カフェオレ・ライターのforkN出張エッセイ

その3( 10 / 16 )

【3月22日】

中二病が発覚したイケメンとの、楽しい同棲ライフを再開するよ(レビュー)


いやー、気づけばだいぶお久しぶりになってしまいましたが、イケメンバンクレビューの続きをやっていこうと思います。

さて……。

簡単なこれまでのあらすじとしては、カフェで出会ったイケメン社長タキCが、突然主人公の部屋に押しかけ、「今日から一緒に住む」と言い出し、その上「キミはこの部屋から一歩も外に出るな」とまさかの監禁宣言をかまし、しかも主人公は主人公で、「それもいいかも♪」みたいなノリで監禁を快諾。……狂った同棲生活がスタートしたのでした。

あらすじだけ見てもすでにちょっと何かが激しく間違っている気がするのですが、イケメンバンクは以前にも書いた通り有名な恋愛カウンセラーが監修していますので、激しく間違っているのはきっと僕の方なのでしょう。……たぶん。

ではそろそろタキCとの同棲生活の続きを見ていきましょう。


「なるほどねー キミは、意外にリカイが早いな」
「よっぽど、おバカだと思ってたんでしょう!」
「…とにかく、キホンを覚えてくれて助かった」
「まだ、キホンのことくらいしかできないけど、これからタキCの手伝いができるようにがんばるから」
「そうしてもらえると、ワタシも助かる。今まで、タニンと一緒に何かをするなんてことはなかったが…案外、楽しいものだな」

やっと本来の目的である“タキCにパソコンを教えてもらう”ことにたどり着いた主人公ですが、タキCの上から目線がものすごくムカつきます。そしてそれ以上に「これからタキCの手伝いができるようにがんばる」とか、すっかり飼いならされてしまった主人公に腹が立ちます。お前も、プレイヤーの分身ならもっとシャキッとせい!

あとどうでもいいのですが、タキCの最後のセリフが中二病くさくて、なんかニヤニヤしてしまいますね。というか社長のくせにそんな態度でいいのか。社員逃げるぞ。


「楽しくないよりは、楽しい方が絶対にいいよね。あたしも、タキCが楽しいと嬉しいよ」 
「なるほど。キミには、いろいろと教えられるものが、多いのかもしれないな」
タキCはうなずきながらまた本物の笑顔をつくってくれた。

……その笑顔が本当に本物かどうか、なぜ主人公にわかるのでしょうか。これまでの経緯を考えるとどう考えても偽りの笑顔に違いないと思うのですが。

どことなくハッピーエンドの空気が漂ってきたことに僕はものすごく不満なのですが、まさかこのまま終わってしまうのでしょうか……。

心配になってきたのでもう一話分進めてみましょう。

タキCがやってきてから数日。

「タキC、ちょっとだけ買出しに行きたいな」

「外に出るのはダメだ」

「お買いものをしなきゃ、食料もないんだよ。スーパーは近くだから、すぐに帰ってくるよ」

「…身内ですら信用できないのに、キミを信用しろと?」


急 展 開 !

これですよ、タキCはやっぱりこうじゃないと! そんな簡単に主人公と心を通わせるなんてタキCらしくないと思ってたんですよ。やっとデレたと思ったら再びツン! ツンデレツン! これがタキCですよ! さあ甘ったれた主人公に鉄槌を!

「…え? 身内が信用できないって、どういうこと?」

「…はっ!」

しまったという表情でタキCは口元を押さえた。

「なんでもない。食糧がないのなら、ワタシもキミと一緒に出かけよ う」


いいね、いいねー!

「…はっ!」とか、このいかにも中二病なタキCのリアクション

「触れてくれるな」みたいな雰囲気出しといて、本音は語りたくてしょうがない、みたいなこの感じ!

というかタキC、主人公が買出しに出かけたらそのまま帰ってこないんじゃないか、とか思ってるのでしょうか。ここ、主人公の部屋なのに。どんだけ病的な心配症だよ!

……いやまあ確かに、僕なら自分の部屋だろうが逃げ出して警察に駆け込みますけど、イケメンにイカれてしまってる主人公に限ってはまったく逃亡の心配はないので、タキCはそんなに心配することないと思います。

ということで、徐々にタキCの過去が明らかになってきたイケメンバンク、次回へと続きます。

その3( 11 / 16 )

【3月29日】

単なるヒモだと思っていたイケメンが本気出してきた件(レビュー)


せっかくイケメンバンクもらったからレビューするか、という安易な気持ちでスタートしたイケメンとの生活も早数ヵ月。

今では立派に我が家のインテリアの一部と化しているわけですが、そろそろいくら貯めたのかも忘れてきましたので、もう終わりが見えてもいい頃かなと思っています。

ということで今回は一挙3話分見ていくことにしましょう。

ええと、前回は主人公が食料の買出しに行こうとしたところ、タキCに「信用できない」と言われ、結局一緒に買い物に出かけたところまででしたね。タキC、何か心に傷でも持っているのでしょうか……。いやもしかすると「心に傷」→「私が癒してあげなきゃ!」というイケメンの悪知恵なのかもしれませんけど。ちなみに非イケメンが「心に傷がある」素振りを見せるのは単に面倒くさい男扱いされることになるのでお勧めできません。

「お野菜に、お米に、飲み物に、お菓子♪ いっぱい買っちゃったなー」

久しぶりの外出だったから、つい買いすぎちゃったかもしれないけど …いいか♪

「ニモツをこっちに」

「え?」

ひょい、とタキCがあたしの買ったニモツを受け取る。

「オンナのコにこんな重いニモツをもたせるわけにはいかないな」

いいのかな……? あたしとは違って、タキCは軽々とニモツを持っ てる。

「タキCって、意外と優しいんだね」

「どうやら、優しくないと思われていたようだな」

「あっ!」

「…ぶっ…、そのカオ」

「笑うことないでしょ!」

文句を言ってみるが、タキCは楽しそうに笑ったまま。

…んもうー!

タキCが本気を出してきました。

これまでの言動からは想像もつかない気配りをいきなり見せ始めたタキC。その効果は……最後の主人公のセリフ「んもうー!」を見れば一目瞭然ですよね。この主人公、完全にタキCにイカれちまいやがった……!

しかしよく考えてみればタキCがやったことは主人公の荷物を持っただけです。そんなの普通に考えればごく当たり前の行為なのですが、なぜかこれをタキCがやると「意外と優しいんだね」となる事実! これは要するに、「映画版ジャイアン現象」ですね!

※映画版ジャイアン現象とは・・・普段嫌なやつがたまに優しい一面を見せると、そのギャップで好感度が急上昇する現象のこと

そして極めつきは「…ぶっ…、そのカオ」という、普段はめったに見せない無邪気な笑顔! こういう普段とのギャップをちょこちょこ挟むことが重要なわけですね! なるほど勉強になりますタキCさん!

イケメンに学ぶモテ講座1:
普段とのギャップをうまく使って優しさを演出


それにしても、重いニモツを持っているのに、タキCは平気そう。

「タキCって、インドアの生活をしてるのに、力持ちだね」

「カラテをしていたからかな」

「それってやっぱり、自分を護るため?」

「いいや。愛するヒトができたときに護れるようにだ」

大人のオトコのヒト……なんだな。

「そこ、道が悪いから気をつけた方がいい」

「あっ…うん」

「ああ、ほら、危ないと言ってるだろう!」

タキCが、あたしの腕を引いて、歩く場所を替わってくれる。

ううー。ちょっと、ドキドキしちゃったかもしれない!


ハイ落ちた! 今主人公落ちました! 超簡単に陥落しました! イケメンパワー強えー!

なんかもう、タキCの「ニヤリ」という不敵な笑みが目に浮かぶようです。

……だいたいですね、皆さん言えますか?

「愛するヒトができたときに護れるようにだ」

とか、そういうセリフ! こういうのをさらっと言えることがモテの秘訣なわけです。

僕は無理! もうこんなセリフ、頭で考えただけで照れくさくて不可能! そんでたぶん無理して言おうとして、噛むね!

「愛するヒトができたときにミャモれるようにだ」

とか大事なところで噛んで台無しにしてしまうと思う!

というかその前にカラテとかやったことないけど!


イケメンに学ぶモテ講座2:
クサいセリフをここぞという時に噛まずにキメる。あとカラテ。


お買いものの帰り道。商店街を歩いていると突然、タキCが立ち止ま った。

「あ…」

「どうしたの?」

本屋さんの前?

「もう発売してたのか…」

タキCのことだから、経済学とか難しい本かな?

「どんな本?」

興味が湧いて、タキCの視線の先を見る。

「…え?」

少年マンガ?

「タキC、マンガなんて読むんだ」

「あっ…キミもいたんだなっ」

珍しくタキCが慌てた様子を見せる。

「これは別に気にするほどのものじゃない。毎回買っているわけでも ないし。すぐに読みたいわけじゃないから」

…読みたいんだろうなぁー。

「1冊くらいなら買っても構わないよ」

「…いいのか?」

「いいよ♪」

「じゃあ、このタナに出てるシンカンを全部…」

「1冊だけだってば!」

タキCは、ちょっと残念そうだったけど、一番欲しいものを選んで買 っていった。

…タキCの足取りが少しだけ早くなっていたのは、気がつかなかった フリをしてあげよう♪


……ハイ、なんかもう単なるノロケが始まってしまってだんだん読むのがしんどくなってきたんですけど、ここでもイケメンのテクが炸裂していますので見ていきましょう。

まずは、大人っぽいイケメンが実は少年マンガを読む、という意外性のテクニック。先ほども解説した「ギャップの魔力」ですね! さらに少年マンガという小道具がまたちょうどいい感じに「少年の心を忘れない大人」を演出しているところも高ポイントです。

これが主人公の予想通り経済学の本だと意外性がないので印象に残りませんし、かといってマニアックすぎると今度はドン引きされて逆効果になってしまいます。確かに恋人の部屋に入って本棚に「宇宙からの医者」とかあったらリアクションに困りますもんね。よし、隠そう。


イケメンに学ぶモテ講座3:「少年の心を忘れない大人」を演出する


……ということで今回はタキCがこれまでになく本気を出してきた回となりましたが、いかがだったでしょうか。個人的には漫画ぐらい自分で買えや、と思うのですが……タキC、本当に仕事してるの? 主人公がパソコンに詳しくないのをいいことに、毎日ニコニコ動画ばっかり見てるんじゃないの?

さすが500円くれなかっただけですぐ家出する男はヒモとしても高レベルだわ……と思ったのですが、今回はタキCさんのモテテクを学ばせてもらったのでこれ以上は言いません! また次回!

その3( 12 / 16 )

【5月27日】

イケメンとの同棲生活が、そろそろ本格的に犯罪の香りを帯びてきた


いやー、すみません。長らくお待たせしておりました。イケメンバンク、タキCとの同棲生活レポを再開します。たくさんのご要望メールをいただいておりまして、なんというか、みんなタキCが大好きなんだな、と。

さて、ずいぶん間が空いてしまったので前回までのお話を忘れてしまった方がほとんどかと思うのですが、さすがにいい加減長くなってきたのでこれまでの流れをまとめました。今後おさらいにはこちらのページをお使いください。

男だけど、イケメンと同棲することになった【まとめ】

ではさっそく続きを見ていきましょう。今回は2回分です。

朝をしらせるようにトリのさえずりがきこえる。

…かさかさ…かさっ!

…ん? なんだかへんなオトがするよ?

「タキC!?」

そこには、自分のニモツをちらかしているタキCの姿があった。

……これが荷物を散らかしているのではなく、荷物をまとめているだったなら、ストーリーの中でもタキCが家出するフラグなのかなと思うのですが、どうやらそうではなさそうです。

しかしこの「…かさかさ…かさっ!」だけ見るとタキCが虫みたいですね。……まあ、ある意味寄生虫みたいなものと言えなくもないですけど。


「ナニしてるのよー!?」

「おこしたか、すまないな」

「そうじゃなくて、なに、このニモツ!?」

「今晩でかけないといけない用事があったのを失念していたんだ。だが、着るシャツがなくてさがしていた」

「シャツっていうけど…あれはダメなの?」

なぜか、ゴミ袋にほうりこまれたシャツの山。

「あれは、クリーニングに出さないと着れたものじゃない。しかたない、今から買いに行ってくる」


主人公が出かけようとすると目を皿のようにして制止してくるくせに、自らは堂々と出かけるタキC。その傍若無人っぷりがいつの間にか当たり前のように受け入れられていることに驚きを禁じ得ません。そうか、これがDVの予兆ってやつか……。


「ちょ、ちょっと待って! わざわざ買いに行かなくってもセンタクすればすむことだよね!?」

「…そのギジュツをワタシに求めるな」

「ようは、できないのね?」

「ニンゲン誰にでもあるニガテ分野だと言っておこう」

「ややこしいな。…はっきりいって!」

「…できない…んだ…!」

「あたしがおセンタクするよ。むしろ、今まで気がつかなくてゴメンね」

「いや…。悪いのはワタシだろう」

「今日はいいお天気だし、早く乾くよ。パソコン関係は、タキCにかなわないけど家事なら任せてね♪」

あたしはさっそく、センタクキをフル稼働させた。


タキC……洗濯もできないのか……。

これはつまりあれですかね、完璧に見えるイケメンがちょっとだけ見せる抜けた部分に、女性はついうっかり母性本能をくすぐられるってやつですかね。

まあ家事については僕も人のこと言えたもんじゃないので、十分タキCとタメ張れるんじゃないかと思うんですけど、やっかいなことに母性本能ってやつはイケメンにしか発動しないイベントなんですよね……!


たくさんのシャツを、お日様の下で乾かす。

あとはアイロンをかけてパリッとさせるだけ!

「これなら、出かけるまでに間に合うな」

「ネクタイも洗えるものは手洗いしておいたからね」

「ネクタイまで洗えるのか」

「洗えないものもあるけど洗えるものはあるんだよ」

「なるほどな…」


……何だこの会話

まるで小学生がお母さんに家事を教えてもらっているかのごときレベルの低さですが……ここまでひどくても、女性的にはさらにギャップが強まって「タキC最高!」ってなるものなのでしょうか。主人公は僕の分身のはずなのに、僕とはやはり根本的に何かが違うみたいです。


どうやらタキCは、今までずっとセンタクものをクリーニングに出してたみたい。

「礼をしないといけないな」

「それほどのことじゃないよ」

「…いろいろなことが片付いたら、このお礼にリョコウにでもつれていこう」

「え……リョコウ? あたしとタキCで?」

「ああ、そうだ。考えておいてくれ」

前にくらべてヒトあたりがよくなってきたタキC。

でもそれに比例して、あたしがみょうにドキドキしちゃうことが多くなった気がする。

なんだか、変な感じになっちゃったよぉ!


「変な感じになっちゃったよぉ!」じゃないよ!

いいか、冷静に考えるんだ……おかしな点はたくさんあるぞ。


1.「…いろいろなことが片付いたら、このお礼にリョコウにでもつれていこう」とあるが、「いろいろなこと」が何なのかもまったくわからなくて不気味だし、そもそもなぜタキCが主人公の家に住みついているのかもよく考えてみれば謎のまま

2.「前にくらべてヒトあたりがよくなってきたタキC。」とあるが、別にそうでもない。たんに主人公の感覚がマヒしてきている可能性大。

3.「でもそれに比例して、あたしがみょうにドキドキしちゃうことが多くなった気がする。」とあるが、このドキドキはどちらかといえばストックホルム症候群に近いそれではないかと思われる。

※ストックホルム症候群とは、誘拐・監禁などの状況で被害者が犯人に対しなぜか同情や好意を抱いてしまう現象のこと


……ということで、メーデー! メーデー!

本格的に重大な犯罪の香りがしてきました!

次回は、いよいよタキCが主人公の家を乗っ取って完全犯罪成立か?


……続きます。

その3( 13 / 16 )

【6月3日】

イケメンと同じセリフをネットでつぶやいてみたら、それは地雷だった


たまに佳境に入ったかのような気配を放ちつつも、一向に終わりを迎えないイケメンバンク、タキCとの同棲生活、さすがにそろそろタキCの過去とかそこらへんに触れてほしいところです。

ということで今回は前回の続きから。


センタクものが乾くのを待つ間、

すこし遅くなっちゃったお昼ゴハンの時間。

「タキCのスキなお赤飯を炊くね」

「覚えてたのか?」

「覚えてるよ♪」

「だって、好きなものを作ってもらったら、うれしいでしょ。喜んでもらえるなら、あたしも作っていて楽しいもん」

「ありがとう、昼ゴハンが楽しみだ」

「う、うんっ」

なんだか、照れちゃってまともにタキCの顔が見れないよ。

「じゃあ、すぐに作るから待っててね!」

あたしは慌ててキッチンへと逃げこんだ。

もう完全にノロケです。

……何が「照れちゃってまともにタキCの顔が見れないよ」だ! よく考えるんだ、タキCが本当はどういうやつなのかを。パソコンを教えるとかいう詐欺くさい理由をつけて見ず知らずの主人公の自宅へ不法侵入し、そのまま不法占拠、おまけに半強制的に主人公を監禁し、自分はビタ一文生活費を払うことなく、あまつさえ漫画を買う小銭すらたかる始末! 罪状いくつあるんだよ!

さらにはこいつ、たまに500円入れると調子に乗って、「なあ、新しいパソコンが欲しいよ」とか言い出すんですよ!? そのまま3分放置するとキレるので仕方なく500円入れてやると、「ありがとう、おかげで新しいパソコンが買えたよ」とかぬかしやがる。500円でパソコンが買えますか!? EeePCだってその100倍のお金がかかるわ!


――すみません、あまりの事態にちょっと取り乱してしまいましたが、なんとこの回はこのノロケだけで終わりです。

あまりにも進展がなさすぎですし、なんかちょっと勝手に貯金箱の中でいちゃついているのを見せられるのが腹立たしいので、もう一話見ていきましょう。一話進めるのにだいたい1500円ぐらいかかるのが何ともアレな感じですけども。

炊きたてのお赤飯をタキCは嬉しそうにほおばった。

「おいしいな」

あ、はじめてゴハンの感想を言ってくれた。

「じつは、お赤飯は得意なんだよ。お母さんがよく作ってくれてたから覚えてるの」

「家庭の味…か…」

「そうだね♪」

「この赤飯には、お前の心がこもってるんだな。相手のことを考えてるお前の心が…。いままで、そんなことをかんがえて、カイシャを経営してきたことはなかった…。チチから引き継いだカイシャを、数字だけしか見ていなかった。カイシャも、リョウリも同じだ。キモチのこもっていないものは誰の心もゆさぶらない…だから、なのか…?

ヒトリごとをもらすタキC。

なにか、悩んでることがあるみたいだけど…

お赤飯をまえに、考えこんでしまった、タキCを、あたしはそっと見守るしかなかった。

タキC……なんで急に熱く語り出したの……?

個人的に、“相手を無視して自分の話を熱く語る男は100%女性に嫌われる”という持論を有する僕ですが、これまでクール、というかもはやネクラの域に達していると思われたタキCが突然人が変わったようにぶつぶつ言いだしたのにはびっくりです。いや、あくまで独り言だから、ネクラという性格自体は何も変わっていないのか。

それにしてもこいつのつぶやきの内容が酷い。

ここだけもう一度引用すると、

「この赤飯には、お前の心がこもってるんだな。相手のことを考えてるお前の心が…。いままで、そんなことをかんがえて、カイシャを経営してきたことはなかった…。チチから引き継いだカイシャを、数字だけしか見ていなかった。カイシャも、リョウリも同じだ。キモチのこもっていないものは誰の心もゆさぶらない…だから、なのか…?

まず会社を経営するにあたって相手のことを考えたことがない、というのはいくらボンクラ2代目としてもアウトですし、それに気づいたならそろそろお前会社に戻れよ、と思いますし、むしろ今までそれでよく人生渡ってこられたな、とも思います。

ちなみにこの発言を僕がするとどうなるのかちょっと興味があったので、140文字制限で自分の気持ちをリアルタイムにつぶやけるウェブツール「Twitter」(よかったらフォローしてね!)を使って、この記事を書く前にまったく同じ文章を投稿してみたんですけど、数時間放置していたにも関わらず誰からもリアクションはありませんでした

たぶん、「何このめんどくさいやつ……」と思われたに違いありません。なんかほんと、ごめんなさい……。


ということで、これまでにないほどの長文で急にキャラを変えてきたタキC、さすがにそろそろ佳境か!? と淡い期待を抱きつつ、次回へ続きます。

マルコ
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