はじめまして!ゲームキャラ!!はじめまして!現実世界!!

27.この世界では異質なアーチフィス

「フ~ッ!!」

「なぜ、そんなに慌てているのですか?」

「いや、だって、ずっと普通に姿が見えてる状態のままで

家の中にいられると、何か不安だし、かと言って、

突然、魔法で透明になっても、それはそれで怪しいし、

父さんも母さんも、ビックリしちゃうだろ?」

「不安・・・なぜ不安なのでしょうか?それに、

なぜ、それで驚くのでしょうか?」



アーチフィスは、この世界では

〝他の人は皆、魔法が使えない〟という事も、

そんな〝魔法が使える自分〟がこの世界では

異質である事も、

まだ知らないようだった。



(はぁ・・・アーチフィスって頭良いのに、

〝現実とゲームの違い〟だけは、

まだ理解してないんだな~)



そして、今日もまた、一緒に、歩いて学校へ向かった。



「遊舞さん、今日も、透明になって、あなたのそばにいます」

「ありがとう。じゃあ、頼んだよ」

「はい」



遊舞は、また、アーチフィスを透明にした。



〝シュン〟


28.何事もない事にホッとする遊舞

遊舞は、また学校に入って、授業を受けた。



その日の6時間目の授業は、

「理科」だった。



遊舞はその時、

(あ~、この教科、成績優秀な泳が特に得意なヤツだ!!でも、

昨日、泳はあんな事、言ってたけど、言ってた事、何が何だか

さっぱり解んなかったな~)と思っていた。



やがて、授業が終わり・・・・・・



「〝起立〟〝礼〟〝着席〟」



〝キーンコーンカーンコーン〟



その日もまた、泳、奏、演人と一緒に帰った。



すると、奏が

「今日は、何もなかったね~。良かった良かった!!」と言った。

遊舞も、

「うん!!本当に良かったよ!!!」と言った。

すると、演人は、

「しかし、昨日のアレは、何だったんだろうね~」と言った。

遊舞は、

「さぁ?でも、今日はホント、

何もなくて良かったな~!!!」と言う。



奏と演人は、

「そうだね」と答えた。

泳は、

「そうだね。でも、昨日の事、どういう事だったのか、

本当に気になるね」と言った。

遊舞は、

「うん。それに、先生も言ってた通り、

また、いつ起こるか分からないから、

気をつけないといけないね」と答えた。

奏と演人と泳は、

「うん。気をつけよう」と言った。



数十分歩いたところで、

また皆、バラバラになり、遊舞はまた1人になった。



遊舞も、

(そうだよな~。気をつけないとな~)と思っていた。

29.特技とは?

「ただいま~」

「おかえり~」



家に帰った後、また、いつものように

自分の部屋へ行った。



「良し、アーチフィスの透明を解くか」



〝シュン〟



「アーチフィス、昨日、言ってくれた通り、

ちょっと宿題、手伝って~」

「かしこまりました」

「算数の問題のここなんだけどさ、

これ、一体、どうやって解けば良いの?」

「あ~、コレですか。ここはこうして」

「なるほど~!説明が解りやすい!!

さっすがアーチフィス!!!」



〝カキカキカキカキ〟



「ここは、どう解くの?」

「こうです」

「なるほど~!!ホント助かる~!!!」

いつもなら30分ほどかかる算数の宿題が、

アーチフィスが教えてくれると、

10分で終わってしまった。

「わ~!!あっという間に終わっちゃった~!!!

ホント、ありがとう!!!アーチフィス!!!」

「いえいえ。これくらい、何でもありません」

「いや~、でも、アーチフィスって、

ホントに凄いな~!!カッコ良いし、頭良いし、

ホント、僕なんかとは大違いだよ!!!」

「いえ、遊舞さんも、努力すれば、

これくらい出来るようになりますよ」

「そうかな~?」

「はい。きっと」

「ありがとう。でも、きっと、アーチフィスには敵わないよ」

「ありがとうございます。ですが、遊舞さんも、

まだ、自分で自分の才能や魅力に気がついていないだけなのでは?」

「え~?そう?僕の才能や魅力って何だろう?

僕は、特別、頭が良いワケでもないし、同じクラスの子達みたいに

何か得意な事があるワケでもないし、

あえて言うなら〝ゲーム〟。ってとこだけど、

〝ゲーム〟が上手いからって、別にモテるワケじゃないし、

それを〝カッコ良い〟って思ってくれる人も、少なそうだしな~」

「そうですか?世間がどう評価するかは知りませんが、

私は、無駄な特技などないと思っていますが」

「そうかな?」

「はい」



その時、遊舞は、

(今まで考えた事もなかったけど、

僕のこの特技がいつか役に立つ時が来るのかな~?)と

思っていた。



その後、漢字ドリルや国語の教科書の音読もして、

全ての宿題をした。



「ああっ!終わった~っ!!」

「お疲れ様でした」


30.現実世界の音楽

「じゃあ、今日は何しよ。あ、そうだ!!

アーチフィス、〝音楽〟聴いてみない?」

「〝音楽〟ですか?」

「え?アーチフィス、音楽、知らないの?」

「いえ、知っていますが、遊舞さんのような年齢のお方が

音楽を聴くというのが、少し意外で・・・」

「失礼だな~!!どんな年齢でも、音楽って、楽しいんだよ!!!」

「そうなんですか」



遊舞は、アーチフィスに

CDで〝J-POP〟の色々な曲を聴かせた。



〝♪~〟



「なるほど」

「ん?どうかしたの?」

「いえ、〝音楽というのは、こういうモノもあるんだな~と

思いまして〟」

「え?アーチフィス、〝J-POP〟聴いた事ないの?」

「はい。私は、元々は、イギリスに住んでいたので」

「そっか~。まぁ、アーチフィスにとっては、

色んなモノが、まだ見慣れないモノばっかだもんな~。

でも、〝J-POP〟も、なかなか良いでしょ!?」

「はい。良いとは思います。

こういう文化もあるのだという事が良く解りました」

「え?何か、曖昧な感想だな~・・・他に何か感想ないの?」

「・・・それ以外には、ありませんね」



遊舞は、

(・・・そっか~。やっぱり、アーチフィスには、

〝面白い〟って事がどういう事か解らないんだな)と思った。

COLK
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