おバカな私と友人その他

注意書き( 1 / 1 )

 私は注意書きという物をよく読む。最近ふと、あるROMカセット、はやい話がとくにファミリィーコンピュータによく使われているあのカセットだ、注意書きを読んだ。そこにはこう書かれていた。
「取り扱いは丁寧にお願いします。このカートリッジでのキャッチボールはもちろん、バットでジャストミートするなど、考えただけでもおそろしいことです。」
 誰がするのだろう。あの某アナウンサーのジャストミートさんがするのであろうか。
「このカートリッジには爆発物は仕掛けられていませんが・・・。」
 そんなものがついていたら今頃、世のゲーム好きは人生のゲームオーバーである。さすが、遊びをクリエイトするナ△コさん、注意書きにまで施されたジョーダンには恐れ入った。きっと、これを書いた人は笑いを追求している人なのだろう。私はそんな人になりたい。
 そして今ふと私は感熱紙の注意書きをみている。
「開封後はなるべく早くお使いください。」
 まるでカップラーメンである。早く使わないとどうなるのだろう謎である。更に読みすすめると、
「保存するときは、温度40度以下、湿度80%以下の暗所に保存してください。」
「うーん、温度40度以上、湿度80%以上の日当たりのいい場所など、この地球上のどこに存在するのだろう。」
 そんな場所まで考えて注意書きを書いているのか、さすがこの会社、目の付けどころがシャープである。
 私が自分の注意書きを書くとしたらどう書くだろう。しばらく考えていつか、発表しようと思う。

道案内( 1 / 1 )

 私は道案内が苦手である。この間もわざわざ自転車を止めて教えてやったのに、
「あぁ、あんたじゃ解らん。」
 と暴言を吐かれてしまった。
「なんと失礼な奴だろう、自分から私に聞いておきながらその態度はなんだ、お前なんかトーフの角に頭をぶつけて、死んでしまえ。」
 そう思ったが、怪しいグラサンのおじさんだったので文句をいわない、私はどうせ小市民である。
 小学校のころも道を聞かれた。
「エクスキューズミー。」
「はっ?。」
 下校途中の私は突然声をかけられた。青い瞳に金髪である。
「初めて見た、これが外人さんか。」
 声をかけられた所は熊と遭遇した時と同じ場所である。
「なぜ、この場所はわけのわからない事ばかり起こるのだろう。」
 間抜けな顔で外人さんを見ながらそんなことを思った。
「ドァイブーツハドコデースカ?。」
 わからない、アルプス山脈なみのイントネーションである。九重山ぐらいしか登ったことのない私にはアルプスなんぞ縁がない。せいぜい理解できて富士山であろう。ドァイブーツ、一体何のことだろう、大仏様であろうか、いやあれは奈良県である、全然あさっての方向ではないか。
「オォーウ、ドァイブーツハドコデースカ。」
 ほんとにオォーウである。あんたの日本語は私には理解不能だ。その時ふと私は思った。
「ドァイブーツきっと臼杵石仏(私の地元大分県にある有名な仏像)のことだろう。」
 アルプスの頂上到達である。
「えぇーと、ここをまっすぐに・・・。」
「ファッツ?。」
 なにファッツ一体それは何だろう。下山途中で遭難である。
「オォ、ソーリー、ユクリシャベテクダサイ。」
 外人さんには、私が総理大臣に見えるのだろうか。
「こ・こ・を・まっ・すぐ・行・く・と・以下略。」
「オォー、アリガト、ユゥーアーナイスボーイグッバーイ。」
「グッバーイ。」
 思わずつられてグッバーイなどと言ってしまった。しかし、最後に何といっていたのだろう。私についてのコメントであろうか、しかし私にはこう聞こえた。
「おぉー、ありがと、湯は無いすぼーい、ぐっばーい。」
 理解できるのは、ありがと、湯は無い、グッバーイだけである。”すぼーい”どおいう意味だろう。
 家に帰って辞書で調べたが載っていなかった。くやしい、外人さんが知っている日本語を私がしらないのだ。
「きっと、別府に行ったのだ、そこで、何かの事故でお湯が無い代わりに”すぼーい”なる物を置いていたに違いない、よしっ、いつか別府に行って調べよう」
 私は固く心にそう誓った。家族の誰もがくだらないと言った。しかし、私はそういうことにしか情熱がわかない。父に、
「お父さん、別府までの旅費をくれ。」
 と言ったが軽くあしらわれてしまった。冷たい親である。しかし数年後、私は中学に入り。英語の授業を受けることにより、同時に自分のバカさかげんを知ることになる。

ジュース事件( 1 / 1 )

 小学校の修学旅行での出来事である。私達は一日目のホテルについた。旅館ではない。ホテルなのだ。これが凄いかどうかはわからないが当時の私は、
「大分市もふんぱつしたなぁ。」
 などと思っていた。しかし、ふんぱつしたのは父である。大分市は場所を決定したにすぎない、そう考えると大分市が、
「よしっ、ヨーロッパへいこう。」
 と決めたら、旅行先はヨーロッパになるのだろうか、しかしきっと、野宿であろう。私は雨風しのげるレベルでよかったと一人で、
「あぁ、私はなんと幸せ者だろう世間のどこかには雨風しのげず食べ物もろくにない人もいるのに。」
 と幸せを噛みしめながら、心はアフリカの難民キャンプに飛んでいた。
「ちょっと。」
「はて?アフリカから私を日本に呼び戻したのは誰だ。」
 ボンちゃんである。アッちゃんも私を心配そうに見ていた。
「なんでもない、なんでもない、ちょっとアフリカがね。」
「アフリカ?。」
 ますます、私が心配になったようである。
 前述の田舎シリーズに書いてあったとおり、私達は5人しかいない。男3人女2人である。昔は男女の数は逆だったのだが、いろいろあってこうなった。しかし、修学旅行は他の学校と一緒に行くので全体的に見ればにぎやかである。ガチャガチャ騒がしい食事が終わり、自由時間である。私達5人は仲が良い、当然と言えば当然である。なんてったってたったの5人しかいない、喧嘩のしようもない人数である。担任も3年生の時から一緒である。しかも、この担任の岡本先生、バスケットボール部顧問もやっていた。私達全員バスケ部である。担任と私達、計6人は家族と暮らす時間よりも、この6人で暮らす時間のほうが断然長い、まさに人類みな兄弟を地で走る集団である。
 そういう訳で夜はみんなでドンチャン騒ぎをしようということになった。当然アルコールはなしである。ジュースとお菓子を大量に買い占め私達は一つの部屋に集まって騒いでいた。岡本先生は会議があるらしく、少し遅れるとのことであった。私達5人+保健の中山先生(カイロを詰めていた先生ではない)はヘラヘラと騒いではお菓子をバリバリ食べるという小学生にとってはこの世の春、
「もう、よは満足じゃ。」
 と言いたくなる状態をおうかしていた。ジュースもお菓子も尽き、みんな全ての情熱を雑談に傾け始めたころ、岡本先生がやってきた。この岡本先生の登場でますます室内は盛り上がり怪しい雰囲気になった。ヘラヘラした雰囲気からヘラヘッヘにレベルアップである。
「よしっ、ジュースをおごってやろう。」
 岡本先生の発言に一堂色めきたった。今考えるとたいしたことない。人数はたったの7人である。しかし、私達は大喜びし、早速男子3人で買いに行くことになった。
 しかし、なぜホテル等の中はジュースが高いのであろうか、当時ジュースはまだ100円だったがホテルの中は150円である。「人の足もとを見るようなことをしやがって。」私はいつもそう思っていた。「悔しかったら外に出て買ってくれば、ただし何処にもないけどアッハッハ。」と言うホテルの支配人の顔が目に浮かぶようである。
 とまぁそういう訳で、100円のパックジュースを買うことに決めた私達は先生から700円をもらうとジュース売り場に直行した。
「ちょっとちょっと、僕にお金、持たして。」
 アッちゃんである。この少年、いい奴なのだがなにせたよりない。私とボンちゃんは悩んだ。「うーん、アッちゃんにお金を持たしていいものだろうか・・・」本当に悩んだ。その結果、
「じゃあ、半分だけな。」
 半分だろうが全部だろうが変わりない。残りの半分は私が持ち1階のフロアについた。
「えーと、あったあった。」
 自動販売機を見つけた私達は早速パックジュースを買い始めた。私が順調にパックジュースを買っていると、
「ちょいちょい、これ100円だけで出るかな。」
 アッちゃんが隣にある150円の自動販売機を指さしてそう言った。
「出るわけないじゃん。」
 私がそういうと「いや、やってみなければわからない。」といった感じの顔をするアッちゃんがいる。私はまじでするかもと思いながらガチャコンと出てきたパックジュースを拾った。その時である。
「ガチャ。」
 お金を入れる音がした。隣の販売機である。見るとそこには、「ヒッヒッヒ。」と笑いながらボタンを押すアッちゃんがいる。
『ピッ』
「おっ出るか。」
 一瞬三人とも、そう思った。出ない、当然である。私とボンちゃんは一瞬でも出ると思った自分を恥じながらおもむろに次のパックジュースを買おうとした。
「出ない。」
 隣でアッちゃんの声がする。当然である。
「出るわけなかろう。」
 と言って振り向いた私の目に映った物は、顔面蒼白で返却レバーを押さえているアッちゃんだった。

「どうした。」
「ガチャガチャガチャガチャ。」
 アッちゃんは必死で返却レバーを押さえていた。
「お金がでてこない。」
「なにっ。」
 私とボンちゃんで返却レバーを押してみたがやはりだめである。
「どうしよう。」
 アッちゃんの顔はますます白くなった。やはりやってくれた、予想通りの展開である。なにかするであろうと私もボンちゃんも思っていたのだ。三人で必死で返却レバーを押してみたが100円は出てこない。
「カムバッーク、100円。」
 三人の心はただそれだけを願っていた。
「何してんの。」
 んっ、必死で返却レバーを押さえる小学生3人を不思議に思ったのか、近くの椅子に座っていた、大学生風のお兄ちゃんが語りかけてきた。右手にはヤクルトを持っている。私たちは「150円のジュースが100円で買えるか試したら100円が出てこなくなった。」というおもいきりバカげたアッちゃんの行動を大学生に暴露し「どうやったらお金が出てくるだろう。」と相談した。
「なぁんだ、それなら簡単、簡単、俺に任せろ。」
 と、お兄ちゃんは言うじゃないか、私は「おぉ、なんと凄い人がこの世にはいるのだろう三人よった文殊の知恵をこの人は一人で越えるのだ、地獄に仏とはよく言ったものだ。」と思いながら指示を仰いだ。
「もう一枚100円入れて。」
 私たちは仏様の言う通りに100円をもう一枚いれた。
「でっ、どれを買おうとしたの。」
「これっ。」
 アッちゃんが指さした。
「押してみな。」
『ピッ、ガチャン、チャリーン』
「ほら出た、それじゃ、あっこれ捨てといて。」
 そう言うとヤクルトのカスを置いて仏様は去っていった。私たちは呆然とした。
「なんだ、あいつは・・・。」
 仏様がもたらした結果は、150円のジュースと50円玉とヤクルトのカスである。アッちゃんもボンちゃんもほぼ放心状態になった。
「仏様でも文殊の知恵を越える凄い人でもない、ただのバカな大学生だ、いや、きっとあの頭なら大学に合格していないだろう、高校にもいってないプー太郎かもしれない、あぁ、なんてバカな奴に相談してしまったのだろう。」
 私の後悔はつのるばかりである。
 結局消えていったお金はアッちゃんのせいになり、アッちゃんの財布からヒラヒラと遊覧飛行をするのであった。

初恋( 1 / 1 )

 私の、初恋は幼稚園のころであった。ちなみに私の行っていた幼稚園は山鳩幼稚園という名の幼稚園である。あれは私が桃組という、組にいたときだった(たぶん・・)。
 その幼稚園では出席すると毎朝シールを手帳に貼らなければならず、みんな毎朝1番にする作業である。しかし、いつ頃からか朝、私がシールをはろうとすると私を追っかけ回す二人組の女の子がいた。私はさっさとシールを貼って遊びたいのだが捕まると・・・おやっ、捕まると一体どうなったのだろう・・・。今気付いた、捕まったことがない、毎朝追っかけっこをしていただけではないか・・・。まぁ、その追っかけっこも私が人込みにまぎれシールを手帳に貼ると終わりである。その二人組とは朝追っかけっこをするだけで他に交流はなかった。名前も知らない。しかし、私は密かにその片割れに恋心を抱いていたのである。
 どんな顔かと言うと、その時の私の目にはこのように映った。髪はショートで眼はクリクリしており輪郭は卵型である。まぁ、形容はこの程度に押さえておこう、これ以上形容すると私を昔から知っている人や中学校の友人にばれてしまう、あっ、わかった人は「シーッ。」
 さて、小学校に入学すると、ご存じのとおり5人である。その人とは離れ離れになりほぼ完璧に忘れていた。ところがである、小学校を卒業し中学に入っておろろいた、失敬、驚いた。なんと、その人がいるじゃないか、一目見てわかった。メガネをかけおとなしくなっていた。昔の私を追っかけ回していた面影などみじんもなく、そこにはおしとやかな女性がただいるだけである。中二なって聞いたことだが、むこうもこっちを見て一目でわかったらしい。
 しかし、その変貌ぶりにはただただ脱帽である。顔はさほど変わっていなかったが、物凄い、失敬、少しだけ運動音痴になっていた。昔の軽やかに私を追い詰めるフットワークなどどこにもない。あのまま育っていればきっとエイトマン、もといエイトガールになっていたであろう。その人とは、いやっ、これ以上書くのはやめておこう。これ以上書くと一部の人に完全にばれてしまう、すでにこの時点で極一部の人には完全にばれている。しかも、本人が読んだらきっとさっきの私のようにおろろくだろう。まぁ、その人とは唯の仲の良い友達である。何もなかったのだ。しかし、こう書くと高校から馴染みになった一部の人はまったく信用しないだろう。思いでは思い出のままなのだ。
ひらくん
おバカな私と友人その他
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