脳に良い食べ物

健脳食品( 9 / 11 )

ウコン ~カレーの茶色は頭にもいい~

  日本人の大好きなカレーだが、カレーに含まれるウコンにも健脳効果がある。ウコンの成分クルクミンだ。飲み過ぎたときにウコン製品を飲むと翌日の調子がいいことがあるが、これはクルクミンに肝臓の機能を助ける働きがあるためだ。

 

  アルツハイマー病患者に見られるアミロイドβという物質の蓄積が、クルクミンを与えることによって軽減されたという報告がある。また、脳梗塞後の脳細胞の再生を促進するかもしれないという報告もされている。

 

  現時点で確実なのは、クルクミンの抗酸化作用による細胞保護作用だ。本書で紹介した他の食品同様、抗酸化作用によって全身の老化を抑える働きがある。

 

  注意したいのは、クルクミンの過剰摂取による副作用が報告されていることだ。肝硬変の方は摂取は控えたほうがいいだろう。


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納豆

納豆に含まれるナットウキナーゼには血栓溶解作用がある。血栓は心筋梗塞や脳梗塞の原因になるので、毎日納豆を食べたいところ。他に血栓溶解作用のあるものにミミズのルンブルキナーゼというものがあるが、こちらは高価なうえに、納豆の血栓溶解作用は引けをとらないので納豆の摂取をおすすめする。

ナットウキナーゼの効果は~12時間くらいとされているので、血栓のできやすい早朝に効果が得られるように晩に納豆を食べるのが良い。

特に糖尿病や高脂血症(脂質代謝異常)などの血液がドロドロになっている方におすすめしたい。

また血圧降下作用、血流改善作用もあるようだ。

納豆の形で食べることでイソフラボンやタンパク質も補給できて理想的な食品と言えるが、納豆が苦手だという方にはナットウキナーゼのサプリメントもおすすめだ。

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海藻~栄養素の宝庫~

海藻にはビタミンB群、葉酸、カリウム、食物繊維、カルシウム、亜鉛など日本人に不足しがちな栄養素が豊富に含まれている。ビタミンB群、葉酸、カルシウム、亜鉛は脳の神経伝達物質を合成する際に必要な栄養素なので、これらが不足するとうつや不安、学力の低下などになることが予想される。

妊婦の方はこれら栄養素が不足すると胎児の発育に悪影響がでたり、出産前後の気分障害に繋がるのでしっかり海藻を食べよう。

海苔、とろろ昆布、わかめなどは比較的扱いやすい食材ではないでしょうか。

ビタミンB群の不足はホモシステインという物質の血中濃度を高める。このホモシステインは心血管障害、アルツハイマー病、統合失調症などの原因の一つと考えられている。血管を破壊したりするようだ。また、高齢者の方はビタミンB群の吸収力が低下しているので、多めに摂取することをおすすめする。

朝に海苔とご飯、わかめの味噌汁などはいかがだろうか。

おわりに( 1 / 1 )

  本書では9品目の食品について紹介したが、これらの食品が効果を発揮するのは、5大栄養素の摂取量が基準に満ちている時である。5大栄養素の充足なくして脳の健康はありえない。

 

  脳の健康にとって大事なのは食事だけではない。睡眠や運動も当然必要になる。睡眠不足は記憶力の低下や精神不安定を招くし、運動不足も脳機能の低下を招く。食、睡眠、運動をこなした上で脳に良い食べ物を心がけて食べるようにしたい。

 

  だが、それだけでは不十分だ。脳の機能を高める働きのある栄養素をとって、脳にその準備ができたとしても、脳を使わなければ機能は向上しない。記憶力を上げたいのなら記憶をすることだ。同じ物を覚えるときに機能食品を食べていたほうが有利になるということなのだ。

 

  脳に発達する条件を整えてあげたうえで、脳を使うことによって効率の良い脳機能向上が期待できる。脳を活かすことは必ず自分のため、他人のためになることであるから、みなさん頑張って脳を鍛えていきましょう!

まさお
作家:大前伍長
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