リタイヤメント生活がうまくいくための大事な要件
リタイヤすることを想うと、第二の人生の夢が膨らみますが簡単にはそこに行けません。いくつかの超えなければならない障壁があります。それを超えない、あるいは気がつかないうちにサラリーマン生活を辞めてしまうと、やがて不幸になる確率は大きくなるでしょう。リタイヤ生活がうまくいくための大事な要件として私が体感したことは次の5つです。
1.リタイヤ後の生活費が確保できていること
2.リタイヤしてからの「やること」が見つかっていること
3.リタイヤすることへの家族の理解が得られていること
4.リタイヤ後に、心のよりどころがあること
5.自分の性格に合ったリタイヤ後の生活を選ぶこと
上記5つを見ると、どれも一筋縄では行かず、達成には時間がかかりそうです。私の場合は回り道しましたので17年もかかってしまいました。
私のした回り道とは、最初の頃はリタイヤでなく20年間かけて独立起業を準備するつもりだったということです。当初は上記5項目にある「リタイヤ」の文字を「独立起業」に置き換えた準備に20年間かかると考えていたのです。それが勤めていた会社のリストラによって3年早くなり、起業内容をリスクのほとんど無いような、しかも大きくは儲かり難いネットビジネスを選んだので、一応起業したことにはなるけれど、実態はリタイヤメントと変らないセミリタイヤメント生活者ということになりました。私にはこのような経緯があるので、私の起業のためにしてきた準備はそのままリタイヤメントに当てはめることができたわけです。
リタイヤ後の生活費はどうしたら分かる
この5項目の中で最大の難関は、最初に書いた「リタイヤ後の生活費が確保できていること」でした。これは人によって異なるとは思いますが、よほどの大金持ちでなければ最難関で達成までに長い年月が要ると思われます。さらにそもそも「いくらあればリタイヤできるのか?」という金額は漠然としています。
しかし何とか必要なリタイヤ資金はいくらであるかを見積もらなければなりません。しかも他人の例ではアテにならないので、自分の家庭の生活費で見積もらなくてはならないのです。自分でいろいろ仮定を作りながら「確からしいシナリオ」を練り上げて、それを基にして将来生活費を計算してみるわけです。私はこれを何回も見直してはまた計算してみるという繰り返しをしました。 こうやってだんだん実際的なプランが練りあがっていくのです。
リタイヤ後の生活をシミュレーションする
多分、毎年の生活に必要な資金の100倍くらいのお金を貯めた人はそういうリタイヤ後のプランを練ること無しに、楽観的なリタイヤが可能なのだろうと思います。仮に年300万円の生活費が要ると思っている人なら100倍では3億円です。2億円でも楽観的リタイヤは可能だという気がしますが、1億円にも満たないお金しか貯まっていなかったら、こんなリタイヤはできないのではないでしょうか。しかし確からしいシナリオで生活のシミュレーションができているなら、あまり多くない貯蓄ても無理なくリタイヤ可能となる可能性があります。
リタイヤのメリットとデメリット
会社の定年退職を機会にしたリタイヤ、あるいはそれよりひと足先にリタイヤ生活を決め込む「アーリーリタイヤ」は、今までできなかった生活を実現できる可能性を秘めています。
それを簡単にイメージするなら「今後生活するための蓄えはできたし、会社生活も張り合いが無くなってきた。ここらで会社を辞めて、悠々自適に生きてみよう」と考え、収入や義理に縛られない生活が可能になるということです。
今まで会社に勤めていたためにできなかった活動にチャレンジすることもできるでしょう。特にこれと言って何もせず晴耕雨読で静かに暮らすこともありだと思います。しかし定年退職してもサラリーマンを辞めないという選択肢も依然残っています。
将来をどのように選択するかはまったく個人の自由ですから、おそらくリタイヤメント志願者の多くが、引き続きで大変だけど儲かる会社勤務を続ける価値と、資産は減るかもしれないけど一度しかない残りの人生を楽しむ価値とを、頭の中で天秤にかけるのだと思います。
天秤にかけるものは様々な比較対象があると思いますし、その対象物は人によって千差万別でしょう。そういう「会社を辞めるべきか、辞めるべきではないか」天秤にかける要素のうち、リタイヤすることで得られるメリットとデメリットはよく考えておかなければならないことです。