薬が処方された。
感情を平坦にしながら、夜の街を何時間も歩いた。少し前まで、俺が働いていた場所で、次の奴隷が働いている。
今度の奴隷は、俺よりも年上のおっさんのようだ。
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いつの間にか、足から血が流れている。
俺は、靴擦れした足を引き摺りながら、誰も居ない暴力団の事務所に向かった。
適当に石を拾い、本気で投げた。
石は、狙ったガラスの3枚隣のガラスに当たったが、ガラスは割れなかった。
俺は、帽子を深く被り直して、駅に向かった。
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