記憶バックアップ作戦

・2次方程式の解(その3)


  複素数 X=x+yⅰ   :ⅰ=-1

を用いた方法です。

これを代入して

 a(x+yⅰ)2+b(x+yⅰ)+c=0

実数部: a(x2-y2)+bx+c=0

虚数部: (2ax+b)y=0

 

 y≠0として x=-b/2a

 ay2=ax2+bx+c より

  y2=(-b/2a)2+(b/a)(-b/2a)+c/a

    = (-b2+4ac)/(4a2

      y=±√(-b2+4ac)/(2|a|)

  

 ∴ X=-b/2a±i√(-b2+4ac)/(2|a|)



 X2+X+1=0

 実数部: x2-y2+x+1=0

 虚数部: (2x+1)y=0

 

x=-1/2

2=(-1/2)2+(-1/2)+1=3/4

X=x+yi=-1/2±i(√3)/2


計算自体は、微分を使った方法と同様ですが、

複素数を認めることで、かなり垢抜けた感じがします。

・2次方程式の解(その4)


次元解析を使った方法です。

数学者からみると、まさに邪道ともいえる代物です。


Xの次元[X]を長さLとします。

aX2+bX+cの次元を体積L3 とします.

[a][X]2[b][X]+[c]=3

[a]2[b]L+[c]=3

よって、

[a]=L [b]=2   [c]=3

[X]=Lを求めるには、係数a、b、cからLの次元をもつ、

 b/a、 c/b、 (√(b2+K・ac))/a などが候補です。

 Kは無次元の定数です([K]=φ)。

 aはゼロでないとしているので、aで割る分にはOK。

 c/bは、b=0のとき使えないのでボツ。cで割る場合も同じことです。

 a・bやcの三乗根なんてものもありますが、この際ほっときましょ。

 

係数K1、K2、K3を使って、

 α=K1b/a+K2(√(b2+K3・ac))/a

 β=K1b/a-K2(√(b2+K3・ac))/a

とおきます。

 ここで、根と係数の関係式から、

 α+β=2・K1b/a =-b/a       ∴ K1=-1/2

 α・β=(K1b/a)2-(K2/a)2(b2+K3・ac)=c/a

     

  (K1b/a)2-(K2・b/a)2 -(K223・c/a で

   bの項は無用なので、

    K1=K2

   -(K22  K3=1から

    K3=-(K2-2=-4



  3X2+X-2=0

  X=K1/3±2(√(1-6・3))/3 とおきます。

  α+β=-1/3 から 2K1=-1 K1=-1/2

  α・β=-2/3から

   K1=K

  (226・3/9=-2/3

   K3=-((2/3)・9/6)・4=-4

∴ X=-1/6±(√(1-6・(-4))/6

   =-1/6±5/6

   =-1 または +2/3


 実は、3が1と3の積で、-2が、1と-2の積なので、

 (3X-2)(X+1)=0に因数分解できます。


何十年も経って、定係数K1、K2、K3をうろ覚えの方にはいいかも知れませんが、

こんな面倒な計算やってられるか!、という方には、根の公式を再び丸暗記する方法をお勧めいたします。

・2次方程式の解(その5)


  無理やり因数分解を推し進める方法です。

 

 a(X+B)2-C=0の形に変形します。

 C0の場合、C=(√C)2

  (√a・(X+B)+√C)(√a・(X+B)-√C)=0

    ∴ X=-B±√(C/a)

 C<0の場合、C=(i√|C|)2

  (√a・(X+B)+i√|C|)(√a・(X+B)-i√|C|)=0

    ∴ X=-B±i√(|C|/a)



 2+2X+2=0

(X+1)2+1=0

(X+1)2-i2=0

(X+1+i)(X+1-i)=0

  X=-1±i


  この方法は正道であり、根の公式を求める場合にも通用します。

   但し、公式など無用というワケにはいきません(制限時間がありますので)。

もっとカンタンな方法があるかも知れませんが、

  カンタンなものほど人は忘れてしまうものです。

・2次方程式の解(その6)



グラスマン数θを使う方法で、

θのn(≧2)乗はゼロという、ちょっと得たいの知れぬ数です。


Y(X)=aX2+bX+c=0 (a≠0)

Y(X+θ)=a(X+θ2+b(X+θ)+c

      =aX2+bX+c+(2aX+b)θ

      =(2aX+b)θ

Y(X+θ)=Y(X)=0とし、θずらしてもYが変化しないX値から極値が求まります。

2aX+b=0 より  X=-b/(2a)なので、

あとは2次方程式の解(その2)のやり方を踏襲します。


 6X2+3X-1=0  

 

 6(X+θ)2+3(X+θ)-1

 =(6・2X+3)θ=0

  ゆえに X=-1/4 (∵ θ≠0)

 左辺に代入して

   6/16-3/4-1=-11/8

 符号を反転し、6で割って平方根を計算すると、

  √(11/8/6)=(1/4)√(11/3)

 根: -1/4 ±(√33)/12



Cf)

グラスマン数θ1,θ2は、

{θ1,θ2}=θ1θ2θ2θ1=0  :反交換関係

を満たすので、

 θ1=θ2=θとおくと、2・θ2=0より、θ2=0となります。

無名のヒト
作家:無名のヒト
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