江戸川日記

日常3( 1 / 8 )

「源さん!ほらこれ、大量のフライドチキンを手に入れましたから、みんなを集めて一杯やりましょうよ」

 

「おい七平、お前、いくらなんでも、そんなに大量のフライドチキンが捨てられてるわけねえだろう。いまからでも遅くは無い、自首してきな」

 

 


 

 

日常3( 2 / 8 )

「いや違いますよ!本当に捨てられてたんですって。これ、この色見て下さいよ。揚げ過ぎたってことじゃないですかね」

 

「あらら、本当だな。こりゃちょっと揚げ過ぎてるけど、これで捨てられたら、鳥もたまったもんじゃないよな。考えてみな、お前が殺されて、唐揚げ粉をまぶされて、油で揚げられたのに、ゴミ箱へポイッ・・・酷いもんだぜ」

 

「ちょっと変な例えは止めて下さいよ!」



 

日常3( 3 / 8 )

「じゃああれだな、お前が昔、ファミコンの高橋名人とかいう奴にそっくりで、子供たちにサインを頼まれて、なりきってサインを書いたけど、緊張して「高橋です」って書いちゃったみたいなもんだな」



「関係ないじゃないですか!」

 

日常3( 4 / 8 )

「まあ、コイツらも、ついこの間まで精一杯生きてたんだ。捨てられる為に殺されたんじゃ可愛そうだよな。だから俺たちがありがたく頂こうじゃないか」

「ういっす」

「兄ちゃんも食ってくよな?」

「はい」

ニート新書
江戸川日記
5
  • 0円
  • ダウンロード