満たされない世界 暇潰し対決1 ~前編~

「んじゃ、始めるぞ! 暇潰し対決、第1回戦は一人しりとり対決だっ!!」

 

「・・・は? 一人しりとり対決??」

 

意味がよく分からず、思わずそう聞き返す俺。

 

「ありゃ? 何だ、流は一人しりとり知らないのか??」

 

「や、そりゃ知ってるけど、対決って具体的にどうすれば良いんだ?」

 

つか、質問に質問で返してくるなよ・・・(苦笑)

 

「勝負内容は簡単な事だ。ただ一人で、しりとりを続ければいい」

 

何故かドヤ顔で、そう得意げに答える浩二。

 

「・・・で?」

 

「ひたすら、一人でしりとりを続ける」

 

「・・・・・・で?」

 

「ひたすら、一人でしりとりを続ける」

 

・・・何か話が無限ループに突入してないか?w

 

「・・・リピートアフターミー?」

 

取り敢えず確認の為に、英語でもう一度尋ねてみる事にする俺。

 

「・・・スマン。異国語は分からないんだが・・・」

 

メッチャ悲しそうな表情で、何故かそう答える・・・。

 

・・・てか異国語って、いつの時代の人だよ?ww

 

そもそもそれ以前に、こんな簡単な英語も分かんないんかい・・・www

 

よくそんなんで、この学校に進学出来たもんだ・・・(爆)

 

って、変な所で感心してる場合じゃなくて!

 

「あの~。一つ聞いて良いか?」

 

「ん? 何だ??」

 

どうしても気になった事があった俺は、その疑問を率直に浩二に尋ねてみる事にする。

 

「一人でしりとりをする事は分かったが、お前がしりとりをしている間、俺は何をしていれば良いんだ?」

 

「俺が一人でしりとりをしているのを、見ていれば良いんじゃない?」

 

またしてもさっきのように、質問を質問で返してきやがった!(怒)

 

てか・・・。

 

「・・・何で俺に聞く」

 

俺に聞かれても知らんがな・・・。

 

「・・・さぁ?」

 

「・・・・・・」

 

・・・な、何ていい加減なヤツなんだ~!

 

呆れてもはや何も言い返せませんよ、俺は・・・(苦笑)

 

「と、とにかく、一度やってみようよ」

 

そんな俺達の様子を見かねたのか、雪菜がそうフォローを入れてくれる。

 

「やってみれば、意外と面白いかも知れないじゃん」

 

それに便乗して、宏もすかさずそう言ってくる。

 

てか、それがもし本当だとしたら、マジで意外過ぎるだろ・・・(苦笑)

 

「・・・それは無いと思うぞ」

 

なので、そうキッパリと言い切ってやった。

「うわ! そんなアッサリと断言しやがって・・・」

 

俺のそのような態度に、ちょっとだけテンションの下がる浩二・・・。

 

「だってやるも何も、そもそも俺は見てるだけじゃん」

 

それの一体何が、面白いと言うのだろう?

 

「でも見てるだけでも、新たな一人しりとりの新境地が開けるかも知れないぞ?」

 

「どんな新境地だよ・・・」

 

宏がそんな事を言って、俺をノせようとしてくるが・・・。

 

ぶっちゃけ、そんな訳の分からん新境地なんて開きたくね~w

 

「まぁまぁ。そんな事言わずに、騙されたと思って一度だけやってみよ! ね♪」

 

「・・・・・・」

 

さっき浩二の馬鹿に騙されてた、雪菜にだけは言われたくねぇよ!

 

・・・なんて思ったけれど、何だか雪菜が可哀想な気がしたので、喉元まで出掛かったそんな言葉を寸での所で、ぐっと飲み込んだ。

 

何て優しいんだろう、俺ってやつぁ・・・。←だから自分で言うな!w

 

でもこれだけは、ハッキリと言わせて貰うぞ。

 

「・・・だから何で、判定する立場のお前らの方が俺よりもメッチャ乗り気なんだよ?」

 

さっきから気になっていた事をそう聞いてみると。

 

「見てて飽きないから☆」「見てて飽きないから♪」

 

メッチャ綺麗にハモリながら、そう即答しやがった・・・ww

 

「うっわ! すっげ!! ハモッたっ!?」

 

俺、変な所で大興奮!!www

 

・・・てかまた、そんな理由なのかよ?(苦笑)

 

「・・・はぁ。わ~ったよ! やればいいんだろっ! やればっ!!」

 

もうこれ以上、何を言っても無駄だと悟った俺は、ヤケクソ気味にそう叫んだのだった・・・(爆)

 

 

「暇潰し対決1~後編~」に、つづく!

駿河 流
満たされない世界 暇潰し対決1 ~前編~
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