脳に良い食べ物

健脳食品( 1 / 11 )

卵 ~若い脳の維持に~

  卵にはレシチンやコリン(レシチンとはリン脂質の総称で、コリンもレシチンに含まれる)といった生きていくために不可欠な栄養素が豊富に含まれている。レシチンは細胞膜などの生体膜の主要構成成分で、当然脳の神経細胞などの細胞の膜の主要構成成分である。レシチンの不足は、疲労、免疫力低下、不眠、動脈硬化、糖尿病、悪玉コレステロールの沈着など多くの症状の原因となる。

 

  コリンは神経伝達物質の一つであるアセチルコリンの原料となる栄養素である。アセチルコリンは副交感神経の伝達物質であるばかりでなく、記憶や認知にも関わる重要な物質で、これが不足すると自律神経の失調や、脳力の低下などが起こる。

 

  レシチンやコリンを豊富に含むことから、卵を食べることは、脳だけでなく体の若さを維持することにつながる。

 

  卵の摂取が認知症の予防につながるという報告もあることから、毎日1個は食べたいものである。

健脳食品( 2 / 11 )

青魚 ~話題のDHAを豊富に含む食材~

  動物の脂は常温では固まっているのに大して、植物の油は常温でも液状である。これは脂肪酸の飽和度の違いによるもので、飽和脂肪酸は融点が高く、不飽和脂肪酸の融点は低い。青魚にはω-3系脂肪酸という不飽和脂肪酸群が多く含まれており、その中にDHAやEPAが含まれる。

 

  DHAも細胞膜に多く含まれ、細胞膜の柔軟性を維持するのに役だっている。DHAを十分摂ることで、細胞間の情報伝達や、神経細胞の成長が維持される。また、DHAにはうつを抑制する働きもあることが報告されている。健全な脳機能の維持のために是非摂りたい栄養素である。

 

  また、ω-3系脂肪酸は血液をサラサラにし、循環器系(心臓や血管)の疾病を予防する働きも持っている。厚生労働省は「日本人の食事摂取基準(2010年版)」でエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)については1日に合計で1g以上の摂取が望ましいとしている。

 

  DHA含量の高い魚は、サバ、さんま、イワシ、鮭で、缶詰でもDHAが変質するということはないようだ。ただ、酸化しやすいものなので空気と長い時間接触すると変質してしまう。また、油で揚げると油に溶け出してしまう。

おそらく毎日1gのDHA、EPAを魚で摂るのは難しいのでサプリメントがおすすめです!

健脳食品( 3 / 11 )

シソ油、亜麻仁油、エゴマ油 ~豊富なω-3系脂肪酸~

  シソ油、亜麻仁油、エゴマ油には豊富にω-3系脂肪酸(主にα-リノレン酸)が含まれる。その他の植物油にはリノール酸を代表とするω-6系脂肪酸が多く含まれるが、このω-6系脂肪酸から作られる生理活性物質には血栓を作る働きがあり、過剰なω-6系脂肪酸の摂取は循環器系の病気のリスクを増大させる。血管の詰まりは当然脳への悪影響を及ぼす。脳梗塞はその最も悪い結果である。

 

  最近の栄養学では、ω-3系とω-6系の摂取バランスが重要であるとしており、1:1~1:3くらいが理想であるとしてる。しかし、最近の我々の食生活では、植物油による揚げ物などが増えてきており、ω-6系の摂取量が過剰傾向となっている。意識してω-3系脂肪酸を摂取するようにしよう。

 

  ω-3系脂肪酸を多く含む食品は、他に緑黄色野菜、海藻(乾燥していないもの)、青魚などがある。

 

  揚げ物は極力控え、ドレッシングなどにシソ油などを使ってみてはどうだろうか。加熱するとω-3系脂肪酸が酸化されてしまうおそれがある。


健脳食品( 4 / 11 )

大豆 ~健康食品の王道~

  大豆にはサポニン、イソフラボンやレシチンが含まれ、健康食品として注目されている。サポニンには抗酸化作用があり、脳や体のアンチエイジング作用が期待できる。イソフラボンは女性ホルモンのような働きをするため、閉経後の女性には特にお勧めしたい。更年期障害や骨粗鬆症の予防になりうる。レシチンについては卵のところで述べた。

 

  サポニン、レシチンには血中の脂肪、コレステロールを下げる働きがあること、大豆自体にコレステロールが含まれないことから、血中の脂質濃度、コレステロール(LDL)濃度の高い方は卵より大豆からこれら栄養素を摂るように心がけたほうが良い。

 

  イソフラボンにはインスリン様作用があり、血糖値を下げるという結果がマウスを使った研究で得られている。糖尿病にも期待できるかもしれない。

 

  大豆製品の中でも納豆には、納豆菌が出す酵素、ナットウキナーゼが含まれる。これには血栓を溶かす作用があり、脳梗塞や心筋梗塞など、循環器系の病気を予防することが期待できる。これらの病気は朝方の気温が下がる時間に多発することから、ナットウキナーゼの効果の持続時間を考えて、夜に納豆を食べるようにすると良いだろう。

 

  納豆には血中脂質濃度を下げる働きがあり、さらに納豆にはナットウキナーゼが含まれることから、これらを食べることで血管を若く保つことができる。若い血管は、脳や体に血液をスムーズに運んでくれる。すると、活動に必要な酸素や栄養素が十分供給されるので、脳や体の機能を高めることや、機能が低下していくのを防ぐことにつながる。


まさお
作家:大前伍長
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