カフェオレ・ライターのforkN出張エッセイ

その3( 1 / 16 )

【10月25日】

男だけど、イケメンと同棲することになった



そういえば、ものすごい勢いでスルーしていたのですが、10月15日は誕生日でした。

サイトの誕生日ではなく僕のリアル誕生日です。

何も書かなかったのにお祝いメールを多数いただき、まずは御礼申し上げます。無事28歳になることができました。


……が、誕生日であるにも関わらず僕がやっていることと言えばモンハンオンリー……。友達と最後に遊んだ日付は思い出せないのにモンスターのモーションははっきり覚えているというダメっぷりに、これではあまりにも不憫だ、と思ったのか、弟妹たちからプレゼントをもらいました。



やったね!

中身は何かな?



!?


なんだこれは……。

なんと包装から出てきたのは、バンダイから最近発売されたというイケメンバンク。お金を入れることでバーチャルイケメンと仲良くなることができるという最近流行のギミック付き貯金箱で、どう考えても28歳社会人男性をターゲットにはしていない商品です。

でも、せっかくなのでレビューしてみることにしましょう。


さて 、28歳になり汚れた現実を知ってしまった僕としては、右下の「真っ白なピュアラブ」という文字がやけに目に痛いのですが、そのピュアラブの内容については裏面に詳細が書いてありました。

「女性が好きな男性の上位5タイプを選びました!」と派手な色づかいで強調されており、右下にはその5タイプについての記述が。

……このタイプランキング、いったい何調べなのかがまったくもって不明ですが、このイケメンバンクは“若い女性に大人気の恋愛心理カウンセラー清水おりえ先生監修”らしいので、そのあたりがソースなのでしょう。

ただ、個人的には、「オレらイケメンです。」と自分で宣言してしまう男はどうかと思いますけど。


ではこの5人をさらに詳しく見ていきましょう。

絵は綺麗で女の子受けもよさそうな感じですが、いかんせん名前のセンスがすごすぎます。

公式サイトによると、それぞれ「金内」「財木」「銭鳥」「前借」「藤堂」という漢字があてられていましたが、「財木」「銭鳥」「前借」という苗字は日本には存在しませんでした。唯一「金内さん」はいらっしゃいましたが、「カネナイ」という読み方はしないみたいです。

なんとなく「財木」ぐらいならまだありかなと思いますが、「金内(カネナイ)」「銭鳥」「前借」あたりになると、成人するまでに一度は自分の苗字について悩みそうですね。

しかしなんといってもインパクト抜群だったのは、「トウドウ コイン カネツグ」

公式サイトでは「藤堂 コイン 金嗣」となっており、ミドルネームの「コイン」が、ものすごい違和感を発しています


……ネタとしか思えない名前ばっかりですが、いくらなんでもこの名前はひどすぎる! というユーザーのために、バンダイはちゃんと名前変更機能も用意してくれています。

ただし、変えられるのは名前のみで、苗字はそのままですけど。

たとえば「タケル」君の名前を「するお」に変えると「前借 するお」になり、さらにダメ度がアップします

なお、「藤堂 コイン 金嗣」のみ、なぜか「コイン」の部分が変更対象となっています。


それではさっそくスタートしてみましょう。

本体はこんな感じ。液晶画面はかなり暗く、10年ほど前のPHSを思い出す仕様。続編が出るなら液晶はもっと明るくしてほしいところです。

まずは彼氏となるイケメンを選ばなければいけませんので、僕は迷うことなく「藤堂 コイン 金嗣」を選択しました。

名前はどうせ「コイン」の部分しか変えられないので、何となくタキシード仮面に似ているという思いつきから「タキシード」に変更……しようとしたのですが、3文字までしか入力できないという制限があったため、「タキシ」というタイピングミスっぽい名前になってしまいました。


こんな風にして、お相手の「藤堂 タキシ 金嗣」と僕の同棲生活がスタートしたわけですが……。

このタキシ、500円玉を入れないとウンともスンとも言わずに無言でこっちをにらんでくるので、仕方なく500円硬貨を投入。


すると、何やらストーリーが始まりました。

―――イケメンバンク、タキシ編のオープニング―――


おしゃれなカフェにやってきた主人公は、カフェでパソコンを取り出す。

「パソコンをたちあげるっていうのがしたかったんだもん」と言いながらスイッチオン。

カフェラテを飲みながらパソコンをいじるも、機械が苦手な主人公はどうしたらいいのかさっぱりわからず、結局パソコンをかばんにしまってしまう。

「あたしにはムリ……! だって、さわったらこわしそうだもんっ!」と弱気になった主人公が、そのままカフェを出ようとしたとき、勢いあまって歩いていた男性にぶつかってしまう。

「すみません。あの、ケガはないですか」

「ワタシはべつに」

そう答えたのは年上の男性。

(あ、なんだかすごくカッコイイかもしれない)

それがタキシとの出会いだった。


※説明文は僕によるもの。セリフは原文ママ。


ということで、まずはタキシとの出会いからスタート。いちおう「主人公=自分」なのですが、タキシよりもむしろ主人公の言動に若干イラッとくるのは僕だけでしょうか……。

この後、500円を入れると回数に応じてストーリーが進み、最終的にエンディングを迎えます。

途中には選択肢も用意されており、必ずしもハッピーエンドになるわけではないようです。このレベルのおもちゃでマルチエンディングとは……制作者の気合がひしひしと伝わってきますね。

もちろんお金を入れるとストーリーが進むだけではなく、説明書によると、

ストーリーが終わるとたまに右の画面が表示され、イケメンが「なあなあ~」と話かけてくることがあります。これはイケメンがあなたにおねだりしているしるしです。500円玉を投入してイケメンのおねだりに答えると、イケメンが喜んで、嬉しいことを言ってくれるかもしれません。約3分間500円玉を投入しないでいると、イケメンが怒ってしまい、勝手に通常画面に戻ります。

※原文ママ

ということですので、まとめると、

イケメンにねだられてお金をあげると何か嬉しくなる言葉をもらえる。が、お金をあげずに3分経ってしまうとイケメンがキレる

ということでしょうか。

……えーと、それってただのヒモだと思うのですが。

しかもわりとダメな方のヒモだと思うのですが、イケメンだからそれで許されるのかもしれません。本当に、不公平な世界です。

あまりにも腹が立ったので、タキシとは別れて違うイケメンと同棲することにしました。

リセットボタンを押すと初期状態に戻るらしいのでさっそくプッシュ。


……。



…………。




いつまで経ってもタキシがいなくなりません


不思議に思って説明書を見直すと、


なんと、一度相手を決定すると、ゲームをクリアするか、放置してイケメンが勝手に出ていくのを待たないといけないとのこと。

「これは現実でも彼氏をころころ変えることができないということと同じことなのです。」と、したり顔で書いてますが、よく考えるとこちらからはイケメンを捨てることができないのに、イケメンには相手を捨てる権利があるというのは明らかにおかしいと思いました。


何はともあれ、藤堂 タキシ 金嗣との同棲生活、5万円貯まるまでがんばりたいと思います。

その3( 2 / 16 )

【10月30日】

イケメンが家出した(レビュー)



前回、イケメンと同棲することになったとお伝えしましたが、続報です。

お初の方のために解説入れとくと、同棲相手はタキシ。見た目は某漫画に登場するロリコンそっくりですが、ヤングだらけのイケメンバンクキャラの中では比較的年上のようなので、ここのところ若者のテンションについていけなくなってきた僕とも話が合うかもしれません。

ところで、最近はちょっと仕事が忙しく、タキシと同棲を始めたはいいものの、しばらく500円玉を入れることもなく放置していました。

いかんいかん……そろそろ構ってやるか。

おう、タキシ。500円玉入れてや……る……?

ん?


家出しとる……!


そういえば忘れていましたが、イケメンたちは5日間貯金せずに放置しておくと勝手に家を出ていくのでした。

それにしてもメールとかではなく、置手紙を残して去っていくというところに昭和の香りを感じます。これを企画した人の年齢が垣間見える一瞬です。

というか、前回ではタキシと出会って、ストーリーがまだ同棲するところまで進んでいなかったはず。

まさか、してもいない同棲生活を勝手に解消されるとは思いませんでした。

あと、1回だけ入れた500円は別に出てくるわけでもなく、貯金箱に呑まれたまま。……いや別に僕のお金であることには変わりないのですが、なんかそれはそれでヒモが金を返さないまま逃亡したみたいでムカつきます

このイケメンバンク、5万円貯めるとクリアになりますが、たとえば49,500円まで貯金して5日間放置してもイケメンは普通にいなくなるみたいなのでご注意をば。


それはさておき、もう一度最初からやってみましょう。

再び500円を投入し、またしてもタキシを選択。

でもタキシはもういなくなった男なので、同じ名前もアレかな、と思いまして、今回は「タキC」にしてみました。読み方は変わってないからまあいいか。


そして再度ストーリーを進めます。

確か前回はオシャレなカフェでパソコンをいじろうとした主人公が、超都合よくタキCと出会ったところまででしたね。


部屋に戻ってあたしは一息つく。

あーあ。

せっかく買ったパソコン。

でも、使わずにほこりをかぶっちゃうかも。

「そんなじゃだめだよね」

あたしはかばんをひきよせて、その中からパソコンを取り出した。

「…え?これなに?」

あたしが見たこともないようなパソコン。

「えっと……これって、どういうこと?」

カフェでのかっこいいオトコのヒトを思い出した。

あああっ!もしかしてあのとき!?

あたし・・・あの人のパソコンが入ったかばんを、自分のと間違えて、持ってきちゃったんだ!

「ど、どどどうしようー!?」

アタマをかかえちゃったけど、それで目の前のパソコンが消えてしまうことはなかった」

<続く>



……ということで、主人公にドジっ子属性があることが判明しましたが、そんなことはどうでもよくて、いつになったらタキCとの同棲が始まるのでしょうか。

もしかするとストーリーパートはこのまま同棲とかしないまま進んでいくのでしょうか……。


よくわからないままもう1枚500円玉を入れようとしたのですが、あいにく手元になかったので、続きはまた今度ですね。


と思っていたら、

「おなかすいた~」

タキCが割とドスの利いた声で話しかけてきました。もしかするとこれが説明書にあった「おねだり」というやつでしょうか。

ここで500円入れないとタキCがキレてしまう……! でも500円玉はもうない……ど、どうしよう。


焦っていると、


「もういいよ……!」

あっさりタキCがキレました。

くっ……なんかムカつく……!


というかコイツ、IT系企業の社長なのに500円でキレるっていうのは、ちょっと器が小さすぎだと思います。



…… ともあれ、危うく忘れそうになっていたイケメンとの同棲生活、果たして5万円は貯まるのでしょうか……。

その3( 3 / 16 )

【11月25日】

イケメンとの同棲生活、その後。(レビュー)



そういえばすっかり忘れてたんですけど、けっこう問い合わせいただいているのでイケメンとの同棲生活の続きを書こうかと思います。

ちなみにあの後、500円入れるのを忘れて2回ほど追加で家出されましたけど、しつこくタキCを選び続けて、現在3回目のプレイです。

まだ最初の方だからいいものの、これゴールとなる5万円近くまで貯めてからうっかり逃げられたりしたらかなりショックですよね。

もともとは貯金が目的だったはずなのに、いつの間にかイケメンに逃げられないことに必死になってしまう……恐るべしイケメンパワー。世の中のだめんずウォーカーの気持ちがちょっとだけわかりました


さて、前回は確かまだ同棲生活までいってなくて、タキCとカフェで出会い、その後自分のかばんと間違えてタキCのを持ち帰ってしまったところまででしたね。

帰宅した主人公はかばんを開けて見知らぬパソコンが入っていることに驚き、間違えたことに気付くのですが、よく考えたらパソコンを取り出すまで気づかなかったことがすごいと思います。

普通はカフェを出ようとしてかばんを持ったときに自分のじゃないことぐらいわかりそうなものですが……それはまだ許すとしても、最低でも支払時には気づいてほしいと思います。いくらなんでもドジっ娘すぎるだろ。


ともあれ、見知らぬパソコンを取り出した主人公は途方にくれてしまいます。

そこで主人公がとった行動とは……。

以下、ストーリーパートから引用。


あたしの目の前には持ち主の連絡先がわからないパソコンが1台。

「ううー……パソコンに名前なんて書いてないよねー?

起動させたらなにかわかるかな?


ポチ……ウイイン……。


いきなり見知らぬ他人のパソコンを起動する主人公

そこはかとなく犯罪の匂いがしてきました。……というか素直にさっきのカフェに届けるべきだと思います。

いちおう主人公=自分という設定だと思うのですが、ここまで勝手なことをされると感情移入もへったくれもありません。

とにかくパソコンの中は勝手に見ちゃダメ! 特に男のパソコンには色々とまずいものが入っているのでダメ! 絶対!

そんな僕の切なる願いも無視して、さらに暴走する主人公。


パスワード……?
う、うううーうーん。
とりあえず、むちゃくちゃに文字を打ち込んでみる。
ーーパチパチパチパチ・・・


あっ!
ログインできたみたい。

何やってんだアンタ。

それは不正なんちゃらっていう立派な犯罪じゃないの!?

なんでわざわざタキCがパスワードかけてたのか、ちょっとは考えてほしい。

 

ていうか、さっきまで自分のパソコンのセットアップもできなかったような初心者が、どうやってパスワードを探り当てたというのか。

この展開を見る限り、本当に適当に打ち込んだらログインできたみたいなので、パスワードは「1111」みたいな超簡単な文字の羅列だったのでしょうか。……だとしたらタキCはIT社長失格だと思います


そして、自分でやっておきながらログインできたことにびびりまくる主人公。


う、うううーうーん……。
へたにさわったら壊しちゃいそうだしーっ。
他になにか手がかりはないかなぁ?
……あ、カバン! まだ、カバンの中を見てなかった!
慌ててカバンの中を探ってみると、1枚の名刺を見つける。
よかった。
連絡先が書いてある……。

パスワードまで探してハッキングしておいて「下手にさわると壊しちゃいそう」とぬかす主人公。なんという面の皮の厚さ。これは大物になるよ……。

その流れのまま、今度はカバンを漁って名刺を見つけた主人公。タキCの連絡先をゲットし、ついに出会いフラグ成立です。僕がタキCだったら嫌ですよ、こんな天然ハッカー。こんなのに個人情報握られたらどうなるかわかりませんもん。

……まあ、もうタキCのプライバシーは全部暴かれてしまいましたけど……。


次回、いよいよタキCとの再会!? それとも!?



<今回の教訓>

みんな、パソコンのパスワードは割とあっさり抜かれるから注意だぞ!(タキC 談)

その3( 4 / 16 )

【12月8日】

イケメンとの再会、そして急展開(レビュー)



いやーいつの間にか年末ですね。

年末と言えば宝くじのジャンボ! 1億円ぐらい当たったら何に使おうか今から考えないとね!


そんな話はさておき、今回はイケメンバンクレビューの続きです。

イケメンとの生活を初めてからいつの間にか1か月以上経つわけですが……。

実は今まで黙っていましたが、レビューを書くたびに一息ついてついついタキCを放置してしまい、これまでに3回ほど逃げられています

普通に生きていると、同じ男と3回付き合って3回逃げられる女性というのもそうはいない気がするのですが、これは金を入れるたびに戻ってくるタキCがダメ男なのか、それともついイケメンに金を払ってしまう主人公がダメなのか……。

まあ一番ダメなのは500円玉ですら貯金が続かない僕なんですけど、仕方ないので逃げられるたびに500円を入れてタキCを口説き直しています。

ということで、もうどれくらい貢いだのか覚えていませんが、タキCとの生活の続きを見ていくことにしましょう。

前回の展開をざっと説明すると、カフェでイケメンが持っていたカバンと自分のを間違えて持って帰ってしまった主人公。彼女は、あろうことか勝手にパソコンにログインし、中身を見ようとします。しかし結局よくわからず、再びカバンを漁ってみたところ、タキCの名刺が出てきたのでした……。

ここで気になるのは前回も書きましたが、主人公がパスワードを適当に入力して一発で解除したという点。

普通に考えて、それはありえないことだと思うのですが……。

ちなみにこのパスワードの件に関して、僕と同い年の「茅ヶ崎町役場」さんからメールをいただきましたのでご紹介させていただきます。

(略)

考えてみたのですが、タキCのパソコンのパスワードを一発 で当てた主人公の運は如何なるものか・・・。

パスワードに使用できる文字が

アルファベット26文字+数字(0~9)の10文字=36文字 として、「ーーパチパチパチパチ・・・」という擬音語が4回のタイピ ング(=4文字)であると仮定すると。。。

その組み合わせは36の4乗となり、一発で正解にあたる確率は

1/1,679,616

となります。
これは、1枚だけジャンボ宝くじを買って、1等もしくは2等が当たる 確率とほぼ同じ(http://www.its-sap.co.jp/column/column/se027.html)です。

以上から導かれる結論は、この主人公の最もドジなところは、1億を軽 く稼げる強運の持ち主でありながら、10万を貯めるためにその運を遣 い果たしてしまっているということではないでしょうか・・・。

(略)

なるほど……とりあえずこれだけタキCに情熱を注げる茅ヶ崎町役場さんが、もう僕の代わりにイケメンバンクレビューをするべきだと思いますが、それはともかく、逆に考えると宝くじに当たるのは4桁のパスワードを適当に入れて一発で成功するのと同じ確率ということですか……。

今年のジャンボ……やめようかな……。


―――


ちなみに今回のメールを送っていただいた茅ヶ崎町役場さんと僕は、80年生まれのいわゆる松坂世代です。

……松坂大輔がメジャーで頑張っている頃、同い年の僕はイケメンバンクに500円を入れて喜んでいるわけですが、そのあたりは深く考えると絶望しそうなので無視して、さっそく続きを見ていきます。


待ち合わせたのは、さっきのカフェ。
「あ、きた!」
「こんにちは、タキCです」
「すみません! あたしったら、カバンを間違えて持っていっちゃって!」
「たしかにワタシのだね」
…笑ってるんだけど…なんだか、ちょっとこわいよぉ。

どうやら見つけた名刺で連絡を取り、カフェで会うところまで話が一気に進んでいる模様。ものすごく積極的に動く主人公ですね。

ここで思い出してほしいのは、主人公が最初にタキCをカフェで見たとき「かっこいいかも」と言っていたこと。タキCのルックスがもし並以下だったなら、カフェのオーナーにパソコンを預けて話は終わっていたことでしょう。……「イケメンバンク」ですからそこにつっこむのは野暮なのですが、なんかこう、貯金箱にまで現実の世知辛さを教えられるとは思ってもみませんでした。


「ほんとうに、ごめんなさい。メイシを見つけるまで、誰のものかわからなくて、連絡が遅れちゃって!」
「いや…」
「一生懸命、パソコンも見たんですけどぜんぜんわからなくって!」
「パソコンを見た?」
「でも、電源を入れただけで中はさわってません」
「ログインしたのか!?」
「むちゃくちゃに、キーを叩いてたら、勝手に画面が変わって…」
「…偶然…か? いや、まさか…スパイ…?」

話は主人公が勝手にパソコンを見た、というところに移ります。

当然ですがログインできたということにタキCは驚きまくり。やっぱそうですよね。僕が間違っているわけじゃなかった。この主人公の勘の良さが異常なのです。

しかし、主人公もさることながら、「スパイ…?」と言い出すタキCも、これはこれでわりとファンタジックな脳をお持ちのようです。


「え? 何か言いました?」
「…いや、なんでもない。ところで、きみはパソコンが得意なのか?」
「いえ、まさか! パソコンも買ったばかりでどう使うか、わからなくて困ってるくらいです」
「なるほど…」
「よければ、キミにパソコンを教えてあげようか?」
「えっ!?」
「これも、ご縁だよ」
「それじゃ、よろしくお願いします!」
あたしはウキウキ気分でタキCさんにぺこりと頭を下げた


さらに話は急展開。なぜかタキCが主人公にパソコンを教えるということに。さすが、イケメンは仕事が早いですなあ!

どう考えても唐突すぎるナンパなのに、「これも、ご縁だよ」の一言で相手を納得させるその手腕、タキCは相当なやり手とみました。

もう最後の方とか、主人公は完全にタキCのイケメン光線にやられてしまっていますけど、僕は決してやつのイケメンスマイルに騙されることなく、これからも戦い続けようと思います!

マルコ
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