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右手の震えに抵抗している。
「(いつまで捉われているんだ)」
そんな考えを方を、かき消すように、右手に負荷をかけ続けている。
何十キロもある荷物を、何万個も持ち上げた。
何万回もチンコを、しごいた。
それでも、ふとした瞬間に、右手が震える。
イラついている。
カップラーメンをこぼした時は、部屋の壁を殴って、穴を開けてしまった。
「くそっ」
と呟きながら、何十分も歩いていたこともあった。
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