はじめまして!ゲームキャラ!!はじめまして!現実世界!!

22.考え事をしながら下校する遊舞

その後もしばらく歩いて、

遊舞は、泳含め、また、他の子達と1人ずつ別れ、

最後は、また、遊舞だけが1人で歩いていた。



その時、遊舞は、その、さっきの、

泳が言った事について1人で考えていた。



「ん~。さっき、泳は、あんな難しい事言ってたけど、

良く考えてみたら、どういう事か、

解らないでもないな~。泳が言ってた機械が今、

当たり前のようにこの世界にあるのもそうなんだけど、

それだけじゃなくて、僕の大好きな〝Limitless Chance!〟から

アーチフィスが飛び出してきて、しかも、それで、

会話が出来るだけじゃなくて、現実でも操作出来て、

ゲームと同じように、魔法を使わせる事まで出来ちゃうなんて事が、今、本当に起こってるんだから」と独り事を言った。



しかし・・・・・・



「今日、1組で起こったっていうあの事は、

一体、何だったんだろう?」とも言った。



遊舞は、

「普通ならありえない現象が現実世界で起こる」という現象も、

既に、アーチフィスによって体験しているし、

また、アーチフィスによって、

現実世界で魔法を目の前で見ているので、

泳の言っていた事は、後々、冷静になって考える事で

理解出来たのだが、まだ、今日、昼休憩に遊舞の学校で起こった、

「どこからともない、良く解らない現象によって、

6年1組の生徒達がケガをした」という事件が、

まだどういう事なのか見当もつかず、その真相を知らなかった。

23.優秀なアーチフィス

「ただいま~」

「お帰り~」

「うん」



遊舞は、自分の部屋に入り、今日、

学校で起こった不可思議な出来事について、まだ考えていた。



「う~ん・・・にしても、今日は、1組のヤツら、

大変だったな~・・・怖かっただろうな・・・でも、

僕の身にも起こるかもしれない。先生も言ってた通り、

気をつけないとな」



そして、宿題をした。



「フ~ッ!!今日の宿題も終わった~!!

あ~、そうだ、そろそろアーチフィスの姿を戻さないと。

アーチフィスは、僕のパートナーだから、ちゃんと、

僕のそばについてるよな?」

遊舞は、ランドセルからコントローラを取り出し、

アーチフィスの〝透明〟の魔法を解く。



〝シュン〟



アーチフィスが現れた。



「やっぱり、アーチフィスは、いつも、

パートナーの僕のそばにいるんだ!!」

「はい。私は、必要のない時以外は、なるべく、

あなたのそばにいます」

「そっか!!ついててくれてありがとう!!

アーチフィスは、強いし、頭も良いから、

そばにいて、頼もしいよ!!!」

「いえいえ。コレも、私の当然の務めです。

ここに来る以前から、

あなたが私の事を良く頼ってくださっている以上、

あなたは、私のご主人様なので」



「そっか!!でも、ありがとう!!!あ~!そういえば、

アーチフィス、頭が良いからさ、

明日から、代わりに宿題やってくれない!?

そうそう!何でこんな事、早く気づかなかったんだよ!!

僕は!!!」

「ダメです。不正はいけません」

「え~!!ケチ!!僕は、ご主人様なんだろ!!!」

「それは、そうなのですが、

倫理的に良くない行動を手伝うワケにはいきません。

ただ・・・・・・」

「ん?」



「教える事は、出来ます」

「ホント!?」

「はい」

「やった~!!!やっぱ、頼もしいぜ~!!!

アーチフィス!!!」

「いえいえ」

24.アーチフィスはクール?それとも、鈍感?

「でもな~、今日はもう、宿題、やっちゃったし、何しよ?

あ~、そうだ!アーチフィス、昨日、観た映画、どうだった?」

「・・・・・・昨日も申しました通り、良かったですが?」

「え?ホントにそれだけ?

〝主人公の女の人が可愛い〟とか、〝綺麗〟とか、

〝お相手の男の人がカッコ良い〟とか、〝感動した〟とか、

そういうのは、ないの?」

「う~ん。私が今まで観た事がない類いの映画でしたので、

自分にとって新鮮で、1つの文化としては良かったのですが、

私は、誰かに恋をした事がないので、恋愛というモノが

良く解らないんですよ」

「そっか。そういえば、アーチフィスは、

クールで、あんまり感情を出さないキャラだったな」

「はい」



その時、遊舞は、

(そうだ。そういえば、コイツは、

現実世界にやってきてから、漫画を読ませても、

映画を観させても、〝良い〟とは言っても、

〝面白い〟とは言わなかった。何でだろ?)と思った。



その後、2人は、色々と話をした。



そして、夜になって、寝た。



「アーチフィス、おやすみ」

「はい。おやすみなさい」



遊舞は、電気を消した。

25.空腹に耐えるアーチフィス

次の日、起きてから、まず、

アーチフィスの〝透明〟の魔法を解いた。



〝シュン〟



今日は、木曜日だ。

「アーチフィス、おはよう」

「おはようございます」

次の瞬間、アーチフィスのお腹が鳴った。



〝グ~ッ〟



「あ~、すいません」

「は~。アーチフィス、またお腹空いたの?ってか、

お腹空くの、早過ぎない?」

「すいません。私は、昨日も、朝食以外食べていないもので」



「そっか~。じゃあ、仕方ないね。

ごめんね!そういえば、アーチフィスに昨日、朝ご飯以外、

何も食べさせてあげてなかった!!アーチフィスも、

ゲームキャラとはいえ、この世界の人と同じように、

〝食べる〟っていう大事な事をすっかり忘れちゃってたよ!!!

ホントごめん!!!ってか、それで昨日は良く

ご飯食べなくて、大丈夫だったね!!!」

「あ~、私のしていた仕事は、とても過酷だったので、

食べられない事も多かったんです。なので、

空腹に耐える事は、以前からの習慣のようなものなので」

「そうか~。凄いな~。じゃあ、仕方ない。今日も、

朝ご飯、食べに行こっか」

「はい」



遊舞とアーチフィスは、今日もまた、リビングへ向かう。

COLK
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