7歳年下の先輩社員と仕事論を語り合った。
■いつも全力投球
その先輩社員の仕事のスタイルは常に全力投球である。誰よりも汗をかき、誰よりも足を使い、誰よりも手を動かす。商談においても一度クライアントを捕まえたらひたすら語り倒す。見てるこっちも疲れるくらいの仕事ぶりである。私も20代の頃はこのスタイルだった。まさに先輩社員の働き方は原点でありビジネスマンの鏡である。今日一日先輩社員に同行したが、終わってみると昼御飯も食べれずに夕方までぶっ通しで心身ともに疲労困憊だった。今同じように働こうとしてもなかなか難しい。体力面の衰えは年齢を重ねる度に如実に感じてくる。でもベテランは疲れていても疲れを表に出しては行けない。
■緩力投球
本格派投手も年を重ねるごとに、技巧派への転身を求められる。技巧派とは体力面を経験と知恵と創意工夫で補うことである。ルーキーに比べてベテランは経験豊富な分、データベースのアドバンテージがある。創意工夫に年齢は関係ないが、その点でベテランは有利なはずだ。全力は遊びが無い分だけ気持ち的な余裕がない。余力を常に残しながら、ここぞというポイントに力を注ぐと、相手にとっては100%が120%にも感じる。そう感じさせるために体以上に頭をフル回転する。体は緩力、頭は全力が技巧派の醍醐味である。そしてベテランの頑張りはまわりに与える影響は大きい。
■ベテランの風格
体感により積み重ねてきた経験値は、地に足をどっしり着けてくれる。そのどっしり感が中日落合監督の現役時代のような風格となる。しかし体力勝負の仕事は寿命が短い。
■何においても職人レベル
その点職人は年を重ねるごとにその凄みは増し続ける。先輩社員もどちらかと言えば職人的な仕事ぶりである。この仕事について彼は5年目らしいが、このまま現場で10年、20年と積み重ねていけば、職人の域まで達するだろう。営業職人なんて斬新である。ぜひ目指してほしい。私は緩力でフォローします。
体力は衰えても技術や頭は衰えない。緩急はどんな物事でも使える。