日本人の大好きなカレーだが、カレーに含まれるウコンにも健脳効果がある。ウコンの成分クルクミンだ。飲み過ぎたときにウコン製品を飲むと翌日の調子がいいことがあるが、これはクルクミンに肝臓の機能を助ける働きがあるためだ。
アルツハイマー病患者に見られるアミロイドβという物質の蓄積が、クルクミンを与えることによって軽減されたという報告がある。また、脳梗塞後の脳細胞の再生を促進するかもしれないという報告もされている。
現時点で確実なのは、クルクミンの抗酸化作用による細胞保護作用だ。本書で紹介した他の食品同様、抗酸化作用によって全身の老化を抑える働きがある。
注意したいのは、クルクミンの過剰摂取による副作用が報告されていることだ。肝硬変の方は摂取は控えたほうがいいだろう。
本書では9品目の食品について紹介したが、これらの食品が効果を発揮するのは、5大栄養素の摂取量が基準に満ちている時である。5大栄養素の充足なくして脳の健康はありえない。
脳の健康にとって大事なのは食事だけではない。睡眠や運動も当然必要になる。睡眠不足は記憶力の低下や精神不安定を招くし、運動不足も脳機能の低下を招く。食、睡眠、運動をこなした上で脳に良い食べ物を心がけて食べるようにしたい。
だが、それだけでは不十分だ。脳の機能を高める働きのある栄養素をとって、脳にその準備ができたとしても、脳を使わなければ機能は向上しない。記憶力を上げたいのなら記憶をすることだ。同じ物を覚えるときに機能食品を食べていたほうが有利になるということなのだ。
脳に発達する条件を整えてあげたうえで、脳を使うことによって効率の良い脳機能向上が期待できる。脳を活かすことは必ず自分のため、他人のためになることであるから、みなさん頑張って脳を鍛えていきましょう!