税理士の探し方・選び方のノウハウ

得意業種から探そう!( 2 / 8 )

建設業の経理に強い

建設業の経理の特色をあげると、以下のようになります。

・複雑な建設経理
 建設業の場合には独特の経理処理方法があり、複雑な構造になっています。
 売上の計上方法(完成工事基準、部分完成基準、工事進行基準)などもクセがあるため、建設業の経験がない税理士に依頼すると調査などで指摘される可能性があります。
 さらに保存する台帳関係も複雑です。

・入札に関する経営審査のことを知っているかどうか
 経審といわれる建設業者のランクを決定するときに、各種基準がありそれに沿う書類を作成できるかどうかもポイントになります。経審以外でも公的機関から書類を提出しなければならない機会も多いため、そういう要望に対処できるかどうかも大切です。


・印紙税と資産
 請負契約やその他契約においても建設業の金額は大きいためにそれ相応の印紙税もかかりますが、印紙を貼っていない、使用しない印紙の購入の計上など税務調査で指摘されることも多々ありますので注意が必要です。


・融資などの対応
 建設業の元請や材料請などの立場になると大きな立替金なども発生するために、迅速に融資制度を利用する機会が多い業界です。
 下請けであっても、元請けからの代金支払いの遅滞などで資金需要が発生することもあります。


得意業種から探そう!( 3 / 8 )

不動産関係の経理に強い

不動産業の経理の特色をあげると、以下のようになります。


・会計で独自の取り決めをしている項目が多い。
 不動産の場合には他の販売などと異なり会計ルールなど独自に決められているものがあります。業界で個人へADを支払う場合それが交際費として処理しなければいけない・・・このような独自のルールがあります。
 また国の景気政策など不動産が対象になることが多く、最新知識を備えておく必要があります。


・土地、建物の価額を明確にする。
 消費税など土地は非課税になるため、土地付き一戸建てなどを販売するときに土地建物の金額を明確に区分しなければなりません。この場合に基準をしっかりと把握しておく必要があります。


・投資不動産を扱う事業所などへの対応
 不動産の場合には自社だけでなく不動産の営業で税理士に相談される事例も多いのが特徴です。投資用の物件を扱う不動産から税効果会計など算出してほしい依頼や相続税などの相談にも対応する必要が発生します。


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物販の経理に強い

物販の経理の特色をあげると、以下のようになります。

・在庫管理

 売上が上がっているのに現金がない。物販の場合は、キャッシュフローが非常に重要な意味を持ちます。在庫などを把握できる体制にする必要があります。
 また業界特有の棚卸しの計上方法など知っておく必要があります。


・ネット取引や中古品の扱いなど

 物販販売で特に中古車など経理方法にクセがあります。最近ではネット販売業など調査で指摘されるケースが増えています。


・販売ソフトと経理ソフト

 例えば弥生会計と弥生販売など省力化できるように連動させる必要があります。
 販売~経理処理を統一することにより、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー(資金繰り)の把握が容易になります。





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製造業の経理に強い

製造業の経理の特色をあげると、以下のようになります。

・設備投資

 製造設備は一般に高額なため、税額控除や特別償却(減価償却費の増額計上)・各種助成金の受給等、制度上の優遇措置を設けられている場合があります。 優遇措置適用や繰り延べの要件は各々異なり、厳格な規定も多いため、適用要件等、業種特有の知識や経験を有する税理士を選んで頂くこともお勧めします。


・退職金の問題

 団塊の世代の退職者が増えていますので、退職金の積立問題のある事業所もよく見受けられます。退職金規程の変更などは大変な業務ですので注意が必要です。


・外注費か給与か

 製造業では業務請負がよく利用されています。一般に外注費であれば消費税の算定から控除できるため、調査のときに指摘される可能性があります。製造業における外注費のガイドラインなど精通しておく必要があります。
 管理の手法が古いこと中小の製造業の場合、長年経営している事業所が多いため、人事評価や賃金構造が旧式のものが多く、改善する必要のあるものが多く見受けられます。
エキスパート出版
作家:児玉義則
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