントゲンが嫌いなのだ。しかし、この場合はしかたがない、私はおとなしくレントゲンをとってもらった。レントゲンの結果、骨には異常はないとのことだった。私の骨は異常ない、正常なのである。
「ハッハッハ、なんだなんでも無いじゃないか、私の骨は丈夫なのだ、さぁ矢でも鉄砲でも持ってきやがれ。」
 私はやけに強気になって訳のわからないことを頭のなかで叫んでいた。頭の中で粉みじんの骨がみるみるもとの形にもどっていく。しかし、痛い、骨折ではなくとも痛いのである。病院の先生は、
「骨には異常は無いです、捻挫ですから安静にしておいてください。」
 安静にしておく、私の人生の中でその時初めて言われた言葉だった。
「安静にしておく?。」
 私の頭の中ではよくドラマなどで映し出されるシーンが映っていた。
「先生、娘は大丈夫なんででしょうか。」
「非常に危険です、なるべく安静にしておいてください。」
 こんなシーンである。
「私の怪我はそんなにひどいのか、足をひねって死んだ奴など聞いたことがない、きっと今はこんな感じでもしばらくすると鬼のように痛くなるにちがいない、捻挫とはそんなに恐ろしいものなのか。」
 と密かに捻挫の恐怖におののいていた。
 私に対しての処置は湿布を貼って強力ゴム入りの包帯で固定するというものだった。
「こんな簡単な処置でいいのか、私の命は変な包帯一本で守られるものなのだろうか。」
 密かに自分の命の軽さを嘆いていた私に医師はこう言った。
「松葉杖は邪魔になるからいらないね。」
 おいおい、安静にしろと言ったのはあんたじゃないか。しかし、そう言われると欲しいとは言えず。
「はい、結構です。」
 と言ってしまう自分がなさけない。
「松葉杖はもうほぼ死が確定した人がつかうのだろうか。」
 私はとんでもない疑問を残したまま病院を去って行った。
 家に帰ると家族が心配そうに待っていた。しかし私が骨折してないことを告げると、
「なんだ、ただの捻挫か。」
 ということになり、たいしたもてなしを受けなかった。
「捻挫とは本当に恐ろしい物なのだろうか。」
 その時、私の心に疑問がわいた。やはりその通りで鬼のように痛くなることはなく、 ”ただ右足を使うと痛い”といったレベルで私の痛みは止まった。
 しかし、不便であることにかわりはなく、松葉杖もない私はそれからしばらくカラ傘お化けのように一本足で暮らすことになるのだった。

仲良し( 1 / 1 )

 今日はクリスマスである。しかし今年のクリスマスは、もう過ぎてしまった。現在クリスマス経過30分たった。光速で地球を逆回転して30分さかのぼればクリスマスに戻れるのだが、どうせ仕事しているのでやめておこう。ちなみにこの技はスーパーマンがやっていた。私にはできないので期待しないように。

  私は寮暮らしになったのでコタツが無い。特にコタツが好きではないが、コタツに入って食べるアイスが好きなのだ。寒い冬に余裕でアイスを食べられるあの設備、考案した人にノーベル賞をあげよう。しかし、無理なので、 「あんたはホットで賞」byひらくん  で、我慢してもらう。

  そういえば、子供のころコタツで寝ているとよく怒られた。 

「あんた、そんな所で寝たら風邪ひくよ!」

  今まで数々の風邪に出会って来たが、コタツが原因で風邪になったことは無い。嘘つき。嘘といえば昔こんな嘘をついたことがあるそう、あれは小学校一年生のころである。

  私の親友にみんなにボンちゃんと呼ばれている少年がいた。彼は非常におっとりしていてまるでパンダの様だった。彼のために言っておくが、けして体がバカでかいわけではない。まぁ、パンダもおっとりしているわけではないがイメージの問題である。そんなボンちゃんに私はある日こんなことを言った。

 「僕の家にはタイムマシンがあるのだ。」

  今思えば妄想僻の危ない奴だが、こんな危ない奴の言うことをボンちゃんは本気で信じてしまったのだ。

 「本当、すげぇ~。」

  嘘に決まっている。きっといつかボンちゃんは誰かに騙されるだろう。すでに私が騙している。気をつけろボンちゃん。そういうわけでしばらく私はボンちゃんに冒険談を話し続けることになる。

  恐竜のいる時代に行ったら燃料がきれそうになってヒヤヒヤしたとか、江戸時代に行って昔の先祖に会ったなどなど、最後には、

 「あるボタンを押すとすごく小さくなってね、人間の体にも入れるんだよ。この間ボンちゃんが寝てる間にチョット入らせてもらったから。」

 「えぇー!、いつのまに」

 「ボンちゃん右の奥歯に虫歯があるよ、早く治しなよ」

  と、2、3ヶ月前の歯科検診の内容までもちだす周到さだった。

  しかし、これくらいになれば嘘だとばれるだろうと私は思っていた。が、驚いたことにボンちゃんは全てを信じていたのである。あぁ、誰かが言っていた、

 「信じるものは救われる・・・」

  こんな話しを信じたところで救われはしない。ごめんよボンちゃん・・・。

  こんな日が何日つづいたろうか。私はボンちゃんに本当のことを打ち明けるこにした。 

「実は、今までの話しは全部嘘なんだ」 

 ボンちゃんのショックは大きかったらしく、しばらく口さえ聞いてもらえなかった。当然である。仮に私がボンちゃんならそうしたであろう。今までどんなに喧嘩をしても次の日には仲直りしていた。しかし、こんどばかりはちがったようだ。

  三日ほどたったろうか、そこには一緒に遊ぶ二人の男の子がいた。

水泳( 1 / 1 )

 私は水泳が好きである。どれくらい好きと言えば、コタツで食べるアイスぐらい好きだ。
 小学校の頃、体育の授業で、
「どれくらい泳げるか測るから一人づつ泳げ」
 と先生に言われ2000メートルまで泳いだところで止められた。悲しい・・・。ちなみにボンちゃんも2000メートル泳いだが、脱水症状で倒れた。まぁ、あれだけ動いて水を飲んでいないのだからしょうがない。水に浸かっていても汗はちゃんとでているのだ。その点から考えるとカエルも倒れそうだが、きっと泳ぎながら水を飲んでいるのだろう。しかし、今までに何匹かは倒れたにちがいない。私はそう願う。
 私には昔、泳ぎの才能があったらしい。小学校の頃の話しである。
 ほかの地域ではどうか知らないが、私たちの地域では毎年夏になると「水上記録会」なるものが市(県かもしれない)の小学校全体で行われた。地区ごとに開催し、全体のランキングを出すといった物だ。
 その大会のために放課後になると水泳の練習をしていた。
 私の通っていた小学校は人数が少ない、同級生なんか、5人しかいない。全校生徒は54人だった。ようするに私の住むところは田舎である。誰かが言っていたが、人間の数より狸のほうが多いらしい。
 まぁ、今のは嘘だがこんな言葉が真実味をおびてくる程、田舎なのだ。
 狸の少ない地区では選手になれない人もいる。しかし、私のいた小学校は全員選手である。全員と言っても選手は5年生と6年生だ。1~4年生は普通は出場できない。が、うちはちがった。4年生だった私達5人もかりだされたのだ。
 練習はきつい、あの運動量なら今の倍は稼げる。それほどきついのだ。練習を見ていたのは岡本先生だった。私にとっては3~6年生まで4年間お世話になった恩師である。
 練習は3時くらいからはじまる。約2時間程の練習だが、その間みんな半魚人である。ほとんど水からあがらないのだ。
 練習の内容は、
「25m×10」
「ビート板を股にはさんで腕の練習25m×5×3(クロール・平、背泳ぎ)」
「ビート板を手に持って足の練習25m×5×3」
 こうやって書くとどうってことないように聞こえるが実際はかなりの練習量である。この後にその日の各泳ぎの記録をとる。そして最後に3つあるコースをジグザグに泳ぐ75m×先生の気分。
「おいおい、これが小学生の練習なのか。計算すると(先生の気分=5)約1500mになるぞ、私の家まで往復してもまだおつりが来るじゃないか」
 と、今は思うがその頃の私は素直にシュイシュイ泳いでいた。それはなぜか? 答えは飴である。練習が終ると岡本先生が飴を1つくれる。自分の記録を更新すると飴がなんと2つも貰えるのだ! まさに飴と鞭である。まぁその飴がチュッ◯チャッ◯ス1つとかならまだゆるそう。だが私達がもらっていたのは1つの袋に20~30個入りの安物である。
 岡本先生はこう思っていたのだろう、
「小学生なんざこんな飴一つで十分、十分」
 そのとおりである。
 ここいらの小学生はどうか知らないが私達にはそれで十分だった。
 さて、水泳の練習が終り先生から飴をもらい、おいしくいただいた後はバスケットボールの練習がまっている。その練習が終るのがだいたい7時30分、家に帰りつくのが約8時という過密スケジュールである。しかもこれが毎日、
「おいおい、いつか死ぬんじゃないか」
 と、私は思っていたが、今日までスクスク育ってきた。人間そう簡単には死なないらしい。
 さて、水上記録会の結果だが岡本先生の指導のおかげか、はたまた私の才能か好成績をおさめることができた。
小学校4年(5年の部に出場)平泳ぎ 優勝
小学校5年 平泳ぎ 優勝、クロール 2位
小学校6年 平泳ぎ 優勝(地区新)、クロール 優勝
『バンザーイ!!』
ひらくん
おバカな私と友人その他
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