やす:痛いな~、そいで、イケメンとデートしたんか?
きよ:したがな、キャナルで。
やす:もう、キスしたんか?
きよ:あほいい、手も触らせてないわ。鉄パンツのきよやで。やすと、一緒にせんといてんか。
やす:いやみかいな。鉄パンツと話してたら、肩こってきた。秋といえば、旅行の秋やで。彼のバイクに乗って、えびの高原を突っ走る、最高やで~。
きよ:ほんま、旅行はええな~、女の子同士で、信州を旅したいわ。温泉に入って、郷土料理を食べて、ええやろな~。
やす:鉄パンツのレズ旅行かいな。けったいな趣味やな~。やっぱ、旅行は、彼氏とやで。
きよ:やすは、ほんま、エロいな。すぐ、そっちゃのは話に持っていくんやな。ガールズトークはたのしいで。
やす:悪口言い合って、楽しいやろな~、鉄パンツなかまって、陰湿やわ。お~、おそろし。
きよ:何が、鉄パンツなかまや。やすと話してたら、頭おかしくなるわ。
やす:まあ、そういいないや。秋は、おしゃれして、デートやで。きよは、ポパイみたいな二の腕、どないかせなあかんで。(きよの二の腕を握る)
きよ:こら~、マジ、パンチくらわすで。(やすを殴る格好をする)
やす:秋は、喧嘩の秋かいな。もうこの辺で、秋の話は、お開きにしまひょ。(二人は、一緒に股を開く)ありがとうございました。(お辞儀をして去っていく)
爆笑の連続が続き、みんな、大きく頷いた。桃香の印象はがらりと変わっていった。
周りから変人、不良と思われていた桃香であったが、漫才をする気迫に満ちた彼女を
見た生徒たちは、心から拍手を送った。鬼教頭にも今まで見せたことのないような笑顔が
一瞬爆発した。最後の漫才に入ると、口笛を鳴らす生徒も出てきた。いつの間にか、
教室は生徒たちでいっぱいになっていた。