やすきよ

きよ:ほんま、気づかへんの。膝を外に開いて歩いてるやろ。みっともないで~。膝は、開いたらあかん。くっつけるように歩くんやで。よ~見ときや。こうやるんや。(着物を着たときのように、きよは内股で歩いてみせる)こんな具合にやってみ。やらんかいな。(やすの肩をポンと叩く)

 

やす:(きよから少し離れて、ロボットのようにぎこちなく膝をこすって歩く)こうか。こんなの、歩きにくいわ。わての気性に合わん。これが色っぽいんか?

 

きよ:やすの歩きは、気色悪いわ。もうやめとき。やすに品のある歩き方は、むりやわ。

 

やす:やすには、モンローウォークが似合ってるとおもうけどな~、どない。(お尻を思いっきり左右にフリフリ歩く)

 

きよ:あかん、もうやめとき、気色悪い。おっさんでも、逃げていくで。それと、あぐらは、やめなあかん。股を開いたら、下品や。しっかり、閉じて、横すわりをしや。いいか。こんなんや。(きよが横すわりをして、ほんの少し首をかしげ、笑顔を作る)さあ、こんなんや、やってみ。

 

やす:明治女すわりかいな。こうか。(やすは、横すわりをして、しかめっ面をする)あ~、気持ち悪いわ~、あぐらが一番やで。(あぐらで座りなおす)あ~、気持ちええわ。

 

きよ:あぐらはみっともない。股間が丸見えやろ。女は股間を見せたらあかんのや。股間は、秘密の場所やで。秘密をばらすようなことをしたらあかん。常に隠さなあかんのや。女っちゅうものは、ベールに包まれるから、いろっぽいんや。わかるか?

 

やす:そか、開いたほうが、気持ちええで。

 

きよ:ほんま、あきれるわ。そう、下着も、かわいいのをせなあかん。ブラもショーツも色は白がええ。赤とか黒とか紫は、エグイ、エロすぐる。やめとき。特に、ティーバックはあかん。JCが穿いたらあかん。

 

やす:下着もかいな?下着はエロくないと彼氏、よろこばへんで。きよは、鉄パンツはいとるんか?いまどき、貞操パンツは、はやらんで。

 

きよ:あほいい、鉄パンツこそ女の価値を上げるんやで。やすみたいに、処女を安売りしたらあかん。入場料は、高くせなあかん。ディスカウントしたら、みんな真似して、やすうするがな。男が喜ぶだけやで。やすも、鉄パンツ穿きや。あ、もう、手遅れやな。

やす:あほらし、鉄パンツやて。そんなこと言ってたら、みんなに笑われるで。恋愛したら、Hすんのは普通や。処女、処女って、なんぼのもんやねん。

 

きよ:もうあかん、重症や。女の価値がわかっとらん。さっきも言ったように、女は、秘密をもたなあかんのや。処女こそ、神秘に包まれた女性なんや。とにかくやな、入場料は、たこうせなあかんというこっちゃ。もう疲れたわ。

 

やす:はいはい、早い話、じらせっちゅうことやな。参考にするわ。

 

きよ:まだあるで。化粧にピアスや。小学生から化粧してんのいるけど、早すぎるわ。肌が荒れるで。ピアスもや、JCは早すぎる。穴を簡単に開けたらあかん。ピアスもあそこも同じやで。女っちゅうものは、ガッチリ締めとかなあかんのや。じらして、じらして、ガードしてこそ、女の魅力ちゅうもんが、生まれるんや。

 

やす:そうゆうもんかいな。まあ、じらしたほうがおもろいけどな。でもな、イケメンと銭持ち見たら、すぐ開くやつ、多いで。

 

春日信彦
作家:春日信彦
やすきよ
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