はじめまして!ゲームキャラ!!はじめまして!現実世界!!

23.優秀なアーチフィス

「ただいま~」

「お帰り~」

「うん」



遊舞は、自分の部屋に入り、今日、

学校で起こった不可思議な出来事について、まだ考えていた。



「う~ん・・・にしても、今日は、1組のヤツら、

大変だったな~・・・怖かっただろうな・・・でも、

僕の身にも起こるかもしれない。先生も言ってた通り、

気をつけないとな」



そして、宿題をした。



「フ~ッ!!今日の宿題も終わった~!!

あ~、そうだ、そろそろアーチフィスの姿を戻さないと。

アーチフィスは、僕のパートナーだから、ちゃんと、

僕のそばについてるよな?」

遊舞は、ランドセルからコントローラを取り出し、

アーチフィスの〝透明〟の魔法を解く。



〝シュン〟



アーチフィスが現れた。



「やっぱり、アーチフィスは、いつも、

パートナーの僕のそばにいるんだ!!」

「はい。私は、必要のない時以外は、なるべく、

あなたのそばにいます」

「そっか!!ついててくれてありがとう!!

アーチフィスは、強いし、頭も良いから、

そばにいて、頼もしいよ!!!」

「いえいえ。コレも、私の当然の務めです。

ここに来る以前から、

あなたが私の事を良く頼ってくださっている以上、

あなたは、私のご主人様なので」



「そっか!!でも、ありがとう!!!あ~!そういえば、

アーチフィス、頭が良いからさ、

明日から、代わりに宿題やってくれない!?

そうそう!何でこんな事、早く気づかなかったんだよ!!

僕は!!!」

「ダメです。不正はいけません」

「え~!!ケチ!!僕は、ご主人様なんだろ!!!」

「それは、そうなのですが、

倫理的に良くない行動を手伝うワケにはいきません。

ただ・・・・・・」

「ん?」



「教える事は、出来ます」

「ホント!?」

「はい」

「やった~!!!やっぱ、頼もしいぜ~!!!

アーチフィス!!!」

「いえいえ」

24.アーチフィスはクール?それとも、鈍感?

「でもな~、今日はもう、宿題、やっちゃったし、何しよ?

あ~、そうだ!アーチフィス、昨日、観た映画、どうだった?」

「・・・・・・昨日も申しました通り、良かったですが?」

「え?ホントにそれだけ?

〝主人公の女の人が可愛い〟とか、〝綺麗〟とか、

〝お相手の男の人がカッコ良い〟とか、〝感動した〟とか、

そういうのは、ないの?」

「う~ん。私が今まで観た事がない類いの映画でしたので、

自分にとって新鮮で、1つの文化としては良かったのですが、

私は、誰かに恋をした事がないので、恋愛というモノが

良く解らないんですよ」

「そっか。そういえば、アーチフィスは、

クールで、あんまり感情を出さないキャラだったな」

「はい」



その時、遊舞は、

(そうだ。そういえば、コイツは、

現実世界にやってきてから、漫画を読ませても、

映画を観させても、〝良い〟とは言っても、

〝面白い〟とは言わなかった。何でだろ?)と思った。



その後、2人は、色々と話をした。



そして、夜になって、寝た。



「アーチフィス、おやすみ」

「はい。おやすみなさい」



遊舞は、電気を消した。

25.空腹に耐えるアーチフィス

次の日、起きてから、まず、

アーチフィスの〝透明〟の魔法を解いた。



〝シュン〟



今日は、木曜日だ。

「アーチフィス、おはよう」

「おはようございます」

次の瞬間、アーチフィスのお腹が鳴った。



〝グ~ッ〟



「あ~、すいません」

「は~。アーチフィス、またお腹空いたの?ってか、

お腹空くの、早過ぎない?」

「すいません。私は、昨日も、朝食以外食べていないもので」



「そっか~。じゃあ、仕方ないね。

ごめんね!そういえば、アーチフィスに昨日、朝ご飯以外、

何も食べさせてあげてなかった!!アーチフィスも、

ゲームキャラとはいえ、この世界の人と同じように、

〝食べる〟っていう大事な事をすっかり忘れちゃってたよ!!!

ホントごめん!!!ってか、それで昨日は良く

ご飯食べなくて、大丈夫だったね!!!」

「あ~、私のしていた仕事は、とても過酷だったので、

食べられない事も多かったんです。なので、

空腹に耐える事は、以前からの習慣のようなものなので」

「そうか~。凄いな~。じゃあ、仕方ない。今日も、

朝ご飯、食べに行こっか」

「はい」



遊舞とアーチフィスは、今日もまた、リビングへ向かう。

26.2度目のシチュエーション

「おはよう~。お父さ~ん、お母さ~ん」



父と母が揃って、

「おはよう遊舞。って、また!!!」と言う。

アーチフィスは、

遊舞の父と母に

「おはようございます」と言った。

「ア・・・アハハハハハ・・・・・・」と遊舞は、

ぎこちなく笑った。



「昨日だけでなく今日も!!一体何なんだ!!!」と、

遊舞の父は言った。

「いや~、ちょっとまぁ、色々あってさ・・・・・・」

すると、遊舞の母が

「まぁ、良いじゃない!!この人、ちょっと変わってるけど、

言葉遣いも、とっても丁寧だし、礼儀作法だってとっても良いし、

凄く良い人そうな気がするわ!!!」



すると、遊舞の父が

「う~ん。まぁ、仕方ないな。アーチャーだっけ?」

「アーチフィスです」

「そうか。まぁ、とにかく、座って」

「はい」

「やっぱり、朝メシは大事だ。食べていきなさい」と、

遊舞の父は言った。

「すみません、昨日も今日もお世話になってしまって」

「気にする事はない。俺も、昔、子供の頃は良く

〝情けは人のためならず〟なんて言われて、良く、

〝相手が誰であろうと、

目の前に困っている人間がいたら、

絶対にほっとくな〟って、

親父やおふくろに何度も言われてたから」

「そうなんですね」

「あぁ」

すると、遊舞の母が、また、

アーチフィスに、朝ご飯をくれた。



「いただきます」

アーチフィスは、また、

遊舞や遊舞の父や母と一緒に朝ご飯を食べた。



数十分後、食べ終わった。

食べ終わった後、遊舞の母は、アーチフィスに

「今日はアーチフィスさん、どうするの?」と聞いた。

アーチフィスは、

「私は・・・・・・」と言う。

そこで、遊舞は慌てて、

「あ~!アーチフィス、行こう!!!

行ってきま~す!!!」と言い、

慌ててアーチフィスを引っ張って、家を飛び出した。



〝バタン!!!〟

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