髪を金髪にした。
本田圭佑をイメージしたのだが、プロレスラーの後藤達俊にしか見えない。
「(こんなに、太ってたかな・・・)」
いつの間にか、太った俺が、鏡の中にいる。
0
「小川君、居酒屋の仕事辞めちゃったの?」
床屋のおやじが話しかけてくる。
「あっ・・・はい」
そう言えば、居酒屋で働いていたことがあった。
「(何年前だ?)」
いろいろな記憶が甦ってくるが、そんなことはどうでもいい。
「奇抜な道」に進むしかない。
現実を知れば知るほど、俺には「奇抜な道」しかないという気持ちになる。
「あの時」と同じ道
だけど・・・それしかない。
110 / 206