江戸川日記
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江戸川日記
旅立ち( 9 / 11 )
本当にそれだけ。
ふせんをはる
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旅立ち( 10 / 11 )
「なあ兄ちゃん、俺は前から東京の夜景が大嫌いだったんだけど、最近はなんだかいいな、と思えて来てな。あんなに出鱈目に建てられたビルが目障りで、ネオンで星も見えねえし、花火大会の日なんかは、江戸時代の花火はもっと綺麗だったんだろうな、なんて思ってたんだけど、あの一つ一つが人間なんだよな。そう考えると、あれはあれでいいかな、とも思えてくる。ただ自然が減っちまったのは残念だけどな」
ふせんをはる
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旅立ち( 11 / 11 )
九月三十日 雨
今日は雨なのに外で虫が鳴いている。この声はコオロギだ。色んな日々の思い出が甦って来る。懐かしい、本当に懐かしい。コオロギの声がいつの間にか増えている。もう直ぐ、俺も行くから待っていてくれ。あの世に行ったらいくらでも話せるじゃないか。透と貴生はコオロギになっても歌が下手だな。あの世で会ったら、ビートたけしの「浅草キッド」をみっちり教え込んでやる。
ふせんをはる
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さよなら、ありがとう( 1 / 16 )
「先輩、本当に卒業しちゃうんですか?」
「ああ」
「ちょっと、寂しいじゃないですか~。もう1年残ってくださいよ」
「勘弁してくれよ~」
ふせんをはる
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江戸川日記
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僕は電車に乗っている
僕は敗北した
僕は泣いている
僕は目を覚ました
僕は流れている
僕は見送っている
僕は想像している
兆候
日常
日常2
日常3
終着駅
旅立ち
さよなら、ありがとう
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