ルナティックな時

2013年1月( 3 / 27 )

*涙枯れても*


 あまりにもあまりにも

 哀しすぎると涙一粒落ちてはこない

 あまりにもあまりにも

 悔しすぎると声一言でてこない

 ろくでもない時、追従に笑えるくせに

 心底の喜怒哀楽の極限に人は

 血の涙を流すのか

 血の声で泣き叫ぶのか

 *****

2013年1月( 4 / 27 )

冬の花火


 ふいに花火の音がする

 どんよりと重い気配に

 お似合いの湯揺うような

 真冬の花火

 *****

 おぼろな儚い夢か?
   拙い音はこだまする

  打ち上げられては華と咲く

 哀しみも苦しみも喜びも楽しみも

 皆みんな広い宙(ソラ)へと吸われていく

******





 

2013年1月( 5 / 27 )

雪雲


 震えてるのか?

 雪空で早い時分に関わらず

 グレ-で一面覆われた低い空

 凍えそうなこの心

 寒さのせいばかり

 それだけでないこと

 よく解ってる

 微かでいい・僅かでいい・

 あなたの温情がほしい・

 この雪雲が溶けるのに・・・


***

2013年1月( 6 / 27 )

めじろ


 りゅうりゅうと-

 寒気切り裂き-

 鳥は飛ぶ-

 樫の枝には

 挿してあるよ-

 みかんの身-

 啄ばみにきて-

 メジロ達-

*****

runa
作家:ルナ
ルナティックな時
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