Y(X)=aX2+bX+c=0 (a≠0)
Xで微分すると Y'(X)=2aX+b
これをゼロとおくと X=-(b/2a) =Xc とする
Y(Xc)=a(b/2a)2-b(b/2a)+c
=-(b2-4ac)/4a =Yc とする
Y(X)=a(X-Xc)2 +Yc と表せるので、Y(X)=0とすると
(X-Xc)2 =-Yc/a
∴ X= -(b/2a)±√(b2-4ac) /(2|a|)
要するに、Y(X)の中心をX方向にずらして原点位置にしてから平方根を計算する方法です。
計算の得意でない小生には根の公式を鵜呑みにするといった芸当は不可能であったという記憶をいまだに再生可能です。
例
6X2+3X-1=0
左辺をXで微分し、12X+3=0から X=-1/4
左辺に代入して
6/16-3/4-1=-11/8
符号を反転し、6で割って平方根を計算すると、
√(11/8/6)=(1/4)√(11/3)
根: -1/4 ±(√33)/12
複素数 X=x+yⅰ :ⅰ2=-1
を用いた方法です。
これを代入して
a(x+yⅰ)2+b(x+yⅰ)+c=0
実数部: a(x2-y2)+bx+c=0
虚数部: (2ax+b)y=0
y≠0として x=-b/2a
ay2=ax2+bx+c より
y2=(-b/2a)2+(b/a)(-b/2a)+c/a
= (-b2+4ac)/(4a2)
y=±√(-b2+4ac)/(2|a|)
∴ X=-b/2a±i√(-b2+4ac)/(2|a|)
例
X2+X+1=0
実数部: x2-y2+x+1=0
虚数部: (2x+1)y=0
x=-1/2
y2=(-1/2)2+(-1/2)+1=3/4
X=x+yi=-1/2±i(√3)/2
計算自体は、微分を使った方法と同様ですが、
複素数を認めることで、かなり垢抜けた感じがします。
次元解析を使った方法です。
数学者からみると、まさに邪道ともいえる代物です。
Xの次元[X]を長さLとします。
aX2+bX+cの次元を体積L3 とします.
[a][X]2+[b][X]+[c]=L3
[a]L2+[b]L+[c]=L3
よって、
[a]=L [b]=L2 [c]=L3
[X]=Lを求めるには、係数a、b、cからLの次元をもつ、
b/a、 c/b、 (√(b2+K・ac))/a などが候補です。
Kは無次元の定数です([K]=φ)。
aはゼロでないとしているので、aで割る分にはOK。
c/bは、b=0のとき使えないのでボツ。cで割る場合も同じことです。
a・bやcの三乗根なんてものもありますが、この際ほっときましょ。
定係数K1、K2、K3を使って、
α=K1・b/a+K2・(√(b2+K3・ac))/a
β=K1・b/a-K2・(√(b2+K3・ac))/a
とおきます。
ここで、根と係数の関係式から、
α+β=2・K1・b/a =-b/a ∴ K1=-1/2
α・β=(K1・b/a)2-(K2/a)2(b2+K3・ac)=c/a
(K1・b/a)2-(K2・b/a)2 -(K2)2K3・c/a で
bの項は無用なので、
K1=K2
-(K2)2 K3=1から
K3=-(K2)-2=-4
例
3X2+X-2=0
X=K1/3±K2・(√(1-6・K3))/3 とおきます。
α+β=-1/3 から 2K1=-1 K1=-1/2
α・β=-2/3から
K1=K2 と
(K2)2・6・K3/9=-2/3
K3=-((2/3)・9/6)・4=-4
∴ X=-1/6±(√(1-6・(-4))/6
=-1/6±5/6
=-1 または +2/3
実は、3が1と3の積で、-2が、1と-2の積なので、
(3X-2)(X+1)=0に因数分解できます。
何十年も経って、定係数K1、K2、K3をうろ覚えの方にはいいかも知れませんが、
こんな面倒な計算やってられるか!、という方には、根の公式を再び丸暗記する方法をお勧めいたします。
無理やり因数分解を推し進める方法です。
a(X+B)2-C=0の形に変形します。
C≧0の場合、C=(√C)2
(√a・(X+B)+√C)(√a・(X+B)-√C)=0
∴ X=-B±√(C/a)
C<0の場合、C=(i√|C|)2
(√a・(X+B)+i√|C|)(√a・(X+B)-i√|C|)=0
∴ X=-B±i√(|C|/a)
例
X2+2X+2=0
(X+1)2+1=0
(X+1)2-i2=0
(X+1+i)(X+1-i)=0
X=-1±i
この方法は正道であり、根の公式を求める場合にも通用します。
但し、公式など無用というワケにはいきません(制限時間がありますので)。
もっとカンタンな方法があるかも知れませんが、
カンタンなものほど人は忘れてしまうものです。