脳卒中 間違いだらけの認識への警鐘(完結)

第2章 関節支持という概念について( 1 / 9 )

関節支持を理解する その1

それでは、いよいよ片麻痺に関しての世間一般の誤解、誤認がどこから

もたらされてしまったのかを考えてみたいと思います。

そして、何から皆さんを論破するのか?

といえば、関節支持という概念になるんです。

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関節支持というのは、こういうことを意味します。

学校の理科室には、大抵、人間の骨格標本があると思うんですね。

で、その骨格標本ですけど、つまり、骸骨ですけどね。

もっとも、恐竜の化石とかでもいいんですが

骨格のまましっかりと立っていますよね。

????

あの骨格のまま、もちろん、それだけでは立っていることはできませんけど

要するに、骨格の、骨の長軸方向への耐久性があるわけですから

さらに肉付けということがあるのですが

要するに、骨格、骨、関節ということですが

その耐久性というもので、動物の身体は、緊張がなくても立っていられるように

なっているということです。

????

よくわかりませんか?

では、違う質問をしたいと思うわけです。

これを読まれている方は、ほぼ大半は、学校などの経験として

気をつけと休め、という姿勢を経験しているはずです。

、、、、

で、どちらの姿勢のほうが緊張しているでしょうか?

これって、支持基底面ということが問題になってしまいますけど

通常、誰が考えても、気をつけの姿勢が、緊張がつよくなり

休めの姿勢は、緊張から多少解放されるわけです。

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で、休めの姿勢のほうが、より安定しているからこそ

関節支持という概念で、つまり、

骨、関節の長軸方向の耐久性があるからこそ

人の身体を支えるために、余計な筋力、筋緊張を必要としないからこそ

身体は休まっても、それで、ラクに立っていられるという事実があるんです。

、、、、

この感覚は、非常に大事なものであり、

今、ちょっとだけ支持基底面ということを取り上げましたけど

関節支持という概念を

従来からの片麻痺の研究では、置いてきぼりしているように思えるわけです。

????

わからなくてもいいんですけどね。

どういうことかを、どんどんと説明してみたいと思うんですね。

ま、いったん、この記事はここまでにしておきましょう。では。

しつこく申し上げますけど、関節支持という概念は

意外とどこにも説明されていない領域になっています。

もちろん、専門教育の養成学校でも、あまり理解されていないものと

管理者は認識しております。

第2章 関節支持という概念について( 2 / 9 )

関節支持を理解する その2

さて、関節支持ということと、片麻痺ということで

なぜ、それほど、管理者が目の敵にするようになっているのかを

さらに説明していきたいと思うんですね。

関節支持ということは、関節の長軸方向の耐久性が結構ある!

ということを利用しての概念です。

ですから、単に関節支持ということを説明しても

それって、いい加減なことになってしまうんですね。

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関節支持ということを持ち出したのであれば

どういうことが、関節支持として、最も効率的であるのかを理解すること

そして、どういうことが、あまり関節支持になっていない

ということも問題になると思うわけです。

????

つまり、関節支持がもっとも効率的になっているのは

誰が考えても、結局は、左右対称の姿勢であるということになろうかと思うわけです。

そして、当然ですけど、身体の前後の重心も、できるだけ中心の位置でキープされて

いることになると思うんですね。

、、、、

つまり、関節支持がきちんと機能している姿勢を考えると

それは、いわゆる機能的姿勢ということで説明が出来ると思います。

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どんどんと、専門的な用語が出現してしまいますけど

機能的な姿勢というのは、動きやすい、もっとも動きやすい状態の姿勢ということです。

ですから、解剖学的な基本姿勢ということと

機能的な姿勢ということは、相当、異なる説明の姿勢になりますけど

ここで説明する機能的姿勢をあらためて簡単に言いますと

要するに、柔道の基本的な構え、野球の内野手の姿勢、、、などということと一緒になるんです。

つまり、下肢はワイドに構えていますけど

前後にも左右にも、もっとも反応して動きやすい姿勢になっています。

、、、、

前後左右にとにかく、すぐに反応できる状況というのは

それは、無駄な力が働いていないことを意味します。

ですから、すぐに反応できるということになります。

ま、禅問答みたいですけどね。

では、なぜ、そういう姿勢が好ましいのか?

ですから、こういうワイドに構えた姿勢が、一番、骨格系の体重を支える力を

有効に活用できるからなんですね。

、、、、

で、それを言い換えると、いわゆる関節支持という概念になるんですね。

しつこいですけど、皆さんにお尋ねします。

皆さんが、ずっと気をつけの姿勢でいると身体は緊張しますけど

休めの姿勢になったときには、それほど、緊張していることはありませんよね。

それって、どうしてそうなるのでしょうか?

関節支持以外の概念で、見事に説明できるのであれば

この管理者に教えていただきたいのですが。

いかがでしょうか。では、この記事はいったん、ここまでにします。

第2章 関節支持という概念について( 3 / 9 )

片麻痺と関節支持の関係

片麻痺に関節支持という概念を持ち込むのにはわけがあるんですね。

????

皆さんにはよくわからなくても仕方ありませんけど。

片麻痺というのは、右か左の半身に麻痺が生じるということになるんです。

つまり、病気になる前と後では、身体の左右非対称がより顕著になっている

ということが、問題になるということです。

????

すくない記事を読み返してほしいんですけど

関節支持がもっとも効率的に働く姿勢は、いったいどういうものなのか?

となりますとね。いわゆる機能的な姿勢ということになり

それは言い換えれば、左右対称ということでなければならないわけです。

ま、それだけでは機能的になりませんけど

しかし、左右対称であれば、より関節支持が機能するということは

紛れもない事実であるわけです。

、、、、

、、、、

ですから、片麻痺のお客様は、そもそも左右非対称の姿勢になってしまったのですから

関節支持が効率的に働きにくい状態にあると言い換えても良いということです。

????

それのどこが問題なのか?

では、次回については、左右非対称の姿勢ということが生じる環境などの観点で

関節支持ということをあらためて考えてみたいと思います。

とにかく、関節支持ということを理解しておかないと

片麻痺の間違った解釈から抜け出せないと考えています。

そのくらい大切な部分であると思っております。

第2章 関節支持という概念について( 4 / 9 )

関節支持が機能しなければ何が起きるのか?

関節支持という概念が、どれだけ大事なものであるかということは

リハビリの世界では、あまり取り上げられていないというのが実情なんです。

というのも、管理者もここ5年くらいでようやく、そのこと、つまりは関節支持が

理解できてきたということですので、そのくらい、専門職のなかでも

関節支持ということを評価でも治療でも、また、研究発表でも実際に

行っているということは稀有なわけです。

、、、、

さて、だから、どうなのか?

ということですけども

関節支持が機能していないということを、言い換えれば、これは誰が考えても

明らかに、左右非対称、といいますか、本当に機能的な身体のバランスがとれた

アラインメントの状態が、もっとも機能的ということなんですね。

????

つまり、その姿勢というのは、骨関節の長軸方向に対しての耐久性がもっとも

有効にはたらいているために、

その力だけでも、身体は無理に筋力を利用しなくても立っていられるということを

意味するのですね。

????

ですから、気をつけと休めという姿勢がありますけど

どちらが、身体はラクに立っていられるのか?

もちろん、まだ、説明していませんけど、支持基底面という概念がありますので

それにも大いに関係しますけどね。誰が考えても、休めの姿勢は

身体には緊張が少なくても済むということは、簡単に実証できるわけです。

はっきりいえば、そういうときに全身に筋電図をつけてみれば

決定的に、筋の収縮が明らかにその強さが異なることを証明できるということです。

、、、、

さて、片麻痺になったお客様には、明らかに身体所見として

左右非対称の状態がみられるということです。

つまり、関節支持の概念がもっとも機能している、それって、健常なときには

ほぼきちんと機能していた、ということですけど

片麻痺を認めてしまったときから、実は、関節支持ということは

極端に言えば、とんでもなく、その機能が低下しているといえるわけです。

ですから、そういうことを解釈しないで

片麻痺のことを、見かけ上判断してしまうのは、管理者としては

明らかに問題であると思っております。

一旦、この記事はここまでにしておきます。では。

M-CCアドバイザー 寅 加太夫
脳卒中 間違いだらけの認識への警鐘(完結)
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