リタイヤメントのための知的生活

第一章( 4 / 12 )

第一章 自宅に一人になれる場所をつくる

4.物置のための部屋を自室にしたらどうでしょう


●物置部屋を自分の部屋にしつらえる

自宅に空き部屋が無い場合は、納戸やロフト、あるいは屋根裏部屋に候補を見つけます。納屋やガレージでも良さそうです。むしろそういう場所こそ「男の隠れ家」的ムードが漂うため、自宅という家族団らんムードと一線を画すリタイヤメントのための特別な部屋に仕立て上げられます。


●四畳半の部屋が自室にできればベスト

そのような部屋は狭いでしょう。しかし狭さは必要です。なぜ四畳半の部屋がこんなにも普及したのか、その理由は経済的なものだけではありません。 四畳半という部屋の利点は、手を伸ばせば何にでも手が届くということにあると言ってもいいでしょう。そこにあるモノは全部知っていて、本でも道具でも「それが必要だ」と思ったとき、すぐにそいつに手を伸ばすことができるのです。だから思考を中断せずに今必要なモノを取ることができる実用的な部屋なのです。もしそれを手にするために、席を立ち、歩き、探し、手に入れて戻って来るようであったら、折角のおぼろげに考えていた消えそうなアイデアは、もう消えてしまうことでしょう。

第一章( 5 / 12 )

第一章 自宅に一人になれる場所をつくる

5.自室になるような部屋が無いときには・・・


●家族のいない時間帯と部屋を自分用に独占使用する

もし自宅に一人になれる自室を持つことができなくてもまだ「一人になる手段」はあります。家族がいないリビングやダイニングを使うことです。家族の寝てしまった後のリビングやダイニングは自分一人のスペースにできます。そこで本やノート、道具を広げて知的な作業をすることは十分可能です。


●自宅フレックスタイムで自室的な時間を得る

 そのために、時差生活をしてみましょう。奥様が起床するより数時間後に遅い朝を迎え、夜は奥様の就寝より数時間遅くする。その数時間のリビングやダイニングの営みこそが、知的作業を支える時間帯になるのです。 もっともそういう夫婦時差生活を送るためには家族の理解が必要です。しかしそんなに難しい理解ではありません。もしかしたら「一人になりたい時間を作りたい」という表現が家族にとっては「家族は邪魔だ」と誤解される可能性があります。そうではなく「思索の時間が欲しいのだ」と説得しなければなりませんが、その誤解さえ解ければ、自宅に自室は無くても思索の時間が作れるようになります。 夜中を知的作業に使うアイデアの他、家族が出勤中の留守の間なども同様に活用できるでしょう。

第一章( 6 / 12 )

第一章 自宅に一人になれる場所をつくる

6.自分の机と自分の椅子を部屋に置く


●何はともあれ自室に机と椅子を置く

一人の部屋はよく言われる「男の隠れ家」。女性も同好の指向があれば隠れ家の部屋を持つことでリタイヤ後の知的活動は、楽しく充実したものになるに違いありません。部屋には机と椅子が必ず必要です。その部屋でどのような作業をするにしても、その基盤となる道具が机と椅子です。机はできれば広いものを用意したいところですが、自宅に余っている、例えば子供が長年使っていた机を流用するのもやむを得ないでしょう。有るものを有効利用することは、有るものを捨てて新しい見慣れないモノを買うより気分は和みます。 その机の大きさに不満なら、もう一つ別の台を机の脇に置くことにしましょう。


●机は大きなものを、椅子は二脚を

知的作業に一旦とりかかると、紙やパソコン、広げたままの本などを一時的に置く場所がどうしても要ることが起こります。そのようなときに置くべき場所が机の上に無い場合に台が無いとイラッとなります。 料理中に盛りつけた皿を置く場所が手元に無いときを思い浮かべてみると、そのイラッとする気分が推し量れると思いますが、自室で書き物をしているときもまさに同じ気分になってしまいます。 広めの机、または書類や本が置ける台が部屋には必要です。 椅子も二脚、種類の違うものを配置します。疲れたら椅子を代えると気分転換になりますし、空いている椅子に両足を載せればくつろぐことも可能です。

第一章( 7 / 12 )

第一章 自宅に一人になれる場所をつくる

7.自室にベッドは置くべきでない


●ベッドは知的活動に向かない

ベッドを置くと室内を狭くするだけでなく、活動をしようとする気分を萎えさせる効果も運んできます。ベッドを見たら寝転びたくなる。そういう気分は知的活動には向きません。室内には知的好奇心を強める備品だけを置くようにします。 もし自室の中で寝転ぶ必要があるのなら、床に寝転ぶようにします。畳敷きでもフローリングの床でも、寝心地があまりよろしくないから、寝転んでいても頭は冴えたまま維持ができます。


●自室はいつも仕事するムードにキープする

自室の目的は一人になって思索を行い、アイデアを湧き出させる場所ですから、副交感神経が働きすぎてしまわないよう、仕事をする雰囲気にしつらえなければなりません。 もし「自分はベッドの上で、朝目覚めた直後に良いアイデアが浮かぶような性格の持ち主だ」という場合は、自室とは別の寝室枕元にメモを置き。そこにアイデアを書きとめるようにします。あくまでも自室は仕事の場所としておかないと、リタイヤメントライフにつきものの、ダラダラ生活になってしまう危険があります。

大庭夏男
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