サラリーマンからリタイヤする手順

はじめに( 1 / 4 )

はじめに 1

はじめに 

 今から3年前の51歳のとき、私は勤めていた会社のリストラに遭い会社都合退職しました。その後にトライした再就職は希望する条件の会社が見つからず、その後の52歳で再就職活動も中止し、リタイヤメント生活を開始することにしました。

 会社をリストラで退職したけど再就職先が見つからない。これは昨今よくありがちな失業物語のひとつですが、このリストラ退職は、私にアーリーリタイヤという新しい生活を運んで来てくれました。私がこのように転進でき、リタイヤ生活の軌道に乗れたのは以前から次のようなことをしていたからだと思います。

1.35歳のときからいずれは会社を辞めて独立したいと考え、その準備を始めていました。
2.サラリーマンの頃から節約に励み、貯金を増やしてきました。
3.家族には定年前に会社を辞めることは言い続けてきました。
4.会社のリストラをリタイヤする動機にしました。
5.再就職支援会社が私に実施した適性テストで、私は一人または少人数での仕事に向いていると分かりました。

はじめに( 2 / 4 )

はじめに 2

 私がリストラに遭ったときには、実はまだリタイヤするとは決め切っていませんでした。リタイヤすることも視野には入っていましたが、まだ他にも選択肢はあるとも考えていましたので、会社を辞めてからは自分の専門が活かせて、しかも週に3日程度の勤務を求めて再就職先を探しました。しかしこの条件に合う仕事は結局見つからなかったのです。


 他には、以前からやりたかった家具職人になることも考えました。以前から漠然と家具を作って売ってみたいと思っていたからです。しかしこれもよく考えてみると、資金と技能が追いつかないことが分かり諦めることにしました。


 そんなふうにいくつかの職業を考えたあげく、最後に「リスクの少ない小事業を自分で立ち上げよう」という具合に流れてたどり着いたわけなのです。これだったら資金はかからずリスクも無い、収入は自分のお小遣い程度を得ることぐらいを目標にするビジネスをひとりで始めるということです。収入はほぼゼロになるだろうから、生活は貯蓄の取り崩しで生活しなければなりませんが、このことは既に大丈夫な見通しはついていました。


 少ない収入とたくさんの自由な時間を使って今までやりたかった事をする。「結局リタイヤに落ち着いてしまったか」とホッとする気持ちと合わせて、何だか諦めに似た気分も漂っていましたが、私のアーリーリタイヤ生活はこんなふうに始まったのです。それから約2年が過ぎようとしていますが、毎日の生活は楽しく充実できています。

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はじめに 3

 私のリタイヤ生活がうまく軌道に乗った理由は、将来に会社を辞める準備をしていたからだと考えています。準備そのものは独立して起業するためのものでしたが、それがそっくりそのままアーリーリタイヤメントにも適用できたから、うまくリタイヤ生活に入り込めたと、私はそう思っています。もし、これらの準備をしていなかったら私のリストラ後の生活は今とはまったく違ったものになっていたでしょう。 


 そんなリタイヤメント生活を始めてから立ち上げたブログに日記には、毎日多くの読者が検索エンジン経由で訪れてくれました。その検索キーワードを見ると、失業を心配する人、会社を早く辞めたいと思っている人、将来の生活資金がいくら必要か悩んでいる人、会社を辞めたら何をするか探している人、このような人達が大勢いるのだと分かりました。


この悩みに対し、もしかしたら私が辿ったアーリーリタイヤメントのアプローチが何らかの参考になるかもしれません。ブログは日記なので、様々なテーマが順不同で記事になっているため、一読してリタイヤまでの色々な判断や準備の要領などが分かり難いかと思います。それでこの本は、上記の私のブログに散在するテーマを整理しなおして、私が行ったリタイヤまでの手順をまとめてみました。

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はじめに 4

 「リタイヤまでの手順」と書いた訳は、私はリタイヤメント生活の楽しさをこの本で書くのではなく、リタイヤまでの地図のようなものを作りたいと思ったからです。リタイヤメント生活では得るものもありますが、失うものも少なくないです。手軽にリタイヤは薦められません。


 リタイヤメント生活を楽しめる性格の持ち主も、まったく受け入れられない性格の人もいます。今回は私が今まで約2年間に体験したアーリーリタイヤメント生活を基に執筆し、内容はリタイヤメント生活を賛美しないよう、できるだけ中立的な立場で、判断や準備の方法を中心に書きました。その概要説明版がこの本です。ただ、この本に書くには冗長になりそうことは、もう少し詳しい説明で、後続の本で書いてみようと思っています。 


 これらの本で紹介することが、サラリーマンを続けようか、リタイヤしようか悩んでいる人の参考になれば幸いです。

大庭夏男
作家:大庭夏男
サラリーマンからリタイヤする手順
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