竜と付き合いだしてから、奥さんの存在を意識した事がありませんでした。
竜とは好きな時にメールも出来たし、好きな時に電話も出来た、
デートも週2回、外泊も月1回出来きました。
とにかく奥さんの事で、わたしが我慢をすることは何一つありませんでした。
竜と一緒に暮らしている女性は竜の子供を産んだだけの人。
でも、竜の子供を産んだという決定的な事実は、わたしを落胆させた。
若ければ竜の子供も産めたであろう。
50を過ぎた女には逆立ちしたって産めやしない・・・それが現実だった。
子は鎹(かすがい)まさしくその通りの夫婦。
「子供がいなかったら、とっくに嫁とは別れてたよ、俺は子供のために離婚しなかった、子供には母親が必要だから」
竜の奥さんは子供が私学の幼稚園に通うようになると見栄を張る為にブランドの子供服や自分の服、バッグや靴を買い漁るようになっていった、竜から生活費しか貰っていなかったのに。
奥さんは竜に内緒でサラ金からお金を借りることになる。
少しでも裕福に見られたい
少しでもセレブに見られたい
そしてお金を返せなくなると、また次のサラ金でお金を借りる、
雪だるま式に借金が増えていく。
竜は奥さんが借金していることなど、つゆ知らず、父親の会社に就職し社長から指導を受け、次期社長になる為に仕事を覚えている大切な時期でした。
そう、妻子を養うために。
奥さんが借金を繰り返していることが、竜の耳に入ったのは竜の会社にサラ金会社から連絡が入ってからでした。
「サラ金会社から連絡がきた時、金額を聞いて目の前が真っ暗になった、嫁の作った借金は1000万円近くだったから」
竜は家に帰り、借金のことで奥さんを問い正しました。
借金の取り立ての電話などで、精神状態が不安定になっていた奥さんは逆ギレし、キッチンから包丁を持ち出し、
今にも竜を刺そうとする勢いでした、娘の安奈も近くにいたので、
とにかく奥さんを落ち着かせなければいけない。
そこで竜のとった行動とは・・・