釈迦の教え-GotamaBuddhism-

後編 第4章 その後の私( 1 / 1 )

後編 第4章 その後の私

八正道の practice を完成し、私に、正見(四つの智慧)が生じた後、私は、念 (sati) に住し、念 (sati)→定 (samadhi) のpractice を続けていましたら、四つの真理を理解し、私に、不貪不瞋不痴 (araga, adosa,amoha) (sacca、善)の生活が始まりました。

その後、私は、どのような生活をしているか、触れておきましょう。
1. 念 (sati) があると、脳波はβ波からα波になり、浅い定 (samadhi) が生じ、貪瞋痴は滅 (cease) して、貪瞋痴は生じ(arise し)ません。さらに、念 (sati) がありますと、脳波はα波を越えてθ波になり深い定(samadhi) が生じ、やがて、δ波になり眠ってしまいます。

深い定 (samadhi) では日常生活はできませんが、浅い定 (samadhi) では日常生活はできます。私は、浅い定 (samadhi) に住して、日常生活をします。念 (sati) があると定 (samadhi) が生ずるという現象は、生理現象であって、念 (sati) という動機は、祈り、祈祷、呪ではありません。信ずる、信仰でもありません。念 (sati) があって浅い定 (samadhi) にいるとき、外界から強いinforma-tion が五官に到達すれば、貪瞋痴は生じますが、よほど強くない限り貪瞋痴は生じません。

念 (sati) と定 (samadhi) は滅 (cease) する時があります。定 (samadhi) を中止しようと思いますと、念 (sati) と定 (samadhi) は滅(cease) して貪瞋痴が生じ (arise し) 得る状態に戻り、貪瞋痴は生じ(arise し) ては滅 (cease) し、生じ (arise し) ては滅 (cease) します。私は、常時、浅い定 (samadhi) に住して、考え、語り、行うようにしています。私は、常時、私を観ながら、日常生活をしています。


2.私が生活している場は、貪瞋痴という information が循環している縁起の場、家庭、社会、国家、国際世界、地球です。

私 は、八正道の中で、生き物を殺すなとか、うそをつくなとか、二枚舌を使わないとか、十余の戒を守りましたが、守り切れないで、なっちゃいないと落胆し、戒 を守ることを中止して、専ら、念 (sati)→定 (samadhi) のpracticeをしましたが、社会生活をするには、戒(モラル)は必要です。

私は、社会生活をするために、人格を向上する必要があります。戒は守りきれないものと承知の上で、現在、私は十余の戒を守っています。善悪判断がますます鋭くなりました。よく観えます。善(不貪不瞋不痴)を積む。毎日の生活は楽しいです。

3.念 (sati) があって、浅い定 (samadhi) にいて、人格の向上に務めながら日常生活を営んでいますと、それは、私の脳の発達と脳のプログラム形成に、また、遺伝子DNAに、よい影響を与えている、と言えないでしょうか。

4. 私は、釈迦の教え-Gotama Buddhism を、パーリ聖典から学び得たことを誇りに思い、終生、念 (sati) に住して戒を守り、人格の向上に努めながら、その日、その日を送りますと申し上げて、ひとまず、『釈迦の教え- Gotama Buddhism』のお話を終えます。                      完

あとがき( 1 / 1 )

あとがき

1.釈迦が説いたといわれるお経の中に、ほんとうのこと、確かなことを求めて、私が、お経の学習を始めましたのは、51才(1964)の時でしたから、本年で39年間、パーリ聖典を通じて、釈迦を学び続けました。

2.今回、私は、『釈迦の教え- Gotama Buddhism』(2003年版)を書き上げました。

3.私は、釈迦が説いたといわれるお経の中に、ほんとうのこと、確かなことを求めました。その動機を、拙著『自分史-永野』に書きました。

1945年、わが国が第2次世界大戦に無条件降伏した後、私も、戦後復興に参画しました。思い出は遥か昔のことになりますが、1964年には、経済も産業も戦前の最高水準を超え、さらに高度成長を続け、1980年代には、日本のGNPは米国のそれに次いで、世界第2位になりました。

反面、私は、1964年には、一つの結論に達していました。政 治家、官僚、銀行家、産業人たちは、貪瞋痴 (raga, dosa, moha)全開のモラルレス時代を実現し、バブルを謳歌し、政治は強きを助けて弱きを挫き、憲法は有って無きに等しく、政官財(銀行を含む) は癒着してスキャンダルは満開し、「政官財の癒着(モラルレス)が日本を滅ぼすと」と。

バブルは崩壊しましたが、モラルレス時代は2003年の今日に引き継がれ、日本の政治、行政、財政、金融、産業、教育、国民生活は、破綻寸前です。

2001年、9月11日、ニューヨークとワシントンで多発テロが発生し、米国は、国際連合の国際協調主義を嫌い、単独行動主義、先制攻撃政策を強行しています。日本は、米国の世界政策に組み込まれて親米一辺倒です。

思い出されるのは、1972年に公刊された、ローマクラブ編『成長の限界』は、「人口の爆発的増加、工業生産の増大、資源の枯渇、公害の増加、自然環境の破壊、食料の相対的不足、核軍事力の増大などから、人間の係わる経済成長や人間の生活の向上などは、停滞乃至低下を余儀なくされる」と提言しました。

これらに、モラルレスと先制攻撃思想を加えて考えますと、日本、米国、世界の国々は前途暗澹です。一刻も早く、人間の歴史上、初めての総合政策を策定すべきだと、私は考えます。

この短期/長期の現実に、私たちは、どのように対処すべきか。
この短期/長期の現実に、私は、どのように対処すべきか。

この時代に、『釈迦の教えーGotama Buddhism』は、合理とモラルを教えます。合理とモラルを柱とする新総合政策を策定するためにも、『Gotama Buddhism』を学び、ご参照いただきたいと存じます。

『釈迦の教えーGotama Buddhism』を学び習われますことを、お勧め申し上げます。

4.本書を執筆するに当たり、最も苦労しましたのは、四つの真理のdukkham saccam を、日本語でどう表現するか
でした。私は、これを、『釈迦の教えは、貪瞋痴についての教えです』と書きました。大きな感動を覚えます。

私は、さとり「四つの真理を理解する/釈迦の教えの究極」を目指して、八正道の practice を励みましたところ、正見
(四つの智慧)が生じて八正道を完成し、さらに、八正道、特に、念 (sati)→定 (samadhi) の practiceを続け、期して俟ちましたところ、四つの真理を理解できました。

どうか、皆様方も、八正道の practice をなされて、一日も早く、釈迦の教えの究極(最高)を経験され理解され、こ
れを身につけられた日常生活をなされますことを待望申し上げます。

5.私は、本年、90才になりました。『釈迦の教えーGotamaBuddh-ism』は、ノーベル平和賞ものと自負しております。生きている内に、平和賞を受賞したいものです。

6.『釈迦の教えーGotama Buddhism』の<ビデオテープ>もご利用ください。

私は、1997年頃より、毎年、『釈迦の教えーGotama Buddhism』をビデオテープに、録音録画して参りました。

ある実業家が退職後に、このビデオテープで独学され、いいことを習ったと、いまも、ご厚誼を深めております。顔が見
えて、実声を聞いて学ぶ、何度でも、繰り返して聞くことができて、重宝です。ご所望のお方には、実費でお分けいたします。筆者までお申し越しください。但し、日本語だけで、英文のものはありません。

7. 2002年の秋、34才の日本の青年が、独学で本書(2002年版)前編 墨消し法を確実に実行しました。私は、彼に、釈迦の教えのpracticeを説明しましところ、彼は、確実に、practiceを行い、3ヶ月という短期間で、釈迦の教えの究極(最高) を経験しました。その後、彼は彼を観ながら、日常生活をするようになりました。 
特記いたします。

                           完
                                                                                                      



参考文献

原始仏教文献
中村 元著 「中村 元撰集」(春秋社)、原始仏教関係の5巻
中村 元著 「原始佛教 その思想と生活」(NHKブックス)
友松円諦著 「仏陀の教え」(講談社)
友松円諦著 「阿含経講議」(雪華社)
水野弘元著 「釈尊の生涯」(春秋社)
増谷文雄著 「釈尊のさとり」(講談社文庫)
オルデンブルグ著 「仏陀」
ベック著「仏教」(岩波文庫)
コンぜ著「仏教」(大蔵選書)
その他多数。

科学文献
湯川秀樹ほか著「素粒子」(岩波新書)
片山泰久著 「量子力学の世界」(講談社Blue Backs)
シュレデイエンガー著「生命とは何かー物理的にみた生細胞」
(岩波新書)      中村佳子著「生命科学」(講談社)
時実利彦著「脳を考える」(日本経済新聞社)
時実利彦著「脳の話」(岩波新書)
大木幸介著「心の分子メカニズム」(紀伊国屋書店)
大木幸介著「心の量子論」(日経サイエンス)
メドウスほか著「成長の限界」(ダイヤモンド社)

などなどの他にも、私は、多くの文献を読みました。
                          完

著者 永野 武の略歴

1913出生、1939慶応義塾大学経済学部を卒業し、三井
鉱山に入社して戦前戦中を経験し、戦後は日本化学工業教会にて、石川一郎氏、原安三郎氏、池田亀三郎氏を補佐して、産業復興に尽力し、1955石油化学工業の企業化に成功して、同協会初代事務局長に就任しました。

1964その職を辞任して、ほんとうのこと、確かなことを求
めて、釈迦が説いたといわれるお経(パーリ聖典)を学習して、
「さとり」を得、1978から10年間、日本工業倶楽部にて、
毎週水曜日に、『Gotama Buddhism』の講議を続けました。

1986米国に移住し、今日(2003)に至も、引き続き、
『ゴータマ・ブデイズム』の学習を続けています。

この度、『釈迦の教えーGotama Buddhism』をインターネット
上にホームページとして公開いたしました。ご一読いただけれ
ば幸甚に存じます。

なお、ご意見やご質問は、コメント欄にて、ご遠慮なくお申し付けください。

著者 永野 武
nagano takeshi
作家:永野武
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