BL短編小説 50作品セット

ご主人様とお庭をお散歩( 1 / 1 )

「ん…んん」

広い庭で、一人の少年が呻いた。その表情は赤く染まり、口に噛まされたギャグボールを切なげに噛み締めていた。
ここは、富豪の屋敷。そして少年は、その屋敷の使用人…兼、屋敷の主のペットだ。

「んむ…ふぅ」

少年は後ろを歩く主人に、許して欲しいと視線を投げかけた。しかし、意地悪な主人は鼻で笑う。

「ほら、ちゃんと前を見て歩きなさい。でないと、もっとひどい事をしちゃうよ」
「んうっ!」

むき出しの尻を叩かれ、少年が身体をくねらせる。汗ばんだ身体がくねる度に、少年を拘束する赤い縄がギシギシと軋んだ。
全裸の状態で縄の拘束を施され、しゃべる事も許されない少年。おまけに少年はリードの付いた首輪を嵌められ、本物のペットのように屋敷の庭を散歩させられていた。
だが、少年への責めはそれだけでない。縄が食い込んで見えていないが、尻の谷間の奥。淡い菊の華には、電動で振動する淫具が埋め込まれていた。

「はふ…ふぐぅ…」

人間としてのプライドを快感で壊され、息が上がる中自らの足で歩かされる。
もう何十分も続いた生殺しの責め苦。それは、突然に変化した。

「うぐ!?」

尻穴に入っていた淫具が、その振動を数段階強めた。原因は、主人がポケットのリモコンを無慈悲に操作したから。
あまりの快感に少年は地面に倒れ込み。激しく身悶える。

「んん、んん、んんんーっ!」

必死で主人に助けを求めるが、少年を見下ろすだけで決して手を差し伸べようとはしない。
少年は憐れにのたうち、そして、絶頂を迎える。

「ぅむ…ふぅーっ……」
「あーぁ、イっちゃったね」

主人の許可なく射精した少年を、言葉の上では優しくいさめる。しかし、目に携えたサディズムは隠せやしない。

「たっぷりお仕置きをしてあげよう。生まれた事を悔やむくらいの快感に、溺れさせてあげる」

普通なら怯える場所なのだろうが、少年はむしろ期待している。何故なら、この少年にとってお仕置きはご褒美だから。
主と使用人。飼い主とペットの淫蕩な夜は、少年の鳴き声と共に更けていった…。

柱に繋がれ騎士は堕ちる( 1 / 1 )

「んん、うぐぅ!」

無機質なコンクリート造りの部屋で、一人の男がくぐもった叫びを上げる。
それは青年で、悪人を成敗する騎士…だった。今では、そんな面影など無い、無惨な痴態を晒している。

「ぐふ、ぐぅ…」

盗賊を退治しに行った青年は数を利用した卑劣な罠に嵌められ、捕らえられてしまった。
そして騎士の証である鎧を剥ぎ取られ、その下の衣服も剥ぎ取られ。全裸の状態で、青年は柱に拘束された。

両手は高く上げた状態で、鎖を使って柱に括り付けられ。同じように腰も、足も、更には首にまで鎖を巻かれ、柱から離れられないように拘束されてしまった。
最初は毅然として盗賊を睨み付けていたが、その目も黒い布の目隠しで使えないようにされた。外せと叫ぶと、口にはまるで馬に噛ませるような棒の口枷を装着された。

身動きも、視覚も、言葉さえも封じられた青年に、盗賊達は今までの仕返しとして幾つかの玩具を取り付けた。
それは、ローター。ブルブルと振動し、対象の性感帯を責め抜く…残酷な淫具。
最初に乳首、次に尻の穴に淫具を取り付けられ、その刺激で勃ち上がった青年のペニスに、盗賊達は淫具を固定した。

そうして仕掛けを施した後、盗賊達はかつて騎士だった青年を放置し、彼が護っていた村を襲いに行った。

「うあ゛…あぁ」

青年は逃れようと必死でもがくが、それをあざ笑うかのように鎖が乾いた音を立てるだけ。目隠しをぐしょぐしょに濡らす程涙を零し、口枷を強く噛み締め喘いでも、誰も助けには来ない。
捕らわれた自分の情けなさ、護れなかった自分の無力さ、嫌なのに快感に震え何度もイきまくる自分の淫乱さ。それらが混ざり合って、少しずつ青年を壊していく。

「ふぐ…うぐぅーーっ!!!」

大きく身体をビクつかせ、もう何度目か分からない射精。
容易に想像できる、帰って来た盗賊達の罵倒の言葉と、幾ら拒んでも犯し抜かれる未来に絶望しながらも…青年はまたペニスを硬くし、快感に身悶え続けるしか道なんてありはしなかった。

生徒会長に調教されて( 1 / 1 )

「会長、これが書類をまとめたファイルです」
「ありがとう。後は僕がやるから、帰っても大丈夫だよ」

机の前に座ったまま、生徒会長の男は指示をする。その言葉の裏の意味なんて、誰も考えはしないだろう。

「分かりました。失礼します」

扉が閉じられ、部屋は生徒会長を含めた『二人きり』になる。
…いや、正確には『一人と一匹』か。

「ふふ…よく頑張ったね」

小さく笑って、生徒会長は机の下、一匹に向かって笑い掛ける。
そこには、金髪の男。服を脱がされ、身体に縄を巻き付けられた男が…生徒会長がズボンから出していたペニスを、美味しそうに頬張っていた。
亀甲縛りの形で身体を縛られ、後ろ手に拘束され、同じ男の物をしゃぶっている金髪の男。元は不良生徒であまり学校にも来ていない問題児だったが、興味本位で呼び出された生徒会室に訪れた日…それは変わった。

出されたコーヒーに盛られた薬で身動きを奪われ、お仕置きと称して性的調教をされた男は心も身体も生徒会長に服従し、今ではちゃんと授業を受けたご褒美として、放課後に苛められている。

「んふ…むちゅ…」
「そんなに一生懸命性器を舐め回して…エッチな子だ」
「くぅ…ん」

エッチな子、はもはやこの男にとっては褒め言葉で、嬉しそうに鳴いた男は更に舌を動かし、ペニスを刺激する。

「ご褒美をあげよう。しっかり…飲み干しなさい」

掠れた声で言い、生徒会長は精液を男の口に放出する。

「ん…んぐ、んぐ…っ」

普通の感覚ならば、身体が飲み込む事を拒み吐き出そうとするだろう。しかし、男にそんな発想は無く、むしろ吸い出さんばかりの勢いで精液を飲み干していく。
その表情は愉悦に蕩け、淫乱そのもの。ゴキュゴキュと音を立てて、体液を体内に収めた男を、生徒会長…男の主人は頭を撫でて褒めてやる。

「よしよし…良い子だ」
「くぅ…うぅん」

髪を優しく揉まれ、高く鳴きながら男は心地よさに目を細める。
自分が口に含んでいたペニスに頬ずりをし、縛られた身体をもどかしそうに揺らす。ペットのペニスは絶え間無く体液を溢れさせ、縄を通された尻の谷間の奥では、淫猥な肉の華がヒクヒクと息づいていた。

それに気付いていながら、主人は手を出さない。焦れて耐えられなくなったペットが、自らねだるのを待っている。

「どうしたんだ? もじもじして」
「っは…あぅ」

自分で言わないと、何もしてくれない。それを嫌という程知っているペットは、不自由な体を机の下から這い出させ、主人におねだりをする。

「お願い…しま……す。オレのケツマンコ…メチャクチャに犯して、狂わせて下さいぃ……!」

後ろ手を縛られた状態でうつ伏せになり、主人に疼いている穴を見せつける様、ペットは膝を立てて尻を掲げた。
身体をほんのり赤く染めて、破滅的な欲望だと知りつつも主人にはしたなくねだる男。例え男色の趣味が無くとも、多くの男が生唾を飲み込むだろう。

そんな淫乱な雄ペットを飼い慣らした主人はクスリと笑い、尻穴の上を通る赤い縄をずらした。
そして、自身の逞しいペニスを、その穴にあてがう。

「よく、言えました」
「んああぁぁっ!!」

乱暴に挿入されたのに、ペットは悦んで射精した。生徒会室の床が白い体液で汚れる。

「あっ、あっ、あっ、はぁんっ」

舌を垂らし、床に上半身を擦り付けて喘ぎ叫ぶ男を見て、主人は愛しそうに微笑んだ。

「君は僕の物だ。一生苛めて、泣かせて、可愛がって…愛し続けるよ」
「ぁん…嬉ひ……ごひゅじんひゃまぁ…っ!」

傍から見れば異質かも知れない。
けれど、二人の間にあるのは確かな愛情であり、誰にも理解されなくとも二人は愛し愛されている事を実感していた。

名門校の秘密地下( 1 / 1 )

誰もが羨み、そこに入学、在学しているだけでステータスとなる名門校。
そこの地下に何人かの男子生徒がいた。正確には…数個の肉便器が、あった。

「んん…んお…っ」

一人掛けソファーの上で、呻いている男達。苦しげに呻いて、ソファーの上を憐れに跳ねていた。
その男達は、ソファーから離れられないよう、がっちりと拘束され、固定されていた。
手首は後ろ手に手錠を掛けられ、更に指を使えないように作られた鍵付きの手袋を嵌められている。
足は足首と太股を鎖で繋ぎ、両膝に掛けた鎖を天井にある金属の輪に括り付けられていた。

これでは、手を使う事も足を下ろす事もできない。その上、男達は目で見る事も喋る事も禁止されていた。
目には、革で出来た目隠し。口には、リング状の口枷。口を開いた状態で固定し、さらに鼻でしか呼吸出来ない様にするゴムの栓が付けられていた。

「おほ…んお……んぐぅっ…」

何もしゃべれないが必死で呻く。男達の尻には太めのバイブが入れられ、ヴィと振動して男達を苦しめている。
そこへ、階段を下りる音がした。
ゆっくりと、確実に。数人がここに降りてくる。

「おぉ…おふっ! んご、むおぉ!」

恐怖の混ざった悲鳴を混ぜながら、男達が必死に拘束を解こうと暴れた。しかし、快感に浸され続けた身体にはそんな力は無い。ただ絶望がより感じられるだけ。
極限まで恐怖が高まった時、地下室の扉が開かれた。

「はよー、今日も来たぜ」

来て欲しいだなんて思ってない。そんな心の声に構わず、やって来た男達はそれぞれ選んでいた肉便器に歩み寄って行く。
逃れようと憐れに身悶える肉便器達を、あざ笑いながら。

「環ちゃんの相手は、俺だよ」
「んっ!」

環と呼ばれた男が、拘束された身体をビクンと震わせる。
怯えている環を更に目で愉しむ為、男は環のアナルに入れられたバイブに手を掛けた。

「うわ…ぐちょぐちょ。ケツ穴メチャクチャにされて気持ちいいんだ?」
「おご…おぅーっ!」

動いたままのバイブをぐるぐると回され、環が悲鳴を上げた。バイブが回される度、幾度と無く腸内に出された精液が奥から溢れ、尻を伝って床に滴った。

「もっとメチャクチャにされたいよな」
「んおっ!」

何の前触れも無しに、バイブが引き抜かれた。環は息を整えようとするが、男はそれを許さない。
硬く張りつめた自身のペニスを、環の開いたまま閉じられなくなっているアナルに押し当てた。

「…! んぐ、んぐ、んぅーっ!」

唯一自由にできる首で、必死にイヤイヤをする環。
無理矢理犯される。抵抗も出来ず犯され…それで感じてしまう。

それを恐れているのを知っているのに、いや、知っているから。
男は無慈悲に、一突きで環のアナルを貫いた。

「っ…!」

大きく喉を反らし痙攣する環。そんなのお構い無しに、男は腰を振りペニスでアナルを掻き回す。

「んお…おほ……んぅん」
「ふおっ、ふうっ」

他の肉奴隷もまた抵抗も出来ないまま犯され絶望の混じった甘い悲鳴を上げている。
そこに、また扉の開く音がした。

「悪いな。先使ってるぜ」
「またかよ…」

舌打ちしながら、後から来た男達が近付く。そして、環達肉便器の口枷から栓を抜いた。

「えはっ…」

飲み込めずにいた唾液が溢れる。しかし、口での呼吸はほぼさせてはもらえない。

「ほら、しっかりしゃぶれよ」
「んぐっ…!」

容赦など無く、開かされた口にペニスが突き込まれた。嫌だけど、男の望み通りしゃぶらなければよりひどい事をされる。環達は一生懸命に、男のペニスに奉仕する。

終わらない恥辱。快感に狂わされていく心と身体。

誰か、助けて。

肉便器達の目隠しの下から、一筋の雫が頬を伝って行った。
どうしようもない虚しさを、彼らの心に植え付けて。
五月雨時雨
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