MIND ID

「私が聞いた話では、実際には、居ないであろうと言われている怪物ですが、モニター画面を顔にいっぱい持った《スクリーンマン》、姿は、普通の人なんですが、背中が十字架に斬られていて中に目を持った《ヨハネ》、そして姿が無く、見たり、つかれたりしたら、絶対に離れない、死を覚悟しなければいけない、《クラーケン・ゲルニカ》、そういう都市伝説の死神がいるという噂話は、知っています、最近では、見たという人や写真や絵やYouTube等にも出てきている程ですよ」
「本当ですか!?・・・・・・ね~、もし、居たら会ってみたいですよね~」
「そっ、そりゃ~も~」

「・・・あんたは、ウザイんだよ~・・・」
  後ろから、クラーケン・ゲルニカが左肩を掴んだ。
  目の前には、スクリーンマンが、横には、十字架内にギョロとした後ろ姿のヨハネが居た。
  怖く成って右ひじを曲げて上げた手が崩れ落ち始めた、目を疑った、悪夢だと思った、なぜなら、体がアリで出来ていたからだった、痛くは、なかった、しかし、恐怖感があった、
「あ~、ア~アッ、わ~・・・・・・!?」
  もがけば、もがく程、崩れて行った、そして、皆が静かに居なく成った。
  座椅子だけが二脚残る。

  私は、目に写るこの世界を画面やフィルム状でしか見ていない、感情や愛、情けなどは、いっさい必要が無いと思っている。
  私は、表面上の顔など信じちゃいない、裏の顔こそ真実だ、それが本性だと信じてる。
  見える物や姿に惑わされては、いけない。 皆 相手を突き落としてでも、上がろう、幸せになろうとしている。

  三匹の化け物は、この時点では、実際に悪い夢の中の存在なのか、実際にこの世界に存在する物なのか、頭の中だけの存在なのか、全くわからない状態というのが、現実のところだった。

  しかし、事件は、これだけでは、なくなっていた。
  人が多い所にビニールの買い物袋を片腕にぶら下げた人がレンタルショップに入って行った。
  希望する物を探しにそこらじゅうを歩いて回る。
  気に成らない程の揺れにより、ガサガサッ、ガサガサッという微妙な小さい音を立てて行く。
  そして何も怪しまれないようにレンタルDVDを借りて店を出た。

  ガサガサと微妙な音をさせた後ろ姿の人が歩いて行ったあとにその通路に入った。
  そしてDVDを選んでいた。
  これが見たいという物がなく、アクション物にするか、サスペンス物にするか、恐怖物にするか、楽しい物にするか!? 色んなDVDを見て悩んでいた、楽しみが増える。

  !? 自分の手や腕が縦に置いたDVDのパッケージに成っていた。
  体を動かしても音が無い!? 何これ!? 見る事、感じる事に違和感があった、夢!?
  その通路で人と出くわす事は、なかった。

  しかし、等身大の憎々しい悪魔や天井辺りから、産まれたばかりの飛んでいる悪魔や人間!? ゾンビ、スクリーンマンやヨハネ、クラーケン・ゲルニカ等が散らかっているDVDを棚に戻し始めた、始めに顔部分のDVDを、整理され、口が無くなり喋る方法を失った、棚に戻され続ける、整理は、終えた、つまり一人の人間が現世界から消え失せたのだった!?

「お前ら遊び過ぎだ」
  一人の男が一組のグループに怒りをぶち開けた。
「俺達には、俺達のやり方がある・・・もう一企業が一世紀をかけて作戦を実行しているんだ。 フッ、次いでだ、教えてやろう、君達が出来ない方法を。 眼科医が検査として目に光を当てただけでアンテナを印刷し、目を奪い、その目から脳を自由自在に操るんだ。 つまり人を自由自在に操れるんだ。 解ったか、このバカヤロ~ども。 分からないで静かに進行する、これが未来の必殺ビジネスだ、プロジェクト名は、《MIND ID(各々の心の暗証番号)》 心を乗っとり、脳を乗っとり、人の人生をも歪めてしまう、これが最新ビジネスだ。 また進化し続け、屋外屋内の少量の照射でも印刷する方法を研究中、全てコンピューターで管理されているんだ」 
  上から目線で相手を見下すように見ていた。
(この金無しのバカヤロ~ども)

(ヘッ、お前は、それでも《神》!?に成ったつもりか~・・・・・・小さいんだよ、この脱糞やろう、今に見ていろよ、後悔させてやる)

迷 彩映 (mei saiei・メイ サイエイ)
作家:モナリー・パドラ
MIND ID
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