イケメンと同じセリフをネットでつぶやいてみたら、それは地雷だった
たまに佳境に入ったかのような気配を放ちつつも、一向に終わりを迎えないイケメンバンク、タキCとの同棲生活、さすがにそろそろタキCの過去とかそこらへんに触れてほしいところです。
ということで今回は前回の続きから。
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もう完全にノロケです。
……何が「照れちゃってまともにタキCの顔が見れないよ」だ! よく考えるんだ、タキCが本当はどういうやつなのかを。パソコンを教えるとかいう詐欺くさい理由をつけて見ず知らずの主人公の自宅へ不法侵入し、そのまま不法占拠、おまけに半強制的に主人公を監禁し、自分はビタ一文生活費を払うことなく、あまつさえ漫画を買う小銭すらたかる始末! 罪状いくつあるんだよ!
さらにはこいつ、たまに500円入れると調子に乗って、「なあ、新しいパソコンが欲しいよ」とか言い出すんですよ!? そのまま3分放置するとキレるので仕方なく500円入れてやると、「ありがとう、おかげで新しいパソコンが買えたよ」とかぬかしやがる。500円でパソコンが買えますか!? EeePCだってその100倍のお金がかかるわ!
――すみません、あまりの事態にちょっと取り乱してしまいましたが、なんとこの回はこのノロケだけで終わりです。
あまりにも進展がなさすぎですし、なんかちょっと勝手に貯金箱の中でいちゃついているのを見せられるのが腹立たしいので、もう一話見ていきましょう。一話進めるのにだいたい1500円ぐらいかかるのが何ともアレな感じですけども。
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タキC……なんで急に熱く語り出したの……?
個人的に、“相手を無視して自分の話を熱く語る男は100%女性に嫌われる”という持論を有する僕ですが、これまでクール、というかもはやネクラの域に達していると思われたタキCが突然人が変わったようにぶつぶつ言いだしたのにはびっくりです。いや、あくまで独り言だから、ネクラという性格自体は何も変わっていないのか。
それにしてもこいつのつぶやきの内容が酷い。
ここだけもう一度引用すると、
「この赤飯には、お前の心がこもってるんだな。相手のことを考えてるお前の心が…。いままで、そんなことをかんがえて、カイシャを経営してきたことはなかった…。チチから引き継いだカイシャを、数字だけしか見ていなかった。カイシャも、リョウリも同じだ。キモチのこもっていないものは誰の心もゆさぶらない…だから、なのか…?」 |
まず会社を経営するにあたって相手のことを考えたことがない、というのはいくらボンクラ2代目としてもアウトですし、それに気づいたならそろそろお前会社に戻れよ、と思いますし、むしろ今までそれでよく人生渡ってこられたな、とも思います。
ちなみにこの発言を僕がするとどうなるのかちょっと興味があったので、140文字制限で自分の気持ちをリアルタイムにつぶやけるウェブツール「Twitter」(よかったらフォローしてね!)を使って、この記事を書く前にまったく同じ文章を投稿してみたんですけど、数時間放置していたにも関わらず誰からもリアクションはありませんでした。
たぶん、「何このめんどくさいやつ……」と思われたに違いありません。なんかほんと、ごめんなさい……。
ということで、これまでにないほどの長文で急にキャラを変えてきたタキC、さすがにそろそろ佳境か!? と淡い期待を抱きつつ、次回へ続きます。
骨肉の争いで急にドロドロしてきたイケメンとの同棲生活
さて、なんか「もう終わるもう終わる」と言いながらさっぱり終わらないイケメンとの同棲生活ですが、
そろそろ主人公とタキCのノロケを見るのも苦痛になってきたな……と思っていたところで、どうやら急展開を迎えたようです。
←そろそろ皆さんタキCの顔を忘れた頃じゃないかと思うので参考までに。
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最後の「…なんでも…ない」でなぜかちょっとキバヤシを思い出してニヤニヤしてしまったのですが、それはともかく何だか面白そうな展開になってきましたよ! これまでさんざんタキCの傍若無人な振る舞いにいい加減腹が立っていた僕としてはそろそろやつにきついお灸を据えてやらなければと思っていたところですのでこの鬱展開は望むところ! さあ、何があったんだ? ん? 言ってみな?
「そんな様子のタキCを見てるのに、心配するなっていう方がムリだよ!」 そしてタキCは重い口を開いて、自分のことを話してくれた。 タキCは、あたしでも知ってるくらい有名なIT企業のシャチョウだった。 それは亡くなったお父さんから継いだもので業績もよく、何も問題なく、経営をしていた。 それなのに、社員の引き抜きが始まり、株の買い占めなんかもされちゃったらしい。 その相手はタキCのおニイさん。 |
要約:ダメな二代目が女性の家に入り浸って会社のことを放置した結果、社員が愛想を尽かし始めた。
……という解釈で合ってますよね?
パソコンに疎い主人公が知っているレベルのIT会社というと、たとえばマイクロソフトとかYahoo! Japanとかでしょうか。あるいは楽天とかmixiとか。……いずれにせよタキCが社長という時点で会社の先行きは見えたような気がしますけど。
沈む運命にある泥舟から逃げ出すのは当然のことなので、引き抜きに応じた社員はまったくもって正しい判断をしているとしか言いようがないのですが、タキCにはそれが理解できない様子。
「アニは、自分がカイシャを譲られなかったことを恨んでいるんだろう」 「そうなんだ…」 「業績も伸びているんだ、カイシャに不満があるはずもない。それなのに…どうして社員たちはアニのカイシャに引き抜かれるんだ! あげくに、恋人までもアニに奪われてしまった。いったい、ワタシのどこが悪いんだ! どうしてなんだっ! そこまで、ワタシはダメなやつなのかっ!」 |
……ええと、いちいちツッコむのも面倒なので、太字にしたところについては各自自由にツッコんでいただければと思うのですが、それにしても話が進めば進むほどタキCのダメっぷりが浮き彫りになる一方ですね。
今のところこいつの長所が「金持ちである」というその一点しかないわけですが、それってつまり有名な恋愛カウンセラーがこの物語を「女性の理想の恋愛」に認定していることから考えて、「恋愛=金」と結論づけられるということでしょうか。そんな厳しい現実を突きつけられるために僕はこの数ヶ月間イケメンと生活してきたというのでしょうか……。
「タキC!」 あたしは、とっさにタキCの背中に抱きついた。 「タキC、そんなふうに焦っちゃダメだよっ! 大丈夫、タキCは少しヒトづきあいがヘタなだけなんだから。そのままのタキCでも、大丈夫だからね」 あたしはタキCの大きな背中にしがみつくようにして、強く強く抱きしめた。 |
最初は真人間だった主人公ですが、タキCと生活するようになってから確実に人としてのランクが下がってきているようです。不法侵入された上、監禁状態にされたことをもう忘れたのでしょうか。
もしあれがタキCにとっての“恋愛のかけひき”なのだとしたら、それって“少し人付き合いがヘタなだけ”というレベルの問題ではないと思うのですけど。どう考えても“そのままのタキC”では兄貴に会社を乗っ取られて終わりです。
……ただ、むしろその方がタキCにとっても会社の従業員にとってもハッピーエンドであるという可能性は否定できませんが。
ということで次回はタキCがどんな醜態をさらしてくれるのか今から楽しみですね!
そうそう、読者の方からこんなメールをいただいていたのでご紹介。
イケメンバンクにはアラーム機能が付いていますけど、使ってないんですか? |
えっ……?
アラーム機能……?
次回へ続く。
イケメンとの同棲生活が、思わぬ形でラスボス戦へと突入した!
はい、どーも!
かなりご無沙汰しておりましたイケメンバンクレビュー、人格破綻イケメンことタキCとの同棲生活は、まだまだ続いております。
最近「佳境に入った」みたいなことを何度も書きつつ、一向に終わる気配がないのが気になったので、ちょっと調べてみました。
……すると、今回の更新で合計77枚の500円玉を貯金していることが判明しましたので、つまりゴールとなる5万円(100枚分)が貯まるまでにはあと23枚の500円玉が必要であり、一話あたりだいたい500円玉3枚を消費することを考えると、残り4話ぐらいでタキCとの同棲生活も終了するのかな……という感じです。
いい加減この連載にも飽きたわ……という方も多いかと思うのですが、もうちょっとなので良かったらお付き合いくださいませ。
―― さて、だいぶ間が空いてしまいましたので、これまでのあらすじはまとめページで思い出していただくとして、今回はタキCが経営している会社を実の兄に乗っ取られそうになっているという告白をしたところから続きを見ていこうと思います。
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今さら何を言う! とツッコミたくてしょうがない台詞のオンパレードですが、それでもずいぶん成長したなタキC……と思うぐらいに初期のコイツは酷かったので、なんかちょっと感慨深いものがあります。いや、それでもまだまだ人としてはやっとスタートラインに立ったレベルなんですけどね……。
世界名作劇場の悪役ばりの改心っぷりを見せたところで、タキCはようやく自分を奮い立たせ、兄貴と戦う決意を固めます。
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はい、もうこの部分は単なるノロケなのでさっさと飛ばして次に行きたいところなのですが、いちおう誰も覚えていないと思われる「スパイ」の伏線を拾っているのは注目したいところ。とはいえ、ぜんぜんたいした伏線ではなかったので拍子抜けですけど。
なお、最後の「髪をくしゃっ」というのは、女性がされると嬉しいスキンシップ第1位(僕調べ)である鉄板の愛情表現なわけですが、当然誰がやってもいいわけではないので注意が必要です。
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こんな頑張るタキCはタキCじゃない! と言いたいところですが、逆に考えれば今まで知り合ったばかりの女性の部屋に転がり込み、出社もせずにすべての業務をPCで済ませていたことが社長としてありえないわけで、決して現在のタキCが立派なわけではありません。そこを勘違いしてはいけないのです。
そして気になるのはタキCの「結果」という言葉ですが……。
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何だかRPGのラスボス戦みたいな空気が漂ってきましたが、どうやら話の流れ的にもこの株主総会が最後のエピソードとなりそうな予感がします。
そしてもう主人公とタキCの二人はこの時点で完全に出来上がってしまっているので、二人の仲については今後崩れるようなことはなさそうですね。とてもつまんないです。
もっとこう、株主総会で退陣させられたタキCを見限った主人公がタキCの兄貴に乗り換えるとかしたら、これまでの歯がゆい展開をすべて吹き飛ばす神シナリオになるんじゃないかと思うのですけど。
そんなこんなで何度も同じこと書いてますけど、今度こそ本当の本当に佳境です。
男だけど、イケメンと結婚することになった
おう! ご無沙汰!
……。
えー……。
大変長らくお待たせしてすみません。
去年の誕生日にもらったイケメンバンク。
何だかんだでダラダラやっているうちにいつの間にか1年が経ってしまっていましたが、タキCとの同棲生活もいよいよラストが近づいてきました。
500円を貢ぐのを何日か忘れたことで、幾度となく繰り返した悲しい別れ……そして、忘れた頃に突然やってくるイケメンバンク本体の電池切れ。
……などに見舞われて若干やる気を失ったりしたこともありましたが(というか何で電池切れたら全部リセットなんだよ!)、とうとうここまでやってきました。
この記事からご覧になった方はわけがわからないと思いますので、お時間あればまとめページからこれまでの流れをどうぞ。
お時間ない方のためにサクッとご説明しておくと、こんな感じです。
突然始まったイケメン・タキC(命名:僕)との同棲生活……という名の監禁生活。仕事に行くことも外出も禁止され、自宅から出られないという恐怖の日々を過ごす主人公だったが、だんだんとそんな異常生活にも慣れ、あろうことか自分を監禁したタキCに惚れ込んでしまう。どう考えてもストックホルム症候群じゃねーか! というツッコミもむなしく、深い絆で結ばれていく主人公とタキC。 そんな折、タキCが経営している会社が実の兄に乗っ取られようとしていることが発覚。主人公のおかげでやっと人としての最低限の常識を身に付け始めたタキCではあったが、時すでに遅し。彼の進退を決める最後の戦い「株主総会」が幕を開けた――。 |
……とまあ、やや僕のフィルタがかかった解説になってしまいましたけど、ここまでご覧の皆さんならおわかりの通り、別に間違ってはいないはずです。
さて、そしてとうとう今回で長かったイケメンとの同棲生活も最終回。
最後は一挙4話掲載となります。
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……何やら途中でものすごくかっこいいセリフをタキCが吐いているようですが、これまでの経過を知っている僕たちにはまったく響いてきません。感動しているのは主人公だけです。
というかこいつは一度徹底的に挫折した方がいいと思うので、株主総会で退任が決まるのも良い薬になるんじゃないかと思うんですよね!
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このままタキCが落ち込んだ顔で帰ってきて主人公が励ましてハッピーエンド……かと思っていたら、ここでまさかの急展開。そういえば今まで説明してなかったかもしれませんが、ユキチというのは二人が飼っていた犬の名前です。……犬にまで金にまつわる名前を付けなくても……。
それはともかく、実はユキチの首輪に手紙が仕込まれていたことに気づいた主人公。もし現実にそんなことがあったとしても、「だから?」という感じですが、しかしどうやら今回はこの手紙が物語の最後のキーになりそうです。
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いや、アンタは関係者じゃないよね!?
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タキCの兄貴も誰に似たのかかなり嫌なヤツみたいですが、しかし主人公の屁理屈もむちゃくちゃです。
「タキCの退任はあたしが許さない!」という根拠が、「タキCは変わったの。ヒトを思いやる心を知ったってこと」って……そんな話を株主総会で持ち出されても……そりゃ兄貴も「その話は後日」って言いますよね。
しかし、言いたいだけ言った主人公はここで切り札を放ちます。
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ええー!? あ……さっきの「関係者」ってそういうことかよ!
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そりゃこんなことになったら、「バカな……」としかリアクションできませんよね!
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……いやちょっと待って!?
何か良い話みたいにまとめようとしていますけど、もうちょっと冷静に考えてみよう?
そもそもユキチが何で主人公のところにきたか、というエピソードを僕はぜんぜん覚えてないんですけど、何かそれっぽい話ありましたっけ? それとももしかして僕が気づかず飛ばしてしまっていたのでしょうか……。
いずれにしても、おそらく捨てられていたユキチを拾って主人公が飼うことにしたということなのだと思いますが、その元の飼い主がたまたまタキCの経営する会社の株券5%分を持っていた、ってそれどんだけ天文学的な確率だよ!
いやまあ、イケメンバンクに今さらリアリティを求めても詮無きことではありますが……。あとこの主人公はそもそも第一話でタキCのパソコンのパスワードを偶然探り当てたというミラクルな運の持ち主だし……まあ、ありっちゃありか……。
――と、ここで僕がこれまでに貯金した枚数を確認すると、ジャスト100枚!
ということは……。
そしてついに! |
エンディングきたー!
タキCとケッコンして、いま、あたしはニューヨークに住んでいる。 あたしは優雅に… |
え? おいおい、いきなり話が飛んだな! しかもニューヨークて!
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忍者屋敷かよ!
……というかこれってエンディングのはずなんですが、まだ何か一波乱あるのでしょうか。
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ここへきて新事実! タキCはマンガオタ!
……あれっ、でもそういえば結構前にタキCが主人公にマンガを買ってほしいってねだるエピソードがあったような……。なんか微妙な伏線回収だなオイ!
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最後の最後までわけのわからないことをのたまうタキC。
「…嫌わせないから、な」
↑ここで鳥肌が立ったのは僕だけではないと信じたいです。
――そして……。
「わかった」
タキCはうなずいてから仲直りのキスをくれる。
――ちゅ(ハート)
タキCと一緒の、幸せな日々。
完
……お……。
終わったーーー!
やっと終わったーーー!
長かった……実に長かった……正直、こんなに続けるつもりじゃなかった……。
うーん……色んなことがあったなあ……。
ええと、例えば……。
……。
……。
ぜんっぜん、思い出せない……。
ヤバイ、一年もやってたのに、ストーリーが薄すぎて何も覚えていない……。
唯一、タキCがとんでもなく嫌なヤツだったということだけは記憶しているのですが、それ以外の諸々が脳内から綺麗に消え去ってしまっています。
自分で書いたログを読み直すのも面倒なので、もうこのまま感想も何もなしにフェードアウトしようと思いますが、とりあえずイケメンとの同棲生活を通して女性の理想の男性像を学び、自分の恋愛に役立てようという企ては、この一年間を振り返る限り、ものの見事に失敗したと言わざるを得ません。
無理だったんや! 最初からイケメンバンクを参考にするってこと自体に無理があったんや!
……とまあ、そんなわけでここまでお付き合いいただいた皆さん、ありがとうございました。
タキCとはこれでお別れですが、もし皆さんが再びタキCと会いたくなったら……そのときはぜひ、デパートのオモチャ売り場に行っていただければと思います。