リタイヤするための手続きについて
1.家族の理解を得ること
安定した収入があったサラリーマンを辞めようと考えているとき、家族に「将来は定年より前に会社を辞める」「会社を辞めたらこんな事をする」これを何度も何度も話して納得してもらわなければなりません。
私の場合は幸いにも説明して納得させる家族とは妻と子供だけで済みましたが、これも人によって大差があります。同居の家族だけでなく、親戚なども含めて、自分のリタイヤをしつこく反対する可能性がある人物には多分説明して納得することが要るでしょう。他人であれば反対されても被害はあまり大きくないでしょうけど、親や親戚がもし反対派に残ることになると、リタイヤしてから精神上深刻な事態にならないとも限りません。このような理解活動にもある程度長い期間がかかるのです。
2.リタイヤのベストタイミングを探ること
いつ会社を辞めてリタイヤするべきか。タイミングを見るべきです。会社都合退職は会社を辞める最良の機会だと私は思います。一番オーソドックスな定年退職という退職方法は、かなり多くのリタイヤの障壁を自動的に取り払ってくれる効果があります。家族も「定年ご苦労さま」と言ってくれるでしょう。
ただし今後はもし60歳で定年退職しても、公的年金生活までの空白期間が生まれますから、60歳定年退職でも生活費をそうするかという課題が目前にぶら下がります。「60歳の定年退職の後はリタイヤすることでよいか?」と考える必要性は今後だんだん大きくなるでしょう。
もし定年前のアーリーリタイヤを希望するなら、リタイヤするきっかけとして会社都合退職がベストだと私は経験上実感します。多くの場合、会社都合退職の機会は会社の行うリストラという形で現れるでしょう。リストラはまだ勤務したい人には最悪な出来事ですが、アーリーリタイヤ志願者にとっては最高の機会です。なぜなら退職条件や退職後の元同僚との繋がりなどが自己都合退職のそれらより格段に良くなるからです。まだ勤めなければならない人達にリストラは悲劇であることは言う間でもありませんが、アーリーリタイヤ志願者にとってのリストラは円満退職につながるでしょう。
リタイヤまでの手順
この本で言いたいことは、リタイヤをすべきか、しない方がよいか、よく考えてから行動して欲しい、ということです。そのためにはリタイヤ後の自信のある生活計画を立てた上で、実際にリタイヤするときに欠かせない手続きを踏んで進める、ということが非常に大事です。
手順とは、リタイヤ後の生活計画をたてることが最初の目標で、家族にそれを打ち明けて理解を得ることがその次の目標になるというような、やることの順番です。もし将来の計画も何もないうちに「俺は近々会社を辞める」と言い出したら揉めるのは目に見えています。「この計画を立てたので辞めても十分生活できると考えている」との説明をして、家族に理解してもらうようにしましょう。
会社を辞めたいと願望が生まれてきてから、リタイヤを実行するまでは手順をつくり、順に着実に進めると抜けが起き難くなります。この手順に沿うことは面倒ではありますが、面倒を避けて早まってリタイヤしてしまうと失敗したらその後は再就職が難しいでしょう。取り返しの苦労を思うと多少面倒でも手順を踏んだ方がいいと思います。
この「リタイヤメントへの手順の図」は、私がリタイヤに至った経験を手順にしたものです。
さらに詳しい説明について
リタイヤメント生活を計画するとき「何についてよく考えたら良いか?」これが問題です。この問題は難しいですが「こうしたらどうか」という推奨をしながら別の本で説明したいと思います。私は、上記の「リタイヤメントへの手順の図」にある各ステップで以下のような事をやってきました。
それぞれどのようなことを考え、何をどう判断したかについて、別の本でもう少し詳しく書いてみたいと思います。
ただ、上述した内容も、別の本で書くことも、私が推奨できりことだと考えていることなので、万人に適用できる保証がありません。あくまで私という個人が行った1種類だけのアーリーリタイヤメントのアプローチですから、それを踏まえて、ご自分で考え判断してください。