一巡せしもの―東海道・西国編

神社一覧

【掲載神社一覧】

甲斐國「浅間神社 山梨県笛吹市一宮町一ノ宮1684

駿河國「富士山本宮浅間大社 静岡県富士宮市宮町1-1

伊豆國「三嶋大社 静岡県三島市大宮町2-1-5

遠江國「事任八幡宮 静岡県掛川市八坂642

遠江國「小国神社 静岡県周智郡森町一宮3956-1

三河國「砥鹿神社 愛知県豊川市一宮町西垣内2

尾張國「真清田神社 愛知県一宮市真清田1-2-1

尾張國「大神神社 愛知県一宮市花池2-15-28

伊勢國「椿大神社 三重県鈴鹿市山本町1871

伊勢國「都波岐奈加等神社 三重県鈴鹿市一ノ宮町1174

志摩國「伊射波神社 三重県鳥羽市安楽島町字加布良古1210

志摩國「伊雑宮 三重県志摩市磯部町上之郷374

伊賀國「敢國神社 三重県伊賀市一之宮877
まえがき


前作「東海道・東国編」に続き、西国八州(甲斐/駿河/遠江/三河/尾張/伊勢/志摩/伊賀)を巡った「西国編」を上梓いたしました。

東京在住ゆえ東国の諸御宮は日帰りで参拝できましたが、西国ともなれば日帰りというわけにもいかず、どうしても宿泊を重ねて巡礼することになります。

まさに本書のタイトル通りの「一巡」…一之宮巡礼の旅を実現するに至りました。

今回の旅で苦労したのは、甲斐國一之宮「浅間神社」と遠江國一之宮「小国神社」でした。

共通しているのは、どちらも鉄道駅から遠く、しかもバスの便がないこと。

自家用車での参拝が常識となった昨今、それを使わないのは非常識なことかもしれません。

しかし「巡礼」とは宗教的な儀式であり、古来より洋の東西を問わず苦行が付き物。

モータリゼーションに支配された昨今のほうことそうした本来の意味での「巡礼」を行うのに相応しい…そんなパラドキシャルな時代となりました。

続刊「畿内編」も取材は終えているのですが、いつ発刊するのか?

できれば年内に発刊したいと思ってはいますが、それは神様の思し召し。

末永く、気長にお付き合い頂ければ幸いです。

平成26(2014)年9月20日

経堂 薫

甲斐國[浅間神社] ( 1 / 22 )

甲斐國一之宮[浅間神社]01



早朝、御茶ノ水駅から乗り込んだ中央本線の下り各駅停車は、予想に反して結構な混み具合だった。

まだ朝の6時前にもかかわらずロングシートは埋め尽くされ、そのうえ結構な数の人が立っている。

今年も残すところ、あと10日。

年の瀬が押し迫っているのを実感する。

そのまま客足が途絶えることなく国分寺駅に到着。

そこで乗り換えた下りの特別快速も混雑している。

ようやく八王子駅で車内はガラガラになり、7時10分高尾駅に到着。

向かいのホームに停車していた1451M電車に乗り換えた1分後、すぐに発車。

車内の4人掛けクロスシートに旅情を感じる間もなく、電車は約10分ほどで相模湖駅に着いた。

相模湖は都心から気軽にアクセスできる観光地だけに、駅舎もそれっぽいデザインになっている。

とはいえ、こんな厳寒期の、しかも早朝に観光客の姿などあろうはずもなく、通勤通学客の姿がチラホラあるばかり。

ここから中央自動車道相模湖バス停まで歩く。

駅前のバスロータリーを通り抜けて線路沿いに歩き、跨線橋を北側へ渡る。

この橋、床が透けて下が丸見えなので非常に怖い。
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作家:経堂 薫
一巡せしもの―東海道・西国編
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