脳卒中 間違いだらけの認識への警鐘(完結)

第2章 関節支持という概念について( 7 / 9 )

関節支持が効率よく機能すると何が起きるか?

さて、片麻痺のお客様というのは、関節支持という概念からみれば

日に日に、そのもっとも効率の良い状態からは、どんどんとかけ離れてしまうために

本来は、麻痺そのものの後遺症というものは、発症後にみられるなどということは

ありえないのですが、結果として

片麻痺のお客様には、いくらでも、後遺症的な、言い換えれば片麻痺独自の変化を

身体全身に認めても、それは

一般常識として、片麻痺の特徴的な状態としか認識されないわけです。

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で、関節支持という概念は、

そういう実にナンセンスな解釈を見事に打ち破るだけの説得力を持っていると思います。

 

つまり、片麻痺であるとか、随意性がみられないとかに関係なく

人の身体に起きる現象として、関節支持ということを機能的に行うと

いったい何が起きるのか?

ということを理解できればいいわけですよね。

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簡単に説明しますけど。

片麻痺のお客様で腕を抱え込んだような状態になっている人は、

それは、マンウエルニッケ姿勢というんですけどね。

よっく考えてみれば、実に不思議な姿勢です。

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つまり、お客様は、別に腕を抱え込むようなことは、自分の意志では

行っていないんですね。で、立位とか歩行時にそれは安静時、あるいは

椅子に座っているようなときよりも顕著にみられます。

言い換えれば、より不安定な姿勢や動作において

腕の抱え込むような現象が惹起されるということであり

そこには、お客様の意志などは、全く関係のない話なのです。

 

ですから、こういう検証がよくあるわけです。

マンウエルニッケ姿勢のお客様というのは

大抵、左右非対称が顕著になっています。

したがって、鏡を見るとか、体重計を利用するなどして

姿勢を、重心の位置を左右対称に矯正するわけです。

もちろん、身体の前後の状態、要するに身体のねじれなどの矯正も

行ってみます。すると、、、

 

抱え込まれた腕は、自動的に、肘が伸びるようになります。

これが、関節支持の意味になっているんですね。

長くなりますので、一旦、ここまでにしておきます。

 

第2章 関節支持という概念について( 8 / 9 )

筋の持続緊張が片麻痺では強力に発生している!

唐突ですけどね

今までのことを整理して、簡単に片麻痺を説明してしまうと

こういうことになると思うわけです。

 

片麻痺というのは、見かけ上、関節支持という健常であれば正常に機能している状態が

相当、左右非対称になってしまうがために、関節支持の効率がきわめて損なわれている

そういう所見を認めるものである!

 

????

ま、何を言っているのか、まだわからないという人が大多数であると思いますけど

このように片麻痺を考えていくということは、非常に大事であると断言しておきます。

 

さて、このように片麻痺のお客様には、関節支持がきちんと機能していないとすると

それは、いったい、どういうことが起きているのか?

前回にも書きましたけど、結局は、腕の重さを重力に抗して持ち上げてしまう

つまり肘をまげてしまうくらいの強力な持続緊張を引き起こすということなんですね。

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よくわからない人は、前頁を読んでほしいんです。

片麻痺のお客様が、左右非対称の姿勢になっているときに

腕はかなり曲っていても、それを左右対称に近づければ

自動的に肘が伸びてくる、下がってくるという現象があるわけです。

そのくらいの強力な力が、日常的に片麻痺のお客様の、それも麻痺側に

現実として、そういうことが起きるということを

実は、医学、科学では、どこにもきちんと説明してあるものがないんですね。

ま、そのことを次回にさらに掘り下げてみましょう。

 

 

第2章 関節支持という概念について( 9 / 9 )

従来からの考えでは、姿勢緊張としている概念があるが、、、

皆さんは、マンウエルニッケ姿勢のメカニズムということは理解できているのでしょうか?

、、、、

で、従来法、教科書的な解釈ですけど。

痙性という概念がありますが、その痙性によって、マンウエルニッケ姿勢は構築されると

されているように思われております。

つまり、片麻痺というのは、その麻痺の回復過程においては

筋緊張が最初の急性期においては、弛緩しているということになりますが

それが正常化するというよりも、ピークに達するまでは、どんどんと亢進し続けるという

そういうことになっているんです。

ま、何の理由かといえば、要するに、脳のダメージの回復過程においては

どういうわけか、脳の成熟と関係するような

脳損傷した部位は回復しないわけですけどね

そこでは、より高位な中枢の抑制から解放されているために

下位の中枢の原始的、そして反射的な動きが容易に出現するという

そういう解釈が成立しているようなんですね。

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つまり、小児が、母親の胎内で成熟していくときに、当然ですけど

神経系統全体の成熟していく過程があるわけですが

そのようなときに、原始反射的な状況というものが、無数に身体には

条件反射ではありませんけど、誰にでも共通してみられる反射というものが

あるわけであり、

それが、片麻痺の回復において、初期のころには容易に出現しやすいということです。

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ま、それを受け入れろ!って言われればそれまでなんですけどね。

本当にそうなのでしょうか?

、、、、

、、、、

神経生理学、あるいは脳神経解剖学というものでは

とにかく、どこに中枢があって、それがどのように出現するのかということを

明らかにしようとしております。

よく、脳の血流量などをしっかりと色で表して、脳のどこが今の時点で

しっかりと働いているのか?などを示すこともありますけどね。

、、、、

しかし、ここで管理者には大いに反論があるわけです。

前回、前々回と紹介してきたように、身体の左右対称を調整したときに

お客様の身体の過緊張が緩和するという現象です。

そこには、お客様の意志は全く関係ないわけですけど

自動的に、マンウエルニッケ姿勢が改善するようにみえるんですね。

、、、、

そのことは、脳の原始的反射でもなんでもないわけです。

しかし、再度、左右非対称の姿勢が強化されれば、そこには

緊張の亢進がみられるということになります。

、、、、

そういうのを姿勢緊張と言うのでは?

となれば、左右非対称が左右対称になる、逆に左右対称が左右非対称になった

ということを、どこで受容しているのかといえば、迷路の刺激になるはずです。

そして、緊張が亢進したり、緩和したりする

それを姿勢緊張としても良いのでしょうか?

????

話が混乱しましたようですが、次からは章をあらためて

姿勢緊張ということを、皆さんが思っていることは、実は眉唾であるということを

はっきりと認識していただきましょう。

第3章 姿勢緊張をきちんと理解しよう!( 1 / 8 )

成人片麻痺において姿勢緊張という概念は成立しない!

成人片麻痺ということで説明しておりますけど。

片麻痺というものを呈する診断は、他にもあるんですね。

代表格は、小児の麻痺です。脳性まひというのが一般的ですけどね。

、、、、

ま、まだ他にも説明したいのが、脊髄損傷なんですけど。

それは後に回して、脳性まひということで

成人片麻痺と共通する部分、そして、決定的に違う、異なる部分が存在している

ということを、しっかりと認識してほしいんですね。

????

で、あえて章まで代えたわけですけど

姿勢緊張という概念が、どうにもはっきりしないというのが管理者だけでなく

皆さんの認識であると思っております。

????

あらためて申し上げます。

直近の記事で紹介しておりますが、マンウエルニッケ姿勢が

お客様本人の意志ではなく、姿勢の左右非対称によって生じているということが

おそらく、皆さんにも理解できているのではないかと思うんですけどね。

それは、もし、重心、重力ということで考えれば、

単なる迷路からの刺激に対しての、身体の正常な反応であるだけなんです。

そこには、本人が意識しているわけではありませんけど

決して反射として、ある姿勢だから、全身的には

特別な緊張を行わせるということではないと思っております。

、、、、

ですから、姿勢緊張ってなんだ?

ということですけど、それは、申し訳ないですけど

小児の脳性まひにみられるような、特定の姿勢において

全身的にあらゆる部位に緊張が特徴的に変化しているということを

意味している概念であると思っています。

????

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脳性まひというのは、脳の未成熟な状況の中で生じた中枢神経系全体の

発達障害としてとらえるべきであると思うわけです。

一方、成人片麻痺では、脳の成熟、発達上においては特に明確なトラブル

アクシデントは生じていないということになります。

つまり、脳性まひにみられる全身緊張というのは

ある意味、姿勢が変われば、全身的に緊張が大きく変化して

特徴的な姿勢がさらに出現していくというようなことを意味している概念です。

????

よくわかりませんかね?

成人片麻痺では、姿勢が変わったからということでの大きな緊張の変化とか

特徴的な動きが出現するなどの現象は皆無です。

それが、回復の過程においては、上位中枢の抑制が解放されているときの

現象として、やがて統合され始めると、緊張が正常化に向かうとされているんです。

しかし、それは緊張、筋緊張の概念で説明していることにはなりますけど

そのことが、姿勢緊張ということにはなりません。

なぜならば、脳性まひと、後天的な成人片麻痺では

脳性まひは、中枢神経系全体で姿勢を緊張させるように異常発達してしまったという

ことなんですね。

そして、成人片麻痺では、中枢神経系はすべて正常に発達してきたわけですから

脳性まひと同じような姿勢の変化での緊張の変化はあるはずがないのです。

、、、、

え、なぜ、姿勢緊張ということを持ち出したのか?

、、、、

では、その理由を次に紹介してみましょうね。

M-CCアドバイザー 寅 加太夫
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