シャボン玉ムーン

第1章 あの頃( 2 / 16 )

眉「アイブロウ」

 いつの頃からだろうか。男性の眉の形が気になりだしたのは・・・。

若かりし頃も、確かにあった。ヤンキーという言葉が持て囃された頃、セッタを履き、道にしゃがみこみ、髪を角刈りにして、派手なシャツを着ている夏の男姿は、いつも日焼けした顔に、線を引いた様な細い眉が目立っていた。

近年は、リレハンメル・オリンピックのスキーヤー船木選手の眉カットが話題となり、街のメンズコーナーには、男性用眉カットセット(コームとブラシ・鋏等の)が売れる様になった。歴代総理の村山さんは、サンタさんの様な眉毛がトレードマークでもあったのだが、最近の男性の眉の、まあ、綺麗な事といったら、女性も顔負けである。

 プロに言わせると、眉カットは自分で出来るものの、専用シェーバー以外では出来ないポイントが1つだけあるそうだ。
まず、鏡に向かっての、眉の形はOK。勿論長さもある程度は切り揃えられる。しかし、眉毛の厚みだけは1人では出来ない。何故なら、自分の頭の上からしか、眉毛の厚みは見えないからだ。

 さて、面と向かって、美しく整った眉毛もそう言われて見ると、思わず、頭の上から、覗き込みたくなる心境になる。

人の振り見てではないが、私自身も、ちょっと気になる今日この頃である。

第1章 あの頃( 3 / 16 )

「doubt」(偽者)

 夾竹桃・芙蓉・麒麟草・蒲公英、甲虫・クワガタムシ・ざりがに・・・。数えればキリが無いの だ が、本来のものと似て非なるものが増えている。植物・昆虫などだけでは無く、  現代社会においても「純喫茶」と呼ばれた店が殆ど姿を消してしまった。言わば「純」と言われるものが、とても少ない。

 昔、覚えた花や昆虫の筈が、今は違った種類のものにになってきている。純粋なそのものが、形を変えて変化している。人の世界にも、本物が少なくなった。要するに「○○モドキ」が増えている。プロと呼ばれる人は減り「○○モドキ」でその職業を全うしている人の多い事。芸能界では玄人に対して素人の事を「トウシロウ」と言ってバカにするが、現代社会では「トウシロウ」から「○○モドキ」が、 プロの「衣」を被っている。

 純正の少なくなった世の中に、今も尚、生き残る本当のプロに、今後も是非活躍して欲しいものである。

第1章 あの頃( 4 / 16 )

「那覇」

 22年振りの沖縄。装いも新たになった那覇空港に、今も尚残る、海上自衛隊の飛行機。尾翼には“ペガサス”のマークが記されている。昔の国防色は見当らなかった。

道路も舗装され、高層マンションも沢山見える。来年には、完成するというモノレールの駅が出来ている。タクシーの初乗りは、440円~490円と安い。ただ、その分、遠回りをされるケースも多く、土地感の無い者には、難点かも知れない。

 人の顔は、浅黒いという南の島の特徴でもあるが、シーサーの様な男女の顔に、インパクトを感じる。 人の良し悪しも大別して、やはり、2つに分かれる。はにかみやで親切な人、お調子者のいい加減な人。サービス業のプロには、本来考えられないのであるが、出逢った人のいい、悪いで、その土地への印象・感情が決まってしまうのも、確かな事かも知れない。

第1章 あの頃( 5 / 16 )

「電話番号」 TelephoneNumber

 自宅の電話が鳴ると言えば、セールスが多いというのが、近年の傾向だ。

携帯電話では、ワン切れという、呼び出し音1回で着信番号だけを残して、出会いサイトのコマーシャルメールが多い。
そこで、安易に携帯電話の会社を変えると、自分の電話番号が変わってしまう為に、ついつい、同会社でのグレードアップ機種を選択してしまう。

何故なら、久しく会っていない友人でも、昔の携帯番号に、ふと、掛けて来る事があるからだ。特に、盆と正月辺りになると、その傾向は強く、自分の携帯に登録されていないが、知っている友人から、メールが届いたり、電話が掛かって来たりする。

 何とも、難儀な事であるが、今や、携帯電話は“第2の心臓”という役割を担っているのだから仕方無い事なのである。

あかね しづか
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