空乃彼方詩集

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春たち

冬のトラウマのような雪がまだ色濃い春
強い風に包まれながら、急な温かさに戸惑う春
目に明るく、軽い装いを楽しむ春
頬杖つく春
生活用品の買いだめに余念のない春
いまから梅雨を恐れる春
自らのぼやけた空気を嫌い、凛とした秋の姿にあこがれる春
あと何度、春を迎えられるだろうと想う春

春が眩しく笑った
春が美しく咲いた
春が高らかに飛び立った
春が卒業した
春がくしゃみした
春が夕暮れに焼けて、明日の晴れを約束した

様々な場所に様々な春
到底数え切れるものではない
毎年、春たちは「知恵を出し合えばきっとより良い春が生まれるはず」と誓い合う
その議論の果てに湿度と高温に溶かされ消えてゆく

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ホントに美しいのは

ホントに美しいのは、何かを成し遂げた人ではなく
何かを成し遂げようと心に決めた人

ホントに美しいのは、立ち上がることが出来た国ではなく
立ち上がろうとしている国

ホントに美しいのは、青くも切れ長でもない、決意を固めた目

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バラバララ

楽園で日本人が3人殺された

それでも楽園は今日も日本人で賑わっている



遠く離れた日本ではバレンタインで一喜一憂する若者たち

アベノミクスに踊らされ、スマホに釘付けの大人たち



北朝鮮は核実験

日中は一触即発

暴走老人は自己陶酔

バラバラバララ バラバララ



そして僕は睨みつけるように今月の電気料金を確認したのだ

楽園で日本人が3人殺されたというのに

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平和の文字が消えた時

平和がなくなれば戦争もなくなる
平和主義者が声高に叫べば戦争は流行る
戦争が激しくなればなるほど、人々は平和を渇望する


平和と戦争は真実の海底で絡まりあっているんだ
平和がある限り、戦争はなくならない
平和という文字が消えた時、戦争は滅びる


kumabe
作家:空乃彼方
空乃彼方詩集
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