やすきよ

きよ:そやさかい、大声だしとるんや。じらせば、じらすほど、男の本性が分かるんや。女の恋は、駆け引きやで。よう、おぼえときや。それに、ピアスは、おしゃれの一つや、どこにでもしたらあかん。唇にしたら、下品やで。ちっともかわいくあらへん。唇でも、あそこの唇やで。ぎょうさんしてるのいるやろ。みっともない。

 

やす:たしかに、あそこはエグイな。ヘソはいいんか?

 

きよ:おヘソぐらいは、かわいいな。言いたいことは、もっと上品にならなあかんと言うこっちゃ。女性の魅力講座はこの辺にしとこか!

 

二人:ありがとうございました。(二人一緒にお辞儀する)

 

やす:今日はたくさんの方に聞いていただき、ありがとうございました。必ず、コンテストで金賞とって見せます。頑張りますので、応援よろしくお願いします。

 

きよ:始めての漫才に緊張しました。でも、桃香の情熱に引っ張られて、頑張りました。本当に、皆さん、聞いてくださってありがとうございました。

 

~ ~ ~

 

二人の挨拶が終わると、全員立ち上がって拍手を送った。「頑張れ、頑張れ」の声援が

鳴り響いた。教頭も手が痛くなるほど拍手を送った。また、うわさに惑わされていた自分が恥ずかしくなった。教頭は、笑顔でチャレンジする桃香をじっと見つめていた。

 

 

春日信彦
作家:春日信彦
やすきよ
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