サラリーマンからリタイヤする手順

リタイヤメント生活がうまくいくための大事な要件( 3 / 3 )

リタイヤ後の生活をシミュレーションする

リタイヤ後の生活をシミュレーションする

 多分、毎年の生活に必要な資金の100倍くらいのお金を貯めた人はそういうリタイヤ後のプランを練ること無しに、楽観的なリタイヤが可能なのだろうと思います。仮に年300万円の生活費が要ると思っている人なら100倍では3億円です。2億円でも楽観的リタイヤは可能だという気がしますが、1億円にも満たないお金しか貯まっていなかったら、こんなリタイヤはできないのではないでしょうか。しかし確からしいシナリオで生活のシミュレーションができているなら、あまり多くない貯蓄ても無理なくリタイヤ可能となる可能性があります。 


 私の場合は51歳の時の会社のリストラで失業し、再就職をめざしましたが、約半年後の52歳からアーリーリタイヤメント生活に踏み切りました。アーリーリタイヤすると公的年金受給見込額は格段に減ります。しかもその年金収入があるのは私にとってまだ10年も先です。貯蓄も1億円には遠く及びません。収入がほとんど無いので今後の貯蓄も期待できません。こんなボロボロと思われるかもしれない資金状況で私がリタイヤする決心がついたのは、生活費のシミュレーションをずっと長い期間練っていたからです。


 このシニュレーションは、単にパソコンで表計算ソフトで作成した表の数字をいじくっていたばかりでなく、会社を辞める前から無収入になっても生活が楽になるように生活費の節約に取り組んでたということも加わっています。これが効果を発揮して少ない家計で生活できるようになっていたので52歳でアーリーリタイヤしても大丈夫だと自信が持てました。

会社を辞めて何をする?にかかわるリタイヤのメリットとデメリット( 1 / 5 )

会社を辞めて何をする?にかかわるリタイヤのメリットとデメリット

リタイヤのメリットとデメリット

 会社の定年退職を機会にしたリタイヤ、あるいはそれよりひと足先にリタイヤ生活を決め込む「アーリーリタイヤ」は、今までできなかった生活を実現できる可能性を秘めています。


 それを簡単にイメージするなら「今後生活するための蓄えはできたし、会社生活も張り合いが無くなってきた。ここらで会社を辞めて、悠々自適に生きてみよう」と考え、収入や義理に縛られない生活が可能になるということです。


 今まで会社に勤めていたためにできなかった活動にチャレンジすることもできるでしょう。特にこれと言って何もせず晴耕雨読で静かに暮らすこともありだと思います。しかし定年退職してもサラリーマンを辞めないという選択肢も依然残っています。 


 将来をどのように選択するかはまったく個人の自由ですから、おそらくリタイヤメント志願者の多くが、引き続きで大変だけど儲かる会社勤務を続ける価値と、資産は減るかもしれないけど一度しかない残りの人生を楽しむ価値とを、頭の中で天秤にかけるのだと思います。


 天秤にかけるものは様々な比較対象があると思いますし、その対象物は人によって千差万別でしょう。そういう「会社を辞めるべきか、辞めるべきではないか」天秤にかける要素のうち、リタイヤすることで得られるメリットとデメリットはよく考えておかなければならないことです。

会社を辞めて何をする?にかかわるリタイヤのメリットとデメリット( 2 / 5 )

リタイヤするメリット

リタイヤするメリットは何かを考えてみましょう。


1.自分が自由に使える時間が大幅に増える

 アーリーリタイヤ志願者は「人生の自由時間」に憧れて、ついに会社を辞める決心をすると言っても過言ではないでしょう。会社を辞めて今までできなかったことをする、という前向きなリタイヤも、会社生活にはもう疲れきったのでもう辞める、という後ろ向きもあるでしょう。両方が混ざっていることも多いと思います。


 期待どおり、リタイヤしたら自分の自由時間はかなり増えます。家族が居る場合は1日24時間の自由とはならないかもしれませんが、今まで会社に居た時間と同じくらいの時間が自由に使えるということは、まず期待どおりになるでしょう。その自由時間をどうやって使うか?が課題になるのです。 


2.収入に縛られないで自分の好きなことができる

 リタイヤメント生活は、生活費が確保されている、という前提で成り立ちます。これは収入が無くて生活できることを意味しますから、没頭したい趣味や、収入は無いけどやり甲斐があるボランティア活動などを、リタイヤして得られる自由時間を使って思う存分できるようになります。勤めをしていると長期の旅行などは無理ですが、リタイヤメントなら一番条件が良い時期を選んでの大旅行や長期滞在も夢ではないでしょう。

会社を辞めて何をする?にかかわるリタイヤのメリットとデメリット( 3 / 5 )

リタイヤのメリット

3.家族の介護や支援が柔軟にできる

 高齢化社会となった現代では、親を介護する必要に迫られる場合が以前より増えると思います。


 これも会社勤めとの両立は難しいかもしれません。リタイヤするひとつの理由にもなることもあります。高齢の親への支援だけでなく、共働きする子供世帯から孫を預かって、子供の生活を支援することもリタイヤしていればできそうです。それらができると家族にとっての結びつきが強くなることが期待できる他に、介護や育児の費用が節約できるという効果も生まれてきます。 


4.お金をかけない生活が容易になる

 例えば上述のように育児や介護のうち、自分でできる範囲を自分で行えば外に払うお金が節約できます。普段は当たり前にお金をかけているようなことでも、自分で手作りすると「今まではこんなことにもお金を払っていたんだ」ということが分かるようになるでしょう。

 自分でする時間が取れないので、時間をお金で買っていることになりますが、この今までお金で買っていた時間を、自分の自由時間を使ってやったらお金は払わなくても済むことになります。リタイヤしてから改めて「自分でできること」を探してみると意外にたくさんあり、会社勤めの忙しい時代よりローコストで生活できる、いわゆるロハスやDIYな生活を楽しむことができるようになれるでしょう。


5.家族で一緒に居られる時間が増える

 リタイヤの本やブログには、このことがクローズアップされているようです。今まで仕事に忙しく家族を放ったらかしにしていたお父さんが家でいつも家族と接していられるようになる。まったく理想的な家族ができあがるということです。

大庭夏男
作家:大庭夏男
サラリーマンからリタイヤする手順
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