はじめまして!ゲームキャラ!!はじめまして!現実世界!!

21.泳の難しい話

〝キーンコーンカーンコーン〟



「〝起立〟〝礼〟〝着席〟」



その後、

遊舞は、いつものように、友達達と一緒に帰った。



今日、遊舞の下校を共にするメンバーは、

「宙尾泳」「音田奏」「十装演人」である。



すると、一緒に歩いていた奏が話しかけてきた。



「さっき、先生が言ってた、

1組で起こった事、一体、何だったんだろうね」

「さぁ・・・」と遊舞が答える。



しかし、そこで、泳が

「確かに、常識では考えられない事だけど、

ありえなくもないな」と言った。



そこで、皆、

「えっ!?」と驚いた。



泳のその一言に対し、皆、

「何で、ありえるかもしれないの!?」と言った。



泳は、

「俺、宇宙飛行士になるから、科学にも興味があって

勉強してる・・・っていうか、勉強しないといけないから

解る事なんだけど、この世の全ての事って、

実は、全部、当たり前じゃないんだよ」と言う。



すると、皆、また、

「どういう事!?」と言った。



「あのね、〝宇宙って爆発から生まれた〟って説は有名だけど、

もし、本当にそうだとしても、

〝その爆発って何がどうなって起こったのか〟までは

ハッキリ詳しくは解んないし、だから、

〝無から有はありえない〟なんて常識も、

実は違って、それも、今までに、

自分や誰かが目で見た事しか信じられない人間達が

勝手に決めつけた事かもしれないでしょ?だから、この世界、

普通に考えたらありえなさそうな色んな不思議な現象も、

もしかしたら起こる可能性があるんだよ。だから、この世界には、

もしかしたら、〝魔法〟とかもあるかもしれないし、

実際に、それが使える人も、本当にいるかもしれないよ。

たとえば、昔は、誰も、〝ある〟って事さえも知らなかった

色んな科学的なエネルギーが科学者達によって発見されて、

それを使って、〝飛行機〟みたいな空を飛ぶ乗り物、

物凄い速さで走る、〝電車〟、あるいは、〝車〟、

もっといけば、ちょっとだけ昔の80年代の人達とかが、

昔だったら信じられないような、

俺達も使ってる〝スマホ〟とかがもう、当たり前のように、

俺達の生活にあるのが何よりの証拠さ!!!」と、泳は語る。



それを聞いた皆は、

「ちょっと、話が難し過ぎて、どういう事が解んない」と言った。



泳は、

「あ~、ごめん!!ごめん!!でも、これから、

中学校や高校でも、こんな感じの事、教えてもらうし、

そのうち、解る時が来るよ!!!」

「そっか!!でも、何か、それって、

考えたら凄くワクワクする!!!」と、遊舞以外の2人は言った。


22.考え事をしながら下校する遊舞

その後もしばらく歩いて、

遊舞は、泳含め、また、他の子達と1人ずつ別れ、

最後は、また、遊舞だけが1人で歩いていた。



その時、遊舞は、その、さっきの、

泳が言った事について1人で考えていた。



「ん~。さっき、泳は、あんな難しい事言ってたけど、

良く考えてみたら、どういう事か、

解らないでもないな~。泳が言ってた機械が今、

当たり前のようにこの世界にあるのもそうなんだけど、

それだけじゃなくて、僕の大好きな〝Limitless Chance!〟から

アーチフィスが飛び出してきて、しかも、それで、

会話が出来るだけじゃなくて、現実でも操作出来て、

ゲームと同じように、魔法を使わせる事まで出来ちゃうなんて事が、今、本当に起こってるんだから」と独り事を言った。



しかし・・・・・・



「今日、1組で起こったっていうあの事は、

一体、何だったんだろう?」とも言った。



遊舞は、

「普通ならありえない現象が現実世界で起こる」という現象も、

既に、アーチフィスによって体験しているし、

また、アーチフィスによって、

現実世界で魔法を目の前で見ているので、

泳の言っていた事は、後々、冷静になって考える事で

理解出来たのだが、まだ、今日、昼休憩に遊舞の学校で起こった、

「どこからともない、良く解らない現象によって、

6年1組の生徒達がケガをした」という事件が、

まだどういう事なのか見当もつかず、その真相を知らなかった。

23.優秀なアーチフィス

「ただいま~」

「お帰り~」

「うん」



遊舞は、自分の部屋に入り、今日、

学校で起こった不可思議な出来事について、まだ考えていた。



「う~ん・・・にしても、今日は、1組のヤツら、

大変だったな~・・・怖かっただろうな・・・でも、

僕の身にも起こるかもしれない。先生も言ってた通り、

気をつけないとな」



そして、宿題をした。



「フ~ッ!!今日の宿題も終わった~!!

あ~、そうだ、そろそろアーチフィスの姿を戻さないと。

アーチフィスは、僕のパートナーだから、ちゃんと、

僕のそばについてるよな?」

遊舞は、ランドセルからコントローラを取り出し、

アーチフィスの〝透明〟の魔法を解く。



〝シュン〟



アーチフィスが現れた。



「やっぱり、アーチフィスは、いつも、

パートナーの僕のそばにいるんだ!!」

「はい。私は、必要のない時以外は、なるべく、

あなたのそばにいます」

「そっか!!ついててくれてありがとう!!

アーチフィスは、強いし、頭も良いから、

そばにいて、頼もしいよ!!!」

「いえいえ。コレも、私の当然の務めです。

ここに来る以前から、

あなたが私の事を良く頼ってくださっている以上、

あなたは、私のご主人様なので」



「そっか!!でも、ありがとう!!!あ~!そういえば、

アーチフィス、頭が良いからさ、

明日から、代わりに宿題やってくれない!?

そうそう!何でこんな事、早く気づかなかったんだよ!!

僕は!!!」

「ダメです。不正はいけません」

「え~!!ケチ!!僕は、ご主人様なんだろ!!!」

「それは、そうなのですが、

倫理的に良くない行動を手伝うワケにはいきません。

ただ・・・・・・」

「ん?」



「教える事は、出来ます」

「ホント!?」

「はい」

「やった~!!!やっぱ、頼もしいぜ~!!!

アーチフィス!!!」

「いえいえ」

24.アーチフィスはクール?それとも、鈍感?

「でもな~、今日はもう、宿題、やっちゃったし、何しよ?

あ~、そうだ!アーチフィス、昨日、観た映画、どうだった?」

「・・・・・・昨日も申しました通り、良かったですが?」

「え?ホントにそれだけ?

〝主人公の女の人が可愛い〟とか、〝綺麗〟とか、

〝お相手の男の人がカッコ良い〟とか、〝感動した〟とか、

そういうのは、ないの?」

「う~ん。私が今まで観た事がない類いの映画でしたので、

自分にとって新鮮で、1つの文化としては良かったのですが、

私は、誰かに恋をした事がないので、恋愛というモノが

良く解らないんですよ」

「そっか。そういえば、アーチフィスは、

クールで、あんまり感情を出さないキャラだったな」

「はい」



その時、遊舞は、

(そうだ。そういえば、コイツは、

現実世界にやってきてから、漫画を読ませても、

映画を観させても、〝良い〟とは言っても、

〝面白い〟とは言わなかった。何でだろ?)と思った。



その後、2人は、色々と話をした。



そして、夜になって、寝た。



「アーチフィス、おやすみ」

「はい。おやすみなさい」



遊舞は、電気を消した。

COLK
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