やすきよ

やす:うまいこといきそうやな。何と言っても、秋といえば、恋やわ。イケメンに、おっちゃんに、デートいそがしいわ。やすは、もてるさかい。(スカートをめくってブルマーを見せる)

 

きよ:二股、かけてんのかいな?やばいんちゃうの。

 

やす:なにいっとるん、いまどき、二人はいるで。本命は、イケメンやけど、銭持ちのおっちゃんがいると、助かるで。小遣いぎょうさんくれるし、うまいもん食わしてくれるしな。ほしいものも買ってくれるし、捨てがたいんやで。おっちゃんは、かわいいで。

 

きよ:そんなのは、彼氏、ちゃうやんか。おっちゃんを、騙しとるだけやんか。そんな、あほなこと、やめとき。おっちゃん、かわいそうやで。

 

やす:そのかわり、手とか、お尻を触らせてやってんのやで。おっちゃん、ニコニしてよろこんどるで。(きよにお尻を突き出す)

 

きよ:ほんま、たち悪いわ。(やすのお尻を思いっきり叩く)

 

やす:痛いな~、そいで、イケメンとデートしたんか?

 

きよ:したがな、キャナルで。

 

やす:もう、キスしたんか?

 

きよ:あほいい、手も触らせてないわ。鉄パンツのきよやで。やすと、一緒にせんといてんか。

 

やす:いやみかいな。鉄パンツと話してたら、肩こってきた。秋といえば、旅行の秋やで。彼のバイクに乗って、えびの高原を突っ走る、最高やで~。

 

きよ:ほんま、旅行はええな~、女の子同士で、信州を旅したいわ。温泉に入って、郷土料理を食べて、ええやろな~。

 

やす:鉄パンツのレズ旅行かいな。けったいな趣味やな~。やっぱ、旅行は、彼氏とやで。

 

きよ:やすは、ほんま、エロいな。すぐ、そっちゃのは話に持っていくんやな。ガールズトークはたのしいで。

 

やす:悪口言い合って、楽しいやろな~、鉄パンツなかまって、陰湿やわ。お~、おそろし。

 

きよ:何が、鉄パンツなかまや。やすと話してたら、頭おかしくなるわ。

 

やす:まあ、そういいないや。秋は、おしゃれして、デートやで。きよは、ポパイみたいな二の腕、どないかせなあかんで。(きよの二の腕を握る)

 

きよ:こら~、マジ、パンチくらわすで。(やすを殴る格好をする)

 

やす:秋は、喧嘩の秋かいな。もうこの辺で、秋の話は、お開きにしまひょ。(二人は、一緒に股を開く)ありがとうございました。(お辞儀をして去っていく)

 

 爆笑の連続が続き、みんな、大きく頷いた。桃香の印象はがらりと変わっていった。

周りから変人、不良と思われていた桃香であったが、漫才をする気迫に満ちた彼女を

見た生徒たちは、心から拍手を送った。鬼教頭にも今まで見せたことのないような笑顔が

一瞬爆発した。最後の漫才に入ると、口笛を鳴らす生徒も出てきた。いつの間にか、

教室は生徒たちでいっぱいになっていた。

 

 

春日信彦
作家:春日信彦
やすきよ
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