「ああ、3回勝負だ! ふふふ・・・俺様の暇潰しの恐ろしさを味あわせてやるぜっ!!」
俺のそんな疑問に対して、そう声高に即答する浩二。
こいつ絶対に、昼休みの残り時間配分とか考えてないだろ・・・(汗)
てか、ぶっちゃけ『暇潰しの恐ろしさ』とか言いつつ、不敵に笑われても全く意味不明なんだが・・・w
「はぁ・・・。ま、お手柔らかにな・・・」
何が何だかイマイチ良く分からない俺は、取り敢えず適当にそう答えておく事にしたのだった。
すると・・・。
「ふっふっふっ・・・。夜、水道の蛇口を捻る時には、せいぜい気を付ける事だな・・・」
「な、何だよ・・・、突然・・・」
唐突に、ニヒルに笑いながらそんな事を言われても全く意味不明だし・・・。
「蛇口を捻ったが最後! 水道管を伝って、俺様が登場するかも知れないからなっ!!」
「こわっ!! ・・・てか、水道管を伝って登場って、お前はどれだけ細いんだよ・・・」
何か(浩二にとっては)カッコイイ決め台詞を言ってるようなんだけど、マジでイミフ過ぎるぞ・・・ww
「はっはっはっ! どうだ? 俺様の恐ろしさを思い知ったかっ!?」
何故か勝ち誇ったように、そう高笑いをする浩二。
でも、そんな光景を改めて脳内でシミュレートしてみると・・・。
「や、ぶっちゃけ冷静に考えると、恐いっつ~よりはキモイんですけど・・・」
「なにお~っ!!」
あ、やっぱりキレた・・・www
「うわ~! 水道管を通れちゃうなんて、浩二君って凄い特技を持ってるんだね~!」
って、ぐはぁっ!
雪菜がアッサリ信じちゃってるよっ!?w
流石(俺だけに)天然娘と、言われるだけの事はあるぜ!ww
ひゃっはぁっ!! 天然娘、最高っ!!!←何故か大興奮www
でも可哀想だから、一応突っ込んでおいてやろう。
「そこ! 浩二のホラ話を真に受けないようにっ!!」
なんて言いつつ、雪菜の頭にチョップをする俺。
勿論、本気じゃなくてソフトなチョップだぜ?←誰に言ってるんだろうw
「・・・きゃ。って、え? 嘘なの??」
俺のそんな素敵な愛情表現(?)に、可愛らしい悲鳴を上げた後、きょとんとした表情でそう聞き返してくる雪菜。
「・・・たりまえだろ」
つか、本気で信じてたのかよ?
天然って、おっそろしいな~w
「くっ! 信じてないな~? なら今から、学校の水道の蛇口で実際に出来るって事を証明してやるっ!!」
俺と雪菜のそんなやり取りを見て、何故かやたらとムキになって、そう食って掛かってくる浩二・・・(汗)
「・・・それは別に構わんけど。でも沢山の見物人の前でもし出来なかったら、俺はお前の友人をやめさせて貰うからな」
俺が、じとー・・・とした目つきで見ながら、そう言ってやると・・・。
「・・・嘘です! ゴメンナサイッ!!」
ちょっぴり涙目になりつつアッサリそう謝る浩二。
・・・勝った!w
それを聞いて、
「あ~、やっぱり嘘だったんだ! 私見たかったのに~。浩二君の事、ちょっとだけ幻滅したよ・・・」
ガックリと肩を落としながら、雪菜が残念そうに(何故?)そう言った。
てか、マジで見たかったのかよ・・・。
「ぐあ~っ! 雪菜ちゃんに(ちょっとだけ)幻滅されちまったじゃねえかあぁぁぁっ!! 流! 貴様だけは絶対に許さんぞおぉぉぉっ!!」
「・・・お前、そういうのを八つ当たりって言うんだぞ・・・」
正確に言えば、自業自得とも言うんだけどね~ww
つか、キレながら「かっこ、ちょっとだけ」とか言ってる時点で、実はあまりキレてないだろお前・・・www
「え~い! 黙れ黙れっ!! とにかく暇潰し対決で、正々堂々と勝負だっ!!!」
俺は何も悪くない筈なのに、マジで理不尽すぎる・・・(苦笑)
ま、こいつが訳分からん事言うのはいつもの事だから、深く気にしないようにしてあげよう。
何て優しいんだろう俺ってヤツは・・・。←自分で言うな!w
「ああ! さっきの『暇潰しの恐ろしさ』発言から話が脱線しまくってるから、勝負するなら早くやろうぜ!」
俺がそう急かしてやると・・・。
「・・・さっきから、お前らのやり取りを見てるだけでも全然飽きないよなぁ~」
「うん、ホントホント」
少し前から、俺達のやり取りを黙って見ていた宏がそんな事を言い出したかと思ったら、雪菜も何故か嬉しそうにその言に同意している。
正直そんな事を言われても、びみょ~(苦笑)
なので。
「・・・そんな事を言われても、全然嬉しくないんだが・・・」
と、うんざりした顔で、宏にそう答えてやる。
「でも浩二は何だか、喜んでいるみたいだぞ?」
「・・・え?」
宏にそう言われて浩二の方を振り返って見てみると、確かに小躍りして喜んでいた・・・(汗)
「ひゃっほ~い♪ これが俺の実力だぜ~!」
「・・・ひゃっほ~い、って・・・」
幾ら何でも、喜び過ぎだろ・・・。
・・・てか、そもそも実力って何さ?w
「・・・きっと、すげ~単純って事なんだろうなぁ~・・・」
俺がそう、ぼそっと呟くと・・・。
「あん? 何か言ったか??」
「いんや、べっつに~」
聞こえていないみたいだったので、取り敢えずすっとぼけておいた・・・ww
「・・・あはは」
雪菜もどう言ったものやら分からずに、思わず苦笑いしてるし・・・。
てかどうでもいいけど、さっきから苦笑いしてばかりだな、雪菜は・・・w
「おっしゃ~! 今度こそ勝負開始だぜ! 先手は俺からいかせて貰うぞっ!!」
だが、そんな事知ったこっちゃないとでも言うように、浩二が改めてそう宣言する!
つか、何か勝手に浩二が先手って事になってますよ?
ま、別にいいんだけどさ。
それに俺がもし仮に先手になったとしても、正直ルールがイマイチよぉ分からんので、浩二が先手をやってくれた方が俺としても却って有り難いんだけどね。
おっしゃ! じゃ俺も、さっきの浩二に倣って、と・・・。
「うし! 矢でも鉄砲でも豆腐の角でも、どんとこいっ!!」
俺は浩二に対抗する為に、無駄に(俺的に)カッコイイ決め台詞で切り返してみる事にした・・・のだが・・・。
「え? ・・・豆腐の角??」
「・・・何故に??」
何故かきょとんとした表情をした雪菜と宏に、そう聞き返されてしまった・・・。
・・・どうやらカッコ良くはなかったらしい・・・(爆)
「や、豆腐の角って何だか固そうなイメージが・・・」
何か浩二に負けたような気がして、へどもどと訳の分からん言い訳を始める情けない俺・・・。
「でも豆腐って角も柔らかいよね~?」
「うん。豆腐は基本的に柔らかい食べ物だからね。凍らせれば固くなるとは思うけどさ」
「・・・・・・」
こいつらに、何を言っても無駄だったか・・・。
「・・・手痛い突っ込みをありがとう」
物凄い敗北感に苛まれつつも、取り敢えずそう謝っておいた・・・(涙)
チッ! (変な所で)現実主義者共めっ!!(爆)
「・・・何だかよく分からんけど、始めてもいいのか?」
そんな俺達のやり取りを、よく理解していなかったらしい浩二がそう聞いてくる。
「・・・あぁ、いつでもどうぞ・・・」
何かムカついたので、そうふてぶてしく答えておいた。
「んじゃ、始めるぞ! 暇潰し対決、第1回戦は一人しりとり対決だっ!!」
「・・・は? 一人しりとり対決??」
意味がよく分からず、思わずそう聞き返す俺。
「ありゃ? 何だ、流は一人しりとり知らないのか??」
「や、そりゃ知ってるけど、対決って具体的にどうすれば良いんだ?」
つか、質問に質問で返してくるなよ・・・(苦笑)
「勝負内容は簡単な事だ。ただ一人で、しりとりを続ければいい」
何故かドヤ顔で、そう得意げに答える浩二。
「・・・で?」
「ひたすら、一人でしりとりを続ける」
「・・・・・・で?」
「ひたすら、一人でしりとりを続ける」
・・・何か話が無限ループに突入してないか?w
「・・・リピートアフターミー?」
取り敢えず確認の為に、英語でもう一度尋ねてみる事にする俺。
「・・・スマン。異国語は分からないんだが・・・」
メッチャ悲しそうな表情で、何故かそう答える・・・。
・・・てか異国語って、いつの時代の人だよ?ww
そもそもそれ以前に、こんな簡単な英語も分かんないんかい・・・www
よくそんなんで、この学校に進学出来たもんだ・・・(爆)
って、変な所で感心してる場合じゃなくて!
「あの~。一つ聞いて良いか?」
「ん? 何だ??」
どうしても気になった事があった俺は、その疑問を率直に浩二に尋ねてみる事にする。
「一人でしりとりをする事は分かったが、お前がしりとりをしている間、俺は何をしていれば良いんだ?」
「俺が一人でしりとりをしているのを、見ていれば良いんじゃない?」
またしてもさっきのように、質問を質問で返してきやがった!(怒)
てか・・・。
「・・・何で俺に聞く」
俺に聞かれても知らんがな・・・。
「・・・さぁ?」
「・・・・・・」
・・・な、何ていい加減なヤツなんだ~!
呆れてもはや何も言い返せませんよ、俺は・・・(苦笑)
「と、とにかく、一度やってみようよ」
そんな俺達の様子を見かねたのか、雪菜がそうフォローを入れてくれる。
「やってみれば、意外と面白いかも知れないじゃん」
それに便乗して、宏もすかさずそう言ってくる。
てか、それがもし本当だとしたら、マジで意外過ぎるだろ・・・(苦笑)
「・・・それは無いと思うぞ」
なので、そうキッパリと言い切ってやった。