渡り切ると正面は斜面になっており、右前方に上へ向かう細い階段を発見。
行ってみると扉が付いていて、そこに「関係者以外立ち入り禁止」と表示されている。
左右を見渡したものの、上へ昇る道はこれしか見当たらない。
しかも扉に鍵がかかっている様子はなく、開けて鉄製の階段を昇ってみた。
階段脇には民家が二軒あり、その玄関脇をモロにすり抜ける格好。
登り切ると、またも扉。
この階段、やはり私有地だったらしい。
扉を付けたのは、駅から高速バス停へ“近道”する輩が後を絶たないからか。
だが斯く言う自分も、紛れも無く“輩”の一人。
心の中で“謝罪”と“感謝”、それと「見つかりませんように」との“願い”を呟いた。
階段を上り切ったところで、来た方角を振り返ってみると、朝陽を浴びた山並みが神々しく輝いている。
「鉄道」から「私有道」を経由して「一般道」の坂を登り、バス停へと続く階段を登って「高速道」に出た。
鉄道から高速バスへ乗り換えるだけなのに、こうして4種類もの「道」が体験できるとは有難いことだ。
7時55分、数分遅れで京王バス東の甲府行き高速バスが到着した。
甲府へ行くのなら中央本線で行けばいいものを、なぜ高速バスに乗り換える必要があったのか?