「いや違いますよ!本当に捨てられてたんですって。これ、この色見て下さいよ。揚げ過ぎたってことじゃないですかね」
「あらら、本当だな。こりゃちょっと揚げ過ぎてるけど、これで捨てられたら、鳥もたまったもんじゃないよな。考えてみな、お前が殺されて、唐揚げ粉をまぶされて、油で揚げられたのに、ゴミ箱へポイッ・・・酷いもんだぜ」
「ちょっと変な例えは止めて下さいよ!」
「じゃああれだな、お前が昔、ファミコンの高橋名人とかいう奴にそっくりで、子供たちにサインを頼まれて、なりきってサインを書いたけど、緊張して「高橋です」って書いちゃったみたいなもんだな」
「関係ないじゃないですか!」
「まあ、コイツらも、ついこの間まで精一杯生きてたんだ。捨てられる為に殺されたんじゃ可愛そうだよな。だから俺たちがありがたく頂こうじゃないか」
「ういっす」
「兄ちゃんも食ってくよな?」
「はい」