MIND ID

  私は、目に写るこの世界を画面やフィルム状でしか見ていない、感情や愛、情けなどは、いっさい必要が無いと思っている。
  私は、表面上の顔など信じちゃいない、裏の顔こそ真実だ、それが本性だと信じてる。
  見える物や姿に惑わされては、いけない。 皆 相手を突き落としてでも、上がろう、幸せになろうとしている。

  三匹の化け物は、この時点では、実際に悪い夢の中の存在なのか、実際にこの世界に存在する物なのか、頭の中だけの存在なのか、全くわからない状態というのが、現実のところだった。

  しかし、事件は、これだけでは、なくなっていた。
  人が多い所にビニールの買い物袋を片腕にぶら下げた人がレンタルショップに入って行った。
  希望する物を探しにそこらじゅうを歩いて回る。
  気に成らない程の揺れにより、ガサガサッ、ガサガサッという微妙な小さい音を立てて行く。
  そして何も怪しまれないようにレンタルDVDを借りて店を出た。

  ガサガサと微妙な音をさせた後ろ姿の人が歩いて行ったあとにその通路に入った。
  そしてDVDを選んでいた。
  これが見たいという物がなく、アクション物にするか、サスペンス物にするか、恐怖物にするか、楽しい物にするか!? 色んなDVDを見て悩んでいた、楽しみが増える。

  !? 自分の手や腕が縦に置いたDVDのパッケージに成っていた。
  体を動かしても音が無い!? 何これ!? 見る事、感じる事に違和感があった、夢!?
  その通路で人と出くわす事は、なかった。

  しかし、等身大の憎々しい悪魔や天井辺りから、産まれたばかりの飛んでいる悪魔や人間!? ゾンビ、スクリーンマンやヨハネ、クラーケン・ゲルニカ等が散らかっているDVDを棚に戻し始めた、始めに顔部分のDVDを、整理され、口が無くなり喋る方法を失った、棚に戻され続ける、整理は、終えた、つまり一人の人間が現世界から消え失せたのだった!?

「お前ら遊び過ぎだ」
  一人の男が一組のグループに怒りをぶち開けた。
「俺達には、俺達のやり方がある・・・もう一企業が一世紀をかけて作戦を実行しているんだ。 フッ、次いでだ、教えてやろう、君達が出来ない方法を。 眼科医が検査として目に光を当てただけでアンテナを印刷し、目を奪い、その目から脳を自由自在に操るんだ。 つまり人を自由自在に操れるんだ。 解ったか、このバカヤロ~ども。 分からないで静かに進行する、これが未来の必殺ビジネスだ、プロジェクト名は、《MIND ID(各々の心の暗証番号)》 心を乗っとり、脳を乗っとり、人の人生をも歪めてしまう、これが最新ビジネスだ。 また進化し続け、屋外屋内の少量の照射でも印刷する方法を研究中、全てコンピューターで管理されているんだ」 
  上から目線で相手を見下すように見ていた。
(この金無しのバカヤロ~ども)

(ヘッ、お前は、それでも《神》!?に成ったつもりか~・・・・・・小さいんだよ、この脱糞やろう、今に見ていろよ、後悔させてやる)

  セキュリティも高めホームページで確実に仕事が増えてきていた。
  つまり闇のビジネスが実行され、資金が着々と貯まって来ていた。
  内心 笑いが止まらない状態だった。
  バカ殿や平静の顔を演出する普通の歯科医師に周りからは、見えていた。

  休みに楽しみの中の一つのレンタルショップに行き、DVDを選びに車で行った。
  連休が続くと見えて近くの駐車場は、いっぱいに成っていた。
  一回りしたが、空いている所がなく、あきらめて道をはさんだ向こう側に駐車場に停める事にした。

  店の中に入り、長時間使ってDVDを探したり、買うDVDを見たりして楽しんだ。  実際に借りたり、買ったりして雲のない、明るい青空の外に足を歩ませた。
  清々しい青空に顔がほころび、次第に笑みがもれた。
(俺は、勝ち組なんだ・・・)

迷 彩映 (mei saiei・メイ サイエイ)
作家:モナリー・パドラ
MIND ID
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