まずは(2)式から
両辺にrをかけて積分します。
r2X・ =α (2A)式
積分定数α=αjIj
(2A)式は、角運動量が時間によらず、一定であること(第2則)に相当します。
|α|は面積速度の2倍です。
スカラー積
r2(X,X・)=r(α,rX)=0 であるため、惑星の軌道面はα方向に対して垂直で原点(太陽位置)を含む平面です。軌道面を傾けてθ=π/2としてみましょう。
z1=rcosθ=0
z2=rsinθcosφ=rcosφ
z3=rsinθsinφ=rsinφ
ご存知のように極座標で表現できます。
複素平面(ガウス平面)が好みだという方は、I2を掛け算して
I2(z2I2+z3I3)
=z2I0+z3I1
=r(cosφI0+sinφI1)
=rexp(φI1)
I0=1 I1=i とおいて
Z=rexp(φi)
で計算願います。
r・・-r(φ・)2=-k/r2 (1)式
2r・φ・+rφ・・=0 (2)式
が出てきます。
え? 初めから、こうすればいい? それではハミルトン氏の苦労が浮かばれません。
次は(1)式の両辺にr・を掛け算して積分しましょう。
r・r・・+r・r(X・)2=-kr・/r2
(2A)式から
(X・)2=α2/r4=-|α|2I0/r4
(1/2)(r・)2=k/r-(1/2)|α|2/r2 +C (1A)式
Cは積分定数です。積分が面倒な方は(1A)式を微分願います。
(1A)式は、mを掛ければ分かるようにエナジーの保存則に相当します。
ここから先、飛躍は無用です。力技で推し進めていきます。
(1A)式を変形して
r・=√(2k/r-|α|2/r2 +2C )
(2A)式から
φ・ =|α|/r2
r・/φ・
=dr/dφ=(2k/r-|α|2/r2 +2C )1/2 r2/|α|
u=1/rなど、適宜に変数変換をして、ひたすら積分計算を遂行するのみです。
rとφの関係式が得られます。
難しい計算ではありませんが、少々手間がかかります。しかし、貴方がその手指を動かしてやってみること自体に意義があります。そして達成感を存分に味わってください(それを奪うほどヤボではありませんので)。
r-2則なればこそ得られる感銘(なんたる偶然または必然!)を、貴方のもとに届けるには、この方法しかないのです(といえば大げさかもしれません)。
u=1/rとおいて
r・=√(2ku-|α|2u2 +2C )=√U とします。
|α|=aとして、φ・=au2です。
dr/dφ=√U /(au2)
du/dφ=-u2dr/dφ=-√U /a
d2u/dφ2=-(1/(2a√U))(2k-2a2u)du/dφ=k/a2-u
d2u/dφ2+u=k/a2 (3)式
という2階の微分方程式を解きます。
特解: ua=k/a2
一般解: Acos(φ-φ0)
答えは u=ua+Acos(φ-φ0)をrに戻し、
r=(1/ua)/(1+(A/ua)cos(φ-φ0))から初期値φ0
をゼロにして
=K/(1+εcosφ) となります。
この方法に納得がいかないという貴方は、別のカンタンなやり方を発見してください(*1)。
なお、ニュートン氏が著書プリンキピアに書いた方法はお勧めできません。
(*1)角運動量の保存を条件として、ラグランジュの未定係数法を使って、
エネルギーE(r,ω)= (1/2)*m*V^2-G*m*M/r - λ*(m*r*V-L)
の極値を計算します。
惑星軌道の動径r、角速度 ω 、質量m
太陽質量M、万有引力定数G。
V=r*ωで、Lは定数値、λは未定係数
∂E/∂r= m*r*ω^2+G*m*M/r^2- λ*2*m*r*ω=0
∂E/∂ω = m*r^2*ω- λ*m*r^2=0
第二式からλ=ωで、これを第一式に代入すると
G*m*M/r^2= m*r*ω^2
∴ r^3* ω^2=G*M (ω∝1/T:Tは周期) ;ケプラー第3法則
E(r,ω)の極値は
= (1/2)*m*r^2*(G*M/r^3)-G*m*M/r=-G*m*M/(2*r)
さらに奥の手は、遠心力=万有引力から
m*r*ω^2=G*m*M/r^2
∴r^3* ω^2=G*M
が得られる(これで納得できる人は、おそらくこの分野を素通りするでしょう)。
r=K/(1+εcosφ)
記号
O(0,0):原点=第1焦点
P(x,y):軌道上の点
F(-2f,0):第2焦点
f:焦点距離
極座標表示 x=r・cosφ r:動径 φ:角度
y=r・sinφ
i)放物線
r=x+2・f=r・cosφ+2・f
r・(1-cosφ)=2・f
r=2・f/(1-cosφ) :K=2・f ε=-1
r2=x2+y2=(x+2・f)2
y2=4・f・(x+f)
ii)楕円
OP+OF=2・a(一定)
r+√((x+2f)2+y2)=2・a
4r・(f・cosφ+a)=4・(a2-f2)
r(θ)=(a-f2/a)/(1+(f/a)・cosφ)
f=√(a2-b2)から
K=b2/a
ε=√(1-(b/a)2) <1
((x+f)/a)2+(y/b)2=1
cf) (r(0)+r(π))/2=a :算術(相加)平均
√(r(0)・r(π))=b :幾何(相乗)平均
iii)双曲線
OF-OP=2・a(一定)
√((x+2・f)2+y2)-r=2・a
4r・(f・cosφ-a)=4・(a2-f2)
r=(-a+f2/a)/(1-(f/a)・cosφ)
f=√(a2+b2)から
K=b2/a
ε=√(1+(b/a)2) >1
((x+f)/a)2-(y/b)2=1
cf)円錐曲線
X2+Y2-G・Z2=0 と
A・X+B・Y+C・Z=D の交線