九月二十二日 晴れ歩いているだけで、何度も泣いてしまう。最後の最後に、世界の本当の素晴らしさを知った。
0
僕が病院へ着くと、丁度、源さんが病院から出て来たところだった。
「俺、末期癌なんだ。へっへっへっ」
源さんは笑いながらそう言うと、河川敷へと向かって歩き出した。
105 / 145