カフェオレ・ライターのforkN出張エッセイ

その3( 16 / 16 )

【2009年10月25日】

男だけど、イケメンと結婚することになった



おう! ご無沙汰!

……。

えー……。

大変長らくお待たせしてすみません。

去年の誕生日にもらったイケメンバンク。

何だかんだでダラダラやっているうちにいつの間にか1年が経ってしまっていましたが、タキCとの同棲生活もいよいよラストが近づいてきました。

500円を貢ぐのを何日か忘れたことで、幾度となく繰り返した悲しい別れ……そして、忘れた頃に突然やってくるイケメンバンク本体の電池切れ

……などに見舞われて若干やる気を失ったりしたこともありましたが(というか何で電池切れたら全部リセットなんだよ!)、とうとうここまでやってきました。

この記事からご覧になった方はわけがわからないと思いますので、お時間あればまとめページからこれまでの流れをどうぞ。

お時間ない方のためにサクッとご説明しておくと、こんな感じです。

突然始まったイケメン・タキC(命名:僕)との同棲生活……という名の監禁生活。仕事に行くことも外出も禁止され、自宅から出られないという恐怖の日々を過ごす主人公だったが、だんだんとそんな異常生活にも慣れ、あろうことか自分を監禁したタキCに惚れ込んでしまう。どう考えてもストックホルム症候群じゃねーか! というツッコミもむなしく、深い絆で結ばれていく主人公とタキC。

そんな折、タキCが経営している会社が実の兄に乗っ取られようとしていることが発覚。主人公のおかげでやっと人としての最低限の常識を身に付け始めたタキCではあったが、時すでに遅し。彼の進退を決める最後の戦い「株主総会」が幕を開けた――。

……とまあ、やや僕のフィルタがかかった解説になってしまいましたけど、ここまでご覧の皆さんならおわかりの通り、別に間違ってはいないはずです。

さて、そしてとうとう今回で長かったイケメンとの同棲生活も最終回。

最後は一挙4話掲載となります。


タキCは一生懸命がんばった。

その後、3日でタキCのもとにもどってきてくれた、社員や顧客もたくさんいた。

でも結局現時点での大株主はおニイさんとなってしまった。

「さてこれから総会までカイシャに泊まり込む」

株主総会は明後日のお昼。

残りはあと1日しかない。

「がんばってねタキC…!」

「だいじょうぶ…だ」

「たとえ、負けるのがほとんど決まっていてもオトコは、戦わないといけないときもあるんだ。負け戦におびえて、尻尾を巻いて逃げるようなオトコは…、愛する女性の前に立つ資格などないと、ワタシは思っている」

タキCは、あたしをじっと見つめた。

「さあ…! いってくる」

「あっ…待ってタキC!」

「株主総会が終わったら、またここに戻ってくる」

…タキCはそのまま…でかけていってしまった…。


……何やら途中でものすごくかっこいいセリフをタキCが吐いているようですが、これまでの経過を知っている僕たちにはまったく響いてきません。感動しているのは主人公だけです。

というかこいつは一度徹底的に挫折した方がいいと思うので、株主総会で退任が決まるのも良い薬になるんじゃないかと思うんですよね!

タキCを見送って、あたしはユキチと部屋の中で待つ。

もしかしたら、残りの1日で、タキCのもとに戻ってくれるヒトがいるかもしれない。

「今、おニイさんが30%の株を持っているんだよね。タキCは25%。おニイさんを超えるように、誰かがタキCの味方になってくれたらいいのに!」

でも、そんなヒト、どこにいるんだろう?

もう、できるだけのヒトたちにタキCはお願いをしている。

あたしが、ものすごくお金持ちだったら、カイシャの株をたくさん集められたかもしれないよ。

あたしは、悲しい気分になって、ユキチの首元に顔をうずめる。

「わうーわうっわうわうっ!」

あれ…? なんだか、ユキチの様子が変だよ。

「首輪がかゆいの?」

首輪を外すと何だかベルトの一部に妙なふくらみが。

「???」

何だろう、何かが中に入ってる?

「なに、これ?」

出てきたのは小さく折りたたまれた手紙。

「えっと…『ユキチの面倒をみてくれている方へ。わたしは、フクザワ財閥の…』うそ、そんなことが…!?」

驚いて、ユキチを見る。

「ありがとう…ユキチ!」

もしかしたら…タキCが助かるかも!

あたしはユキチの首輪の中にあった手紙を握りしめた。

そして、急いで部屋を飛び出したのだった。


このままタキCが落ち込んだ顔で帰ってきて主人公が励ましてハッピーエンド……かと思っていたら、ここでまさかの急展開。そういえば今まで説明してなかったかもしれませんが、ユキチというのは二人が飼っていた犬の名前です。……犬にまで金にまつわる名前を付けなくても……。

それはともかく、実はユキチの首輪に手紙が仕込まれていたことに気づいた主人公。もし現実にそんなことがあったとしても、「だから?」という感じですが、しかしどうやら今回はこの手紙が物語の最後のキーになりそうです。

「ユキチ、急ごう!」

「ワンっ!」

あたしはユキチと一緒に、タキCのカイシャの、株主総会会場へと向かう。

……

その頃、株主総会の会場ではタキCの退任を迫るケツギに入っていた。

「タキC、おまえにはカイシャを導く力が足りない」

「ワタシはそうは思わない」

タキCの前には、血を分けた実のアニ。

けれど二人の間には、未だ深い溝がある。

「このカイシャの筆頭株主はオレだ。そのオレが、お前に退任を要求する!」

「……っ」

ざわめく会場。

そのとき、会場の入り口で、警備員の騒ぐ声が聞こえた。

「カンケイシャ以外立ち入り禁止です!」

「だからーっ、あたしはカンケイシャなんだってば!

あたしは警備員の手を振り払う。

「タキC!」

「あっ……!」

いや、アンタは関係者じゃないよね!?

「タキCの退任はあたしが許さない!」

「キミはタキCの知り合いか? ここはオンナのコが遊ぶ場所ではない。さっさと立ち去りなさい!」

「タキCは変わったの。ヒトを思いやる心を知ったってこと。あなたはまだ知らないだけ」

「その話は後日、聞こう。今は、株主総会で重要なケツギをしている最中だ」

タキCの兄貴も誰に似たのかかなり嫌なヤツみたいですが、しかし主人公の屁理屈もむちゃくちゃです。

「タキCの退任はあたしが許さない!」という根拠が、「タキCは変わったの。ヒトを思いやる心を知ったってこと」って……そんな話を株主総会で持ち出されても……そりゃ兄貴も「その話は後日」って言いますよね。

しかし、言いたいだけ言った主人公はここで切り札を放ちます。

「おニイさん、あなたの所有するカイシャの株は、何パーセントですか?」

「32%だが?」

「タキCは?」

「ワタシは30%まで取り戻したが何の話をしてるんだ?」

「ユキチの首輪には、もとの買い主のテガミが入っていたの。ユキチの世話をしてくれた人には、何でも好きな希望を叶える…。その人のところへ行ったら、あるカイシャの株券の委任状を預かったの。きっと必要だから。そう言って渡されたの。タキC、5%分の株券の委任状だよ」

ええー!? あ……さっきの「関係者」ってそういうことかよ!

「バカな…」

驚いた顔のおニイさん。

そりゃこんなことになったら、「バカな……」としかリアクションできませんよね!


「ありがとう! タキCは壇上から駆け下りてくると、みんなの前であたしを抱きしめた。

「…タキC!?」

「ありがとう、ぜんぶキミのおかげだ」

タキCはヒトの目なんか気にしていない様子で、あたしを強く抱きしめ続ける。

シーンとした会場の中、突然ひとつのハクシュが響いた。

「はははっ!」

それは明るい笑い声をあげた、タキCのおニイさん。

「タキC! おまえ…いつからそんなに、人間くさくなってたんだ? 愛想がなくてヒトの心がわかっていないオトコだと思っていたが、どうやら本当に変わったらしいな」

おニイさんのハクシュに続いて他のヒトからもハクシュが響き始める。

「本当にありがとう」

「よかったね、タキC!」

あたしもタキCの背中に手を回し、強く抱きしめ返した♪


……いやちょっと待って!?

何か良い話みたいにまとめようとしていますけど、もうちょっと冷静に考えてみよう?

そもそもユキチが何で主人公のところにきたか、というエピソードを僕はぜんぜん覚えてないんですけど、何かそれっぽい話ありましたっけ? それとももしかして僕が気づかず飛ばしてしまっていたのでしょうか……。

いずれにしても、おそらく捨てられていたユキチを拾って主人公が飼うことにしたということなのだと思いますが、その元の飼い主がたまたまタキCの経営する会社の株券5%分を持っていた、ってそれどんだけ天文学的な確率だよ!

いやまあ、イケメンバンクに今さらリアリティを求めても詮無きことではありますが……。あとこの主人公はそもそも第一話でタキCのパソコンのパスワードを偶然探り当てたというミラクルな運の持ち主だし……まあ、ありっちゃありか……。



――と、ここで僕がこれまでに貯金した枚数を確認すると、ジャスト100枚!

ということは……。

そしてついに!

エンディングきたー!

タキCとケッコンして、いま、あたしはニューヨークに住んでいる

あたしは優雅に…

え? おいおい、いきなり話が飛んだな! しかもニューヨークて!

ゴォォォ…!

これが終わったらおセンタクだよね!

タキCはハウスキーパーを雇えばいいっていうけど、これくらいできるもん。

「あれ…?」

部屋の隅まで掃除機をかけてる途中に、壁との間に不思議な隙間を見つける。これなんだろ?

「きゃっ!」

なに? 壁が動いた!?

あたしはびっくりしながらも、そっとの壁の向こうの空間に足を踏み入れる。

忍者屋敷かよ!

……というかこれってエンディングのはずなんですが、まだ何か一波乱あるのでしょうか。

すると、そこには一面の本棚!

「何これ?」

よく見れば、本棚には大量の少年マンガが綺麗に並べられている。

「何これー?」

「…見つけてしまったか…」

「タキC!?」

背後からしたタキCのコエ。いつの間に、帰ってたんだろう!?

「隠していたのに…」

そういえば、タキCって少年マンガがスキだった!

「キミはよくよく、ワタシのヒミツを知る運命にあるらしいな」

「んもぅ、こんなところに隠してなくてもいいじゃない」

「さすがにちょっと恥ずかしかったんだ」


ここへきて新事実! タキCはマンガオタ!

……あれっ、でもそういえば結構前にタキCが主人公にマンガを買ってほしいってねだるエピソードがあったような……。なんか微妙な伏線回収だなオイ!

「別に、少年マンガを集めてるくらいで、タキCをキライにならないよ」

「当たり前だ、ワタシほど、キミを愛してる人間はいないからな。だからワタシ以上に、キミを幸せにできるオトコもいない。しかるに、嫌われるわけがない。…嫌わせないから、な」

最後の最後までわけのわからないことをのたまうタキC。

「…嫌わせないから、な」

↑ここで鳥肌が立ったのは僕だけではないと信じたいです。


――そして……。

「わかった」

タキCはうなずいてから仲直りのキスをくれる。

――ちゅ(ハート)

タキCと一緒の、幸せな日々。


……お……。


終わったーーー!


やっと終わったーーー!


長かった……実に長かった……正直、こんなに続けるつもりじゃなかった……。


うーん……色んなことがあったなあ……。


ええと、例えば……。



……。



……。



ぜんっぜん、思い出せない……。


ヤバイ、一年もやってたのに、ストーリーが薄すぎて何も覚えていない……。

唯一、タキCがとんでもなく嫌なヤツだったということだけは記憶しているのですが、それ以外の諸々が脳内から綺麗に消え去ってしまっています。

自分で書いたログを読み直すのも面倒なので、もうこのまま感想も何もなしにフェードアウトしようと思いますが、とりあえずイケメンとの同棲生活を通して女性の理想の男性像を学び、自分の恋愛に役立てようという企ては、この一年間を振り返る限り、ものの見事に失敗したと言わざるを得ません。

無理だったんや! 最初からイケメンバンクを参考にするってこと自体に無理があったんや!


……とまあ、そんなわけでここまでお付き合いいただいた皆さん、ありがとうございました。

タキCとはこれでお別れですが、もし皆さんが再びタキCと会いたくなったら……そのときはぜひ、デパートのオモチャ売り場に行っていただければと思います。



その4( 1 / 1 )

今さらだけど、十二支の“龍”っておかしいだろ

 十二支ってあるじゃないですか。

ちなみに今年はうさぎ年なわけですけど、この十二支を子どもの頃に「ねーうしとらうーたつみー」って口ずさんで覚えた人も多いはず。そんで後半の方がちょっと曖昧になって「さるとりいぬいー」なのか「とりさるいぬいー」なのか微妙に覚えきっていないという人もいるはず。まあそれは僕のことなんですけど。

で、この十二支、正確に書くと「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」となっていて、それぞれ十二の動物を表しています。

子(ね)=ねずみ
丑(うし)=牛
寅(とら)=虎
卯(う)=兎
辰(たつ)=龍
巳(み)=蛇
午(うま)=馬
未(ひつじ)=羊
申(さる)=猿
酉(とり)=鶏
戌(いぬ)=犬
亥(い)=猪

昔はこれを見ても特に何も思わなかったのですが、最近になってふと思ったことがありまして。


龍って何だよ、と。 


ねずみとか、牛とか、馬とかの中になんで龍が入っているんだ、と。 


だって、ねえ。龍っていったら、どっちかっていうと、ツチノコとかネッシーとかの業界の方じゃないですか。 


こんな「十二支」なんていうパンピーの集まりに、いてはいけない存在じゃないですか。 


ほら、もう一回見てくださいよ。


子(ね)=ねずみ
丑(うし)=牛
寅(とら)=虎
卯(う)=兎
辰(たつ)=龍
巳(み)=蛇
午(うま)=馬
未(ひつじ)=羊
申(さる)=猿
酉(とり)=鶏
戌(いぬ)=犬
亥(い)=猪 


こんなんもう、全員が龍の食料ですよ。 


牛とか真っ先に喰われますよ。ドラゴンファイアーで良い感じにウェルダンですよ。 


あと、龍さえいなければ十二支の王者として存在感を放つことができたであろう虎の立場もちょっとは考えてあげてください。 


だからもう、逆に十二支はこんな感じにしたらいいと思います。


子(ね)=鉄鼠(平安時代の僧・頼豪の怨霊とネズミにまつわる日本の妖怪)
丑(うし)=ミノタウロス(ギリシア神話に登場する牛頭人身の怪物)
寅(とら)=水虎(湖北省の川にいたという妖怪)
卯(う)=ジャッカ・ロープ(中世ヨーロッパの悪魔の使徒。角のある兎)
辰(たつ)=龍
巳(み)=ツチノコ
午(うま)=ペガサス
未(ひつじ)=クヌム(古代エジプトに伝えられている創造神の一人。羊の頭をした人)
申(さる)=猿神(日吉神などの太陽神の使者とされるサルの化身)
酉(とり)=妖鶏(鶏の妖怪)
戌(いぬ)=ケルベロス
亥(い)=猪八戒 


ほら、しっくりきた! むしろちょっと龍が埋没している感すら出てきた! 


……とまあ色々好き勝手書いてきましたが、そういえばちょっと前にめっちゃ流行った動物占いでも猿とか狼とかの中にしれっとペガサスが交じっていましたし、あんまりそういう細かいことを気にするのはやめようと思います。




でも動物占いでもやっぱり虎がペガサスに存在感を食われているということ、不憫すぎるので覚えておいてあげてください。

その5( 1 / 1 )

人を信じるということの難しさ

「俺、もう人を信じないことにしてるんだよね……」

高校時代、遠い目で窓の外を眺めながらそんな風につぶやいていた堀内くんという友だちがいました。

当時は「な、なんかこいつカッコイイぞ……!」と思いましたが、現代なら「地獄のミサワか!」の一言で中二病認定食らって終了です。

でもね、ちょっと考えてみてほしいのですけど、逆に「人を信じて生きていく」というのは、意外とすごいことなんじゃないかと思うのです。

というのもですね、こないだ野球部の練習風景を見たのですが、



こういうポジションでノックをやっていたんです。


BがAに球出しをして、それをAがカキーンと打ち返すわけですが……。


これ、自分がBだとしたらめっちゃ怖いと思うんです。


だってAとBの間には遮るものが一切ないんですよ?

いや、たしかにね、AはちゃんとBの横のネットに向けて返していましたよ。

だから見た目的にはすごく平和な練習風景でした。

でも、でもね。

これってBのAに対する絶対的な信頼がないとできない練習だと思うんです。

だってAの手元がちょっと狂うだけで、この至近距離から金属バットで打ち返された鋼球がBを直撃するかもしれないんですよ。当たり所が悪かったら死にますよこれ。

あるいはそんなつもりはなくても、Aの頭に一瞬でも「流し打ちの練習もしないとなー」なんて考えがよぎって、それが無意識にでもスイングスピードに反映されてしまったら、Bはアウトですよ。文字通り、デッドボールですよ。

何気ない練習風景に見えますが、実はこの状況、Bの命はAが握っているといっても過言ではないわけです。

そんな状況で人を信じる――これはすごいことだと思うのです。

あるいは、美容室でのヘアカットを思い浮かべてください。

美容室、みなさん何気なく利用されてますけど、考えてみれば超無防備な状態で刃物を持った相手に喉元をさらけ出してるわけですからね。

映画の「スウィーニー・トッド」で理髪師が客の喉をカミソリでかっさばくシーンがありましたけど、あれと同じで僕らは美容室に行くたびに小一時間ほど美容師に命を握られていることになるのです。

さらに、そんな状況であるにも関わらずヘアカットの途中で眠っちゃう人がいるとか、もうね、すごすぎます。

どんだけ信頼しているんだ、と。今目の前でハサミを振り回している相手に対して、どんだけ全幅の信頼を寄せているんだと。


そんな風に考えてみると、「人を信じる」って実はすごいことなんじゃないかと思うんですよね。

そして、それだけに「信頼を裏切られるような出来事」に遭遇してしまったら、それまでの幻想が崩れ去って、それこそ冒頭でご紹介した堀内くんのように「俺、もう人を信じないことにしてるんだよね……」みたいなことをつぶやくようになってもおかしくはないと思うのです。

そう、堀内くんだって、最初からそんな風に思っていたわけじゃないはずなんです。

何か「人を信じられなくなる」ような出来事がトラウマになって、そんなことを言っているのだと思うのです。

堀内くん、君の過去にいったい何が?


「小学校の頃さぁ」

「うん」

「修学旅行の日にさぁ」

「うん」

「お母さんが朝起こしてくれなくて」



理由、薄っ!

その6( 1 / 1 )

ウザい文章が書きたい

昨日妹と話していて「ウザい文章ってどんなのだろう」という話題になりまして。

いや、お前の文章はすでにウザいよと言われると反論できないのですが、ひとまずそれはおいといて。

逆に考えればウザいと思われる文章を書かないよう気を付けるためにも、ウザさの要素を分解して分析してみるのも重要かもしれないと思ったわけです。

ということでまたスカイプのログを。

マルコ:ウザさを狙って出すのは結構大変

妹:狙うと大変やな確かに

マルコ:とりあえずウザい文章を書くための土台を色々考えてみたけど

妹:うん

マルコ:「元カノに出したメールの文章」という設定がええかなと

マルコ:元カノに連絡をとるっていうその行為がすでにウザいだろ

妹:うざいなw

妹:個人的には()文字連発がウザいと思う。(笑)とか(苦笑)とか

マルコ:それもポイントやな

妹:時々使うのはええと思うけど

マルコ:俺もたまには使うかな

妹:多用がいかんのだよ多用が

妹:あとつける必要がないところにつけるのがいかんな

妹:そこいらんやん! (笑)いらんやん! っていう

マルコ:そうねw

マルコ:あとたぶん倒置法もウザいと思う

妹:たしかにw

マルコ:効果的に使えるならええけど

妹:なんでも多用するとウザイw

妹:四字熟語とかやたら使う人とか

マルコ:ああw

妹:横文字やたら使うひともうざい

妹:「リスペクト」とかそういうのね

マルコ:うん

マルコ:あとはちょいちょい自慢はさむとかな

マルコ:じゃあ書いてみるか

マルコ:元カノの名前どうする

妹:ミカ

マルコ:誰やねんw


……ということで、書いた結果、


マルコ:できた

久しぶりだね、元気してた?
ってミカは俺のアドレスなんてもう消しちゃったかな(苦笑)
それとも1年も付き合った相手だし、まだ何となく気になって消してなかった・・・って思うのは俺の自惚れ?(笑)
とにかく俺は元気だよ(^^)/
仕事はまだしてないけど、おかげで自分を見つめ直す良いきっかけになったと思ってるし、やっぱり俺は追いかけたい、夢を。
・・・なんてちょっとクサかったかな(笑)

妹:うざいな

妹:短いのにうざい

妹:特に倒置のうざさは異常

妹:結構いい出来

マルコ:()文字の連発と顔文字と倒置法でウザさを演出してみた

マルコ:さらに改良できるかな

妹:個人的には顔文字は(^O^)/のがうざい

妹:まあどの顔文字がうざいかはひとによるけどな

マルコ:ああw

マルコ:このあとお茶に誘う文章入れたいけどそこにも顔文字使おう

マルコ:よかったらお茶でも飲もうよ(^_^;)

妹:うーんw

マルコ:ちょっと違うか

妹:違うな

マルコ:b使うか

妹:bとかvも私的にはうざいなw

妹:(^^)v

妹:(^^)b

マルコ:それにするかw

久しぶりだね、元気してた?
ってミカは俺のアドレスなんてもう消しちゃったかな(苦笑)
それとも1年も付き合った相手だし、まだ何となく気になって消してなかった・・・って思うのは俺の自惚れ?(笑)
とにかく俺は元気だよ(^O^)/
仕事はまだしてないけど、おかげで自分を見つめ直す良いきっかけになったと思ってるし、やっぱり俺は追いかけたい、夢を。
・・・なんてちょっとクサかったかな(笑)
そういえば俺の夢って言ってなかったっけ?
ずっとミュージシャンになりたくてさ、最近はインターネットで色々と情報収集してるんだ(笑)
昔から俺って感性が鋭いとかよく言われてたし、自分でも向いてるって真剣に思うようになった。
最近は作詞なんかもやってて、友達に言わせればプロ級なんだって(爆)
ミカは来週時間作れる? それとも忙しいかな(笑)
よかったらお茶でも飲もうよ(^^)v
奢るから、さ(笑)
その時に歌詞の感想聞かせてくれると嬉しいな(^_^;)
ミカを想って・・・書きました♪

妹:うぜええええええええええええええええええええ

妹:もはや顔がうかんだ

妹:これを送った男の

妹:ロン毛だった

マルコ:改善点はあるだろうか

妹:「その時に歌詞の感想聞かせてくれると嬉しいな(^_^;)」の顔文字がやっぱ若干違和感あるかなー

マルコ:ふむ

妹:「よかったら」とかあればええかも

マルコ:そんな控えめだとウザさが減るかな

妹:てか(^_^;)はなんていうか怒ってるよねやっぱ

マルコ:じゃあ

マルコ:(*゚ 3゚)/

妹:違うw

妹:かわいいわw

マルコ:(v^ー゚)

妹:ああそんな感じ

妹:でもなんかかわいいw

妹:とにかくお前感想くれるだろ、な? みたいな自信があらわれるとる顔文字が合う気がする

妹:(^_-)-☆ とか

マルコ:それかw

マルコ:その時に歌詞の感想聞かせてくれると嬉しいな(^_-)-☆

妹:きもいw

妹:おんなじウィンクでも

妹:(-ω・。) はかわいい 

妹:ω効果かな

マルコ:そうやなw

妹:しかし

妹:「最近は作詞なんかもやってて、友達に言わせればプロ級なんだって(爆)」

妹:これはやばいな

妹:このうざさ…G級

マルコ:軽い自慢はウザいよなw

妹:相当重い一撃だったわ

マルコ:あと「俺」→「オレ」かな

妹:うん

マルコ:よし、じゃあ後は歌詞付けて完成!

久しぶりだね、元気してた?
ってミカはオレのアドレスなんてもう消しちゃったかな(苦笑)
それとも1年も付き合った相手だし、まだ何となく気になって消してなかった・・・って思うのはオレの自惚れ?(笑)
とにかく俺は元気だよ(^O^)/
仕事はまだしてないけど、おかげで自分を見つめ直す良いきっかけになったと思ってるし、やっぱり俺は追いかけたい、夢を。
・・・なんてちょっとクサかったかな(笑)
そういえばオレの夢って言ってなかったっけ?
ずっとミュージシャンになりたくてさ、最近はインターネットで色々と情報収集してるんだ(笑)
昔からオレって感性が鋭いとかよく言われてたし、自分でも向いてるって真剣に思うようになった。
最近は作詞なんかもやってて、友達に言わせればプロ級なんだって(爆)
ミカは来週時間作れる? それとも忙しいかな(笑)
よかったらお茶でも飲もうよ(^^)v
奢るから、さ(笑)
その時に歌詞の感想聞かせてくれると嬉しいな(^_-)-☆
ミカを想って・・・書きました♪

【キミにつながる空~Love Sky~】

雨降りの真夜中 キミからのTELが鳴り止まない
キミはまだ泣いているのかな それとも泣き疲れて fall asleep?

cry cry cry...don't cry...
もうちょっとだけキミの笑顔が見たい

Love Sky 今はまだ曇り空だけど
Love Sky いつかはキミの笑顔にDiving...

妹:うぜえええええええええええええええええ

マルコ:うざい要素全部入れた


ということで以上が完成した「元カノへの未練がましいメール」です!

各部について補足しておくと、

久しぶりだね、元気してた?
ってミカはオレのアドレスなんてもう消しちゃったかな(苦笑)
←()文字の多用
それとも1年も付き合った相手だし、まだ何となく気になって消してなかった・・・って思うのはオレの自惚れ?(笑)←()文字の多用
とにかく俺は元気だよ(^O^)/
←顔文字の多用
仕事はまだしてないけど、おかげで自分を見つめ直す良いきっかけになったと思ってるし
←言い訳、やっぱり俺は追いかけたい、夢を。←無意味な倒置法
・・・なんてちょっとクサかったかな(笑)
←()文字の多用
そういえばオレの夢って言ってなかったっけ?
ずっとミュージシャンになりたくてさ、最近はインターネットで色々と情報収集してるんだ(笑)
←自分語り
昔からオレって感性が鋭いとかよく言われてたし
←軽い自慢、自分でも向いてるって真剣に思うようになった。
最近は作詞なんかもやってて、友達に言わせればプロ級なんだって(爆)
←軽い自慢
ミカは来週時間作れる? それとも忙しいかな(笑)
←()文字の多用
よかったらお茶でも飲もうよ(^^)v
←顔文字の多用
奢るから、さ(笑)
←押し付け
その時に歌詞の感想聞かせてくれると嬉しいな(^_-)-☆
←顔文字の多用
ミカを想って・・・書きました♪
←押し付け

【キミにつながる空~Love Sky~】

雨降りの真夜中 キミからのTELが鳴り止まない
キミはまだ泣いているのかな それとも泣き疲れて fall asleep?

cry cry cry...don't cry...
もうちょっとだけキミの笑顔が見たい

Love Sky 今はまだ曇り空だけど
Love Sky いつかはキミの笑顔にDiving...

……正直わざとらしくならないラインを保ちながら狙ってウザさを出すのは結構大変だということがわかりました。

とまあそんな感じで、今回書きながら自分に心当たりがある部分がわりと多くて何回か心臓痛くなったりもしましたけど、これを教訓にがんばって自分のウザさを何とかしていこうと思います。

マルコ
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