最近、先生と呼ばれて浮かれる人達の多い事に驚く。
大辞林によると「士」とは、男子。特に学問・道徳を修めた男子についていう。
また、「師」とは、学問や芸能などを教える人。先生。師匠。或いは、技術・技芸などを表す語に付けて、その道の専門家であることを表す。と記してある。
昔は、医者や学校の先生を先生と呼び、それ以外の人達を先生とは、余り呼びはしなかったものである。それが、今は代議士から弁護士、会計士、インストラクター、コーディネイター、コンサルタントetc・・・と横文字の人達までが、先生と呼ばれる事に喜びを感じている様がある。呼ぶ方も特別な接待条件であるかの様に、やたら「先生」「先生」と呼び、相手のご機嫌伺いの形容詞になってしまっている。呼ばれる方も呼ばれる方で、大学を出ても学士であり、「師」では無く、「士」である筈なのに、まるで自分が2階級特進したかのような錯覚に陥っているとしか思えない様な現状がある。
ある時期に、代議士になった某元アナウンサーが「先生」と呼ぶ人達に罰金をかけていたが、やはり「先生」と呼ばれるからには、専門知識を持ち、且つ人々に教え導く能力のある人が相当するに相応しいと思われるのである。
その道のプロと呼ばれる人達が少なくなった昨今、本当の専門家が姿を消し、
「俄か士(サムライ)」の多い事と言ったらキリが無いほどである。
全国の「先生」方達に申し上げたい。胸に手を当てて、世の中の人々を指導し、次の世界への手ほどきをして行けるという自信をお持ちでいらっしゃるでしょうか。“青は藍より出でて藍より青し”と言う師匠からの師事により、教え伝える後輩を、創出される事が続ける事を出来るかどうかなのである。
さて、あなたは街でふと、「先生」と呼ばれた時、自信を持って振り返る事が出来るでしょうか?
日夜、研究に勤しんでいる方には申し訳無いことであるが、これからの時代に一番多くを求めている庶民達の叫びを是非、受け止めて戴きたいと願って止まないのである。