江戸川日記

日常( 6 / 11 )

「でも、それがお兄ちゃんとの最後の会話だった・・・」

日常( 7 / 11 )

「ウナギのお兄ちゃんが戦死したって聞いた時、俺たちは朝から晩まで、ウナギをたくさん獲って、お兄ちゃんの家まで、ウナギを届けに行ったんだ。家の人に、「お兄ちゃんにウナギを渡して下さい」って言ったら、「お兄ちゃんはもう自分で食べることが出来ないから、君たちが代わりに食べてあげなさい」って言われてさ、みんなで涙を流しながら「旨いな~・・・」って食べたんだよ・・・」

日常( 8 / 11 )

「お兄ちゃんは、俺たちや、家族や、街の人たちや、日本を守る為に死んだんだ。それ以来、ウナギを食べる時には、いつもお兄ちゃんにお供えをしてから食べるようにしてるんだ」


日常( 9 / 11 )

僕は自分もウナギのお兄ちゃんたちのおかげで、いまを生きていることを忘れていた。

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江戸川日記
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