無理やり因数分解を推し進める方法です。
a(X+B)2-C=0の形に変形します。
C≧0の場合、C=(√C)2
(√a・(X+B)+√C)(√a・(X+B)-√C)=0
∴ X=-B±√(C/a)
C<0の場合、C=(i√|C|)2
(√a・(X+B)+i√|C|)(√a・(X+B)-i√|C|)=0
∴ X=-B±i√(|C|/a)
例
X2+2X+2=0
(X+1)2+1=0
(X+1)2-i2=0
(X+1+i)(X+1-i)=0
X=-1±i
この方法は正道であり、根の公式を求める場合にも通用します。
但し、公式など無用というワケにはいきません(制限時間がありますので)。
もっとカンタンな方法があるかも知れませんが、
カンタンなものほど人は忘れてしまうものです。
グラスマン数θを使う方法で、
θのn(≧2)乗はゼロという、ちょっと得たいの知れぬ数です。
Y(X)=aX2+bX+c=0 (a≠0)
Y(X+θ)=a(X+θ)2+b(X+θ)+c
=aX2+bX+c+(2aX+b)θ
=(2aX+b)θ
Y(X+θ)=Y(X)=0とし、θずらしてもYが変化しないX値から極値が求まります。
2aX+b=0 より X=-b/(2a)なので、
あとは2次方程式の解(その2)のやり方を踏襲します。
例
6X2+3X-1=0
6(X+θ)2+3(X+θ)-1
=(6・2X+3)θ=0
ゆえに X=-1/4 (∵ θ≠0)
左辺に代入して
6/16-3/4-1=-11/8
符号を反転し、6で割って平方根を計算すると、
√(11/8/6)=(1/4)√(11/3)
根: -1/4 ±(√33)/12
Cf)
グラスマン数θ1,θ2は、
{θ1,θ2}=θ1θ2+θ2θ1=0 :反交換関係
を満たすので、
θ1=θ2=θとおくと、2・θ2=0より、θ2=0となります。
aX2+bX+c=0 (a≠0) をaで除算して
X2+(b/a)X+(c/a)=0
A=b/a B=c/aとおいて
X2+AX+B=0
X=rexp(iθ)を代入
r2exp(i2θ)+Arexp(iθ)+B=0
exp(iθ)=cosθ+isinθより、
実数部: r2cos2θ+Arcosθ+B=0 (1)式
虚数部: r2sin2θ+Arsinθ=0 (2)式
sin2θ=2sin θcosθ
cos2θ=2(cosθ)2-1 を使う
(2)式から 2r2sin θcosθ=-Arsinθ
rcosθ=-A/2 (r≠0 sinθ≠0)
(1)式から
r2(2(cosθ)2-1)+B=-Arcosθ=A2/2
2(rcosθ)2-r2 +B=A2/2
2(-A/2)2-r2 +B=A2/2
r2 =B
rsinθ=±√(r2-(rcosθ)2)=±√(B-A2/4)
よって
X=rexp(iθ)
=rcosθ+irsinθ
=-A/2±i√(B-A2/4)
=-b/2a±i√(c/a-(b/a)2/4)
=-b/2a±i(√(4ac-b2))/2|a|
三角関数の公式を記憶の片隅から引っ張りだしてみてください。
例
X2+X+1=0
実数部: r2cos2θ+rcosθ+1=0
虚数部: (2rcosθ+1)rsinθ=0
rcosθ=-1/2
rsinθ=±√(1-(-1/2)2)=±(√3)/2
X=rcosθ+irsinθ=-1/2±i(√3)/2
[x=-(√(17)+3)/2,x=(√(17)-3)/2]
CF) T:数学教師
S:生徒
T:「君がもしも電気のない無人島に流されたとしたら、この方法は通用しない。」
S:「はぁ。」
T:「私は、紙と鉛筆だけで計算できる方法を教えているわけだ。」
S:「でも、無人島には紙も鉛筆もないでしょ。」
T:「砂と君の指があれば十分だよ。」
S:「そんな生活をしていて、2次方程式を解かねばならない事態に遭遇するとは思えませんが。」
T:「そうくると思っていたよ。」
S:「・・・。」
T:「そのときには、先生のことを思い出して懐かしんでくれると嬉しいんだが。」